青標建物内 青の奥間84
青標建物内
青の奥間
異空間遊び ミスハサ 紫電球
異空間遊びは紫電球を抱きしめ、歩く。
空間内で楽しそうに散歩するようにそこにいる。
紫電球へ話しかける。
「紫電球ちゃん。何かいるんだって。何がいるのかな?んー。ついていけばいいけど、これから行く相手動けなくしてからだよねー」
都合の良い現実が起きている。
どう起きているかは分からない。
都合の良いということは。
この場所にとっての都合が良いこととは何なのか。
異空間遊びはんー?となる。
「都合の良い現実か………人類みんなそれがいいだろね。都合の良い現実というと、働かずに食べていけるとか、病気にならないとか、死ぬときは痛くないとか、……あと、夢だけ見れるとか?んー。夢、か。でもさ紫電球ちゃん。都合の良い現実なんてないよね?」
紫電球たちはうなずく。
都合の良い現実があるとは思わない方がいい。
そういう風にうなずく。
異空間遊びは紫電球二体を抱くと先にいるのは。
青年。
彼は綺麗と感じた。ただ綺麗ではなく、しっかりと目的を持つからこその美しさと感じた。
やはり何かを持つ相手は美しい。
異空間遊びはすぐに気付いた。
ミスハサは手は赤く腫れあがる。
異空間遊びはそのことに考える。
都合の良い現実へと手を伸ばした。
つまり、痛みがあるとしても彼は何かのためにそうしている。
紫電球たちは異空間遊びの頭に乗る。
彼女は手を叩く。
「えらい!えらいね!何でか分からないけど!うん!偉い!手痛いよね!?なのにうん、えらい!」
異空間遊びは笑顔。
手を赤くしてでも何かの目的を持つ。
異空間遊びはミスハサへ近付く。
「あなた!誰!」
ミスハサは静かに答える。
突然現れた相手に驚かない。
「ミスハサ。君は?」
「異空間遊び!異空間で遊ぶの!」
異空間遊びは腰に手をつけて笑う。
ミスハサは手を伸ばし、更に手首までも赤く腫れが広がる。
けれど気にしない。
異空間遊びは彼を止めるために来たが出来ない。
「出来ないっ!何のために手を腫れさせてるの!?」
「……………話す必要ある?」
「えー!聞きたい聞きたい!」
「俺は集中してるから静かにしてくれる?」
「私がいても驚かない!」
ミスハサは静かにしている。
異空間遊びはニコッとする。
紫電球たちへ軽くいう。
「紫電球ちゃんたち、ミスハサに攻撃っ!」
紫電球二体は大きくなるとミスハサへぶつかろうとする。
ミスハサはギリギリで当たる直前、姿を消す。
異空間遊びは「?いなくなっちゃった…つまんなーい」といい、ニコリとする。
「じゃあ、青命思航たちについていこー。紫電球ちゃんたちおいで」
異空間遊びの頭の上に乗ると小さくなる。
異空間遊びは楽しそうに浮かぶではなく、歩き出した。




