目覚めと帰路。
お久しぶりです。
またデータが吹っ飛んだり、忙しかったりと更新ができませんでした。
忘れてしまっている方もいるでしょうがどうかお読みくださいm(*_ _)m
少女はポケーっとしていた。
風の吹かない部屋、窓から指す朗らかな陽気、ふかふかのお布団の中では誰しもがついボーとしてしまうであろう。
先程まで暗くて硬い荷馬車に乗せられ、運ばれていた環境とは天と地の差であった。
ぐるるるるぐるぐるるるるるるる。
「あ……お腹減った……」
少女は誰にも聞かれてないかとお腹を擦りながら少し赤らみ、あたりを見渡した。
「さっきの黒猫さんに悪いことしちゃったな……急に怒鳴ったりしちゃって……多分このお屋敷の主さんの使い魔とかだよね……買ってきたら謝んなきゃ……」
レオがこの屋敷の主だとわからない少女は屋敷の主を探すためベットから降りた。
「えっと……こっちかな?」
少女は扉の前に来ると取っ手がないことに気づいた。
「あれ?この扉取っ手がないよ……ふんーーーー!そりゃーーーー!だめだー押しても引っ張っても開かないよ……扉じゃないのかな?」
当然であるこれは日本縁の引き戸なのだから。
「うーんもしかして閉じ込められてるのかな……」
その時引き戸が勝手にスーーと横にスライドして、大きな男が顔を覗かせた。
「おっおきただか!」
「き、きゃーーーーーーー!」
「ひゃーーーーーーなんだーーーー!」
少女は驚き大男の脇の隙間から外に飛び出した。
大男も少女の悲鳴に驚き、女の子のような悲鳴をあげていた。
「なんだなんだーどうしたっぺよ」
「きゃーー近寄らないでください!食べられるー!」
「おらそんなことしないっペよー!」
少女を追いかける大男の頭には日本の角が生え、大きな牙がした顎から生えている。確かに食べられそうである。
必死で屋敷の長い縁側を走る少女の頭上を小さい何かが通り過ぎた。
「ちょっとーーー!ガクウ!!何いじめてるのよ!お客様なんだから丁重に扱ってってレオ様に言われたでしょ!!!このあんぽんたん!!!」
「おら何もしてないだよー。具合見に来たらその子が逃げてったんだーー!」
「えっ……?」
「何もしないで逃げるわけないでしょうが!あんたの見た目が怖くたって何もしなきゃ逃げないわよ!」
「そ、そんな事言われてもだ。おらほんとに何もやってないぺよー!」
少女が後ろを振り返ると今にも泣き出しそうな大男が手のひらサイズの女の子に怒られていた。
「あ、あのー……」
恐る恐る声をかけた。
「あっ!目が覚めたのね!待ってて何したかわからないけどこいつをちょっと懲らしめてやるから!!」
「ひぃーーーー!!」
「ちょっちょっと待って……!その人本当に何もしてないの……くぅが勝手に驚いて逃げちゃっただけなの……」
小さな女の子は大男の方と少女の顔を三往復くらい見ると笑いだし、大男の方をポンポンと叩きながら悪い悪いと言っていた。
「大男さんさっきはごめんなさい……くぅ突然の事でびっくりして……」
「もういいだよ……おらも勝手に入ったのは悪かっかったでよ……それとおらの名前はガクウ・っていうだ。体大きいのは鬼族だからだっぺよ」
「そうだったんですね……くぅはクウウって言います。クウって呼んでください」
「ふふふ私は小精霊のリラって名前だよ!こいつとは腐れ縁でさ!今はこのレオ様のお屋敷で働かせてもらってんだよ!」
「レオ様?」
「おら達2人とも故郷を追い出されちまってさまよってた所をレオ様に拾って貰ったんだ」
「そうそうこいつ気が小さくて鬼族の儀式とか受かれず、厄介者扱いされて耐えきれなくなってさと出てきたんだと。それで腹減って私の里の食べ物勝手に食っちまって、それが精霊王に献上物だったからさ、精霊裁判にかけられて、三百年封印されちまうとこ助けちまったら私も道連れっ手分けさ。飛んだ迷惑だよ。ははは。」
「めんぼくねぇ」
「いいさいいさ。そのお陰で今はレオ様の元で楽しくやってるんだからさ!」
気弱なオーガと姐御肌のピクシーお似合いなのかもしれない。
「レオ様ってこのお屋敷の主様?」
「ああそうさ!あの方は凄いよー!今までに何人もの魔女様を育て上げて、この世界を裏から導いてきたお方さー」
「魔女様を!?」
「あーそうだ。しかもただの魔女でねぇぞ!神位魔女様をだぞ!この世界にまだ10人しか確認されてないっぺよ。その半分以上はレオ様の教え子だべ」
「そのレオ様はどこにいるの?お礼を言いたいんだけど……」
「さあねさっき出ていったけど……もうすぐ戻ってくるんじゃないかな……」
「そっか……くぅも魔法教えて欲しいな……そうすればお姉ちゃんを……」
「うーんどうだろ……今はレオ様、弟子とってないしなー数年に一度結構命懸けで志願者来るんだけど全部追い返しちゃってるからね……レオ様のこと調べてここまで来るのも容易でないでしょうに……」
「お姉さんいるだか?どうしたんだ?」
「そうなんだ……ううん。何でもないよ……」
あからさまに暗い空気になった。
「まあそのなんだ!このことはレオ様が帰ってきたら直接相談するとして!今は屋敷の中を案内してやろうか?まだしばらくはいるだろうしな!」
「お、おお!そだなそれがいい!!」
「えっでも!勝手にいいの?」
「いい。いい。私が許可する!」
リラを小さな手でクウウの頭を押すと縁側を後にした。
その頃レオ達は……。
「旦那ーまだつかないんですかい!」
「もうちょっとだー」
こいつらこんなすぐにねをあげやがってこんなんでよく森を抜けようとしてたな……俺が来てやんなかったら確実に死んでたこと間違いなしだ……。
「兄貴ーもう疲れたっすよー」
「もう!ハルルトったらもう少し頑張るのよ!」
「おいお前たまに思ってたけどその口調もう隠さないのか……」
「もういいのよ。私は私のままで行くわ!」
「そ、そうか……はあ……」
こいつらなんか複雑そうだな……でも大丈夫だろうかあの少女にこいつら合わせて……殺すと言われたら殺さなきゃだよな……。
「おいお前ら浮かれるのはいいけどな少女になんて謝るか決めたのか?」
「「「…………」」」
「馬鹿野郎!!考えてろって言っただろうが!!お前ら少女を殺そうとしたんだから殺されても文句言えないからな!!」
「ああ旦那……でもよあんな小さな女の子があの馬車に入ってるとは思わなかったんすよ……あの時は咄嗟で……」
「今更言い訳すんなよ。お前らがなんといったって見殺しにしようとした事実は揺らがないんだからな」
「ああ分かってるよ……旦那……こんなこと言える立場じゃないのはわかってるんだがよ……もし俺らがあの子に許されなくて殺されちまったらよ……妹だけは何とかしてやってくれないかな……頼む!」
「私からもお願いよ!」
「わっちからもお願いっす!」
兄はみんなシスコンだというがこいつは本当に妹のために悪事に手を染めたんだな……そしてこいつらもこいつの事本当に尊敬してるんだな。
「ああ分かったよ。妹のことは任せとけ、だから妹のために何とか許してもらえるように必死に考えるんだな」
「旦那ー!ありがてぇ!本当にありがてぇ!俺もう死んでもいいぜ!」
「兄貴ーできれば死にたくないっす……」
「そうね……考えましょう真面目に……」
「ああ……」
さてこれからどうするかな……。何かわからんが俺も家に帰んの憂鬱だぜ……。こんなのは人間の時以来だな……。
三人と一匹は思い足取りで帰路についた。
レオの屋敷は純和風な作りでかなり広い設定です。
キッチンや温泉などを完備しており基本的に快適です。
リラやガクウなどの使用人や職人にもそれぞれ役割を与えていき、能力なども明らかにしていきたいと思います。(まだまだキャラ出てくる予定です)
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