黒猫チート。
2話目の更新となります。
ふーさてさて現状を整理しよう。
ここには女の子が倒れている。血まみれでボロボロの服を着た中学生くらいの少女だ。髪は黒時々赤といった感じでかなり長い、まるであちらの世界のエクステ?かなんだか分からないが細かい赤い毛が所々に見える。
幸い深い傷などはないようで、あまりの出来事に気絶してしまっんだろうな。さてこの子をどうしようか……。まあこのままにするのはなんか可哀想……てか元人間の俺からするとそんな非人道的なことは出来ん、猫だけど。
やっぱり連れ帰るしかないか……。
【念動魔法】エアロハンド。
空間がよじれたようになり、見えない大きな手のようなものが出現し、少女を掴んだ。
雑でごめんな。でも猫の手も借りたいと言うけれど猫には手はないわけでありまして……。少しの我慢だ。
数分後。
よっこらせー。ただいまー。
レオが少女を抱えて向かっていたのは木造のロッジのような建物であった。この家はレオが知識の魔女メリーと住んでいた家があった土地に自分で建てた家である。
猫に必要かって?はっはっは。俺は猫であると同時に人間だったという存在でもあるのだよ!虫やら何やらがいる外で寝れるわけないじゃないか。ここなら雨風も防げるし、大体の事は出来るからな!
それに地下水脈から引っ張ってきた水道、地熱や風力を利用した電気もあるし、風呂、トイレ込みの優良物件だぜ。俺ぐらいになるとこれくらいは朝飯前だぜ。理系大学の勉強してた賜物だけどな。(落ちたけど)
おっとまずはこのふかふかな羽毛ぶとんのベットに寝せてっと……あとはーこいつ腹減ってるよな……何か作ってやるか。
レオは異世界に不釣り合いな高機能キッチンに来た。そこはレオが使いやすいよう猫1人が乗れるような台が設置してあり、レオは跳躍するとその台に乗った。目の前にはガスコンロのようなものが設置されている。
ふふ。近くの熱源地帯に溜まってたガスを【鑑定魔法】サーチで調べて、【抽出魔法】エクストラクションで選別した純度の高いガスを鍛冶屋にこっそり作ってもらった鉄のガス入れに取ってくれば使い放題だぜ。計算だと日本が10年間使い続けても無くなることがないような大埋蔵量だったしな。
あとは火魔法で爆発しないように火をつければいいな。三回くらい吹っ飛んだからな気をつけなければ……。よしついた。
レオが作り出したコンロはあちらの世界のものと大差ないような見事な出来であった。
そしたら今日は何作ろうかな?あいつ随分弱ってるみたいだったからな……まあ卵がゆでも作ってやるか。卵は手懐けた四季鳥の卵を使ってと……日本米は残念ながらまだ完成には程遠いからこのハルシオン原産のハルシオン米(パサパサしてあまり美味しくない)を使ってっと……味付けは岩塩で薄い塩味にしておいて、自家製のプレム干し(梅より少し大きい異世界植物)とこちらも自家製ハルシオン豆味噌を添えて出してやるか。
レオはエアロハンドを使って、鍛冶屋に作らせた鉄鍋にハルシオン米を天然地下水のくみ水で煮始めた。
よしもう一品作るか……主に自分用だが。先程倒したエイリアンウルフの肉を少しとってきたからなビーフシチューならぬエイリアンウルフシチューでも作るか。
まずは【切魔法】カットで肉を一口大切る。ひとつ間違えると色んなものを切り刻むため注意してっと……。それをお粥とは別の鉄鍋にオルの実からとった油をひいてっと、焼き目がつくまで焼いていく。
次に固定魔法陣を準備して、【圧力魔法】プレスを登録、固定。焼き目のついた肉を自家製ワインに付け、そのままの状態を【保持魔法】キープで空中に保持(ワインの水球が空中に漂いその中に肉が入っている)【熱魔法】ヒートでワインの玉を加熱、煮込んでいく。その玉をエアロハンドでプレスの魔法陣の上に誘導すると4方向から圧力がかかる。魔法による即席の圧力鍋の完成である。
この操作がむずいんだよな……プレスが強いと破裂するし、キープが強いと煮込まれねぇし、ヒートが強いと肉固くなるしな。バランスが大事だぜ。
よし次に野菜を準備だ。野菜は玉ねぎ、人参、ジャガイモとかに似てる種を世界旅した時に見つけてきて置いて、ここ100年の品種改良の末にほとんど遜色ないレベルにまで育てたからな。裏の畑にいっぱいなってるぜ。
その野菜たちをカットでちょうど良い大きさに切り、煮込んでおく。
さてとお粥もそろそろいいか……四季鳥の卵は季節で味が変わるからな。今は確か黄身が濃い季節(地球で言う春頃)か出汁で少し多めに割るか……たかが出汁だと怠るやつは俺は嫌いだ。日本人なら旨みに敏感であれだ!
森のキノコを干して戻した戻し汁に四季鳥の鶏ガラの出汁をブレンドしたもので卵を溶いていく。そしてエアロハンドをまるで自分の手のように使い卵を箸伝いに流し込む。もちろん火は弱火で。すると卵ふわふわの卵がゆの完成である。すかさず【保存魔法】セーブで熱々状態で固定する。いつ少女が起きてもいいようにだ。
よーし後はこいつだな。
プレスとヒートを解除。エアロハンドでキープ状態のワイン漬け肉を持ってくると鉄ザル(鍛冶屋に作らせた)の上でキープを解除した。灰汁や余計なワインを落とすと野菜を煮込んでいた鍋に投入した。ワインも少し入れる。
あーそうそう。あれがなくっちゃな。
レオはトコトコと食品庫の方に行き、何やらカチャカチャやり出した。
あったあった。これこれ作り貯めしたトマトピューレとトマトの果肉缶!いやーセーブ様様ですよほんとに。
レオが持ってきたのはセーブによって保存されたトマトの加工食品。トマト缶とケチャップのようなものだ。それをどちらも鍋に投入。
あとこれも必要だよな。コンソメ!
これはレオが暇つぶしに狩ってきたモンスター達を煮て、とった旨み成分を【圧縮魔法】コンプレッションで固めて、セーブで保存したものである。これも鍋に入れる。
香草探すのも苦労したよなー。ローリエに似てるの探すのはマジで苦労したわ……。
ローリエに似てるという香草もぶっこむ。
あとは塩コショウで味を整えてっと!隠し味に豆味噌をいれて完成だぜ!エイリアンウルフのビーフシチュー風!おっとモルク牛の生クリームも垂らしてっと!
完成!!
お分かりいただけるだろうかこの黒猫はチートである。
マジカルクッキング!
チート黒猫ならではの調理法で料理をします!
その他の面でも黒猫レオのチート加減が分かる話となっております!
ちなみにこの物語の主人公は少女となっております。
黒猫レオの物語は不死の魔女で終幕をしてるので少女の物語が強くてニューゲーム状態を意識して作っております。
次回は黒猫の料理に少女がどういう反応をするか。少女の生い立ちなど書きたいと思っていますのでよろしくお願いします。
ちなみに料理回多めで行きたいと思います。
宜しくお願いしますm(*_ _)m
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