BLACK/OF/REDAND/BLACK
RED・AND・BLACK〜二つの色〜編、ついにクライマックス!
桐原須藤と栗柄八迫の初ダンジョン、別名暗黒の谷のクエストは成功するのか?そして桐原須藤の切り裂きジャック抜けの本当の意味とは・・・・。
BLACK・OF・REDOUT・BLACK
八迫は、遠い空のかなたにいるはずの須藤を思った。そして、本を開く。
それは友と友が粗そう物語だった。
八迫は途中で読むのを止めた。読まなかったのではなく、読めなかったのだ。自分と、須藤のように見えて。
須藤は、遠い空のかなたにいるはずの八迫を思った。そして、本を開く。
それは、友を殺す復讐劇の話だった。
須藤は読書が得だったので速読法をつかって十分ぐらいで読んだ。
亮祐は、趣味の料理を作っていた。悶太の誕生日だったからだ。
紙をみて、悶太から注文された料理の数々を作っていく。その姿は、様になっていた。
そんなとき、リストの中にある料理名を見つけた。
「ローストチキンのあぶり照り焼き」
それは、八迫とともに領すが、須藤が逆襲する前日に食べた物だったからだ。
「須藤・・・・。」
亮祐は、今でも信じられない。あれが本当に自分の知っている桐原須藤なのか・・・・・。
亮祐は料理を作る中で・・・・・ローストチキンのあぶり照り焼きを作る中で、考えた。自分が、八迫と、須藤に出会ったその日を。
確か、小学三年生ぐらいだったはず・・・・。
「皆さん、こっちを向いて。今日から転校生が入ります。中片亮祐君です。」
仏頂面で、亮祐がクラスにはいる。
「中片亮祐です。」
亮祐は、入ったとたんに八迫の方に顔を向けていた。
「中片亮祐。」
「誰だ、お前。」
八迫が三白眼でにらんで答える。
「いや、お前のほうが誰だよ。」
思わずつっこんでしまった。
先生は、黒板をたたくと、黒板が半回転して裏向きになった。
「あんたら、静かにしないと、この百乱刀で叩き斬るわよ。」
八迫をこえる三白眼で、二人をにらむ先生。
「は・・はい。」
二人の息はぴったりで返事をした。
「じゃ、八迫。須藤と一緒に亮祐の面倒でもみてやってね。」
先生は、百乱刀を八迫の首筋に当てて言う。
「ふぁふぁふぁ・・・ふぁい・・・・・。」
首筋に冷たい物が当たった八迫は恐怖で答える。
「はい。」
さっきから本を読んでいた須藤が本に集中し、反射神経だけで答える。
「ばぁっ・・・・誰が他人の世話なんかになるかよ。」
八迫の首に付いていたはずの百乱刀はいつの間にか亮祐の首筋に早くも当てられていた。
「・・・・・・・。」
先生は無言で百乱刀を当てる。
「・・・・・はい・・・・」
亮祐もまた、恐怖で答えた。
生徒の誰かが小声で隣の友達に言った。
「なあ。先生前は百乱刀じゃなくて、略乱刀だったよな・・・。」
そう言った生徒の首筋にもまた、百乱刀が当てられていた。
「プライバシィよ。プライバシィ。」
「はい。」
そう言うと先生はまた、黒板の前に戻っていた。
「これで、三人はお友達ね。」
亮祐はその部分を思い出して、背後にあの先生がいたような気がして身震いした。
八迫は思った。
須藤も思った。
亮祐も思った。
「あのマティーナム先生は怖かった・・・・!」
その直後、三人の背後にまた、あの寒気と、首筋には冷たい感触があったような気がした。
番外編第一部、次回完結第二部切り裂きジャックの一週間【仮】お楽しみに