SKY/DIVE/IN/UNDERSTAND
満月の深夜、異なる場所で、三人の人間が同じ行動をした。
SKY・DIVE・IN・UNDERSTAND
桐原須藤は、満月の光を浴びて、考える。自分が切り裂きジャックを抜けてからのことを。あれから八迫は、竜太という伝説の切り裂きジャックかもしれない奴を連れてきた。名刀の中の名刀をもこえるという、龍魂剣までもって。
「そこまでして、僕を救いたいのか?きみは。」
栗柄八迫は、満月の光を浴びて、考える。須藤が切り裂きジャックから抜けてのことを。あれから須藤は、闇に手を染めた。自分や、亮祐には手出しが出来ないところにいるのかもしれない。それでも・・・・。
「そこまでして、闇から身を引かないのか?おまえは。」
異なる場所で、二人の人間は同じ行動をした。自分の左胸を押さえて、下を向いたのだ。
そして、
「もし、まだ向かってくるならこれを使わなければいけないかもしれない。」
異なる場所で、二人の行動は、つながっているかのように同じだった。
異なる場所で、同じ行動をするものは、さらに一人増えた。
「八迫。お前はどこからどこまで知っているんだ・・・・。そして須藤。俺達は・・・そんな関係だったのか?」
中片亮祐は上を向いて、つぶやく。
異なる場所で、三人の人間は同じ行動をした。右手で、目を覆って視界に何も映らなくしたのだ。そして、
「どこまでが本当なんだ?」
異なる場所で、三人の行動は、つながっているかのように同じだった。
そして、ここで、三人は、全く違うことを一度だけした。
「八迫、亮祐。」
「須藤、亮祐。」
「須藤、八迫。」
自分ではない自分の頭の中で考えている人の名前を口にした。それからまた、三人は、同じ行動をした。右手で屋根、もしくは、崖に掴まり、下のテラス、もしくは岩におりたのだ。
三人は、それぞれちがう行動をした。
須藤は、右手を上に。
八迫は、左手を上に。
亮祐は、両手を上に。
それから三人は再び同時につぶやいた。
「我ら、永久なる親友なるものなり。この絆、なんときもたちきられん。」
それは、学校に行っていたときに決めた、印だった。
そして三人は同時に手を下げた。
「しかし我は、その絆にひびを入れてしまった。」
三人はそうつぶやくと、涙を拭った。
異なる場所で、三人の人間が、同時に一日を終了した。
明日もまた、異なる場所で、三人の人間が、同時に朝を迎えるだろう。
「我ら、友情永久なるものなり。」
異なる場所で、三人の人間が寝言を言った。
三人の夢は、学生時代に留まっていた。