RED/OUT/THE/BLACKSKY
栗柄八迫は、桐原須藤の切り裂きジャックを抜けるのを阻止しようとしていた。亮祐は、一足先に来ていたが、須藤を止めることは出来なかった。残る術はただ一つ。栗柄八迫が桐原須藤を止めることのみ・・・。
桐原須藤を、八迫は止めることが出来るのか?
切り裂きジャック番外編、第二話は須藤のジャック抜け!
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屋根の上、八迫は、須藤の前にいた。
「何でなんだよ!何で町をこんな目に。今すぐ止めろよ。」
須藤は笑って答えた。
「ははは。僕はこのジャックが不良品だったことに腹を立てているんだよ。つまり、これを作りよりによって僕に渡した協会を・・・町を。」
そう言いながら須藤の目は笑っていなかった。
「ねえ八迫。何で君のジャックは活きているの!僕のではなく、君のがっ!」
そこには憎悪に煮え返る須藤の顔があった。八迫はその顔を直視できない。
「それ・・・は・・・」
須藤は空に目線を変えてしゃべりだした。
「僕は切り裂きジャックの試験、全部一番だったんだよ?それが途中で君たちが這い出てくるから・・・。だから僕に不良品がわたったんだ。だから僕は、君たちも恨む。栗柄八迫と、中片亮祐の二人もっ。」
須藤は八迫の後ろでボロボロになった亮祐を指さしていった。
「八迫。君も直ぐに病院送りにして上げる。僕と君の差を見せつけてあげるよ。」
八迫はやっとの思いで口を開いた。
「逆恨みじゃねえかよ。」
須藤は八迫の顔面に思いっきり拳をたたき込むと答えた。
「ああそうさ。逆恨みさ。でもその逆恨みで俺はこの町を燃やしているんだ。ふふうふふ。」
八迫が屋根の上を飛んでいった。亮祐の真上を。亮祐はさっきから立とうとしているが、たてないままだった。八迫はふらつく足で須藤の元へと言った。自分だけが須藤を捕まえられると信じて。
「須藤っ!やめろおおおおおおおお。」
八迫は拳を付くって須藤に向かっていった・・・。
「八迫。貴様も出番は終わったんだよ。亮祐とともに。」
須藤は特殊能力を使って八迫を襲おうとかまえた。
「これで幕を下ろそう。栗柄八迫。我が親友。カルボーネ・エカスタン!」
辺りは光で包まれた。亮祐は屋根で横たわっていて、八迫も、また屋根で横たわっていた。
須藤は八迫の横で立っていた。右腕は肘から先がボロボロで、傷だらけだった。八迫の真横には、須藤の血だまりがあり、八迫の髪をもうすぐで真紅に染まられそうなほど直ぐ近くに流れ出ていた。
「中片亮祐、栗柄八迫・・・。」
そうつぶやいた須藤は奇跡的に無傷な左手でズボンのポケットから、生徒証明書を落とした。
「開け、霊道。」
須藤は道を造ると切り裂きジャック予備校地区の一つの屋根から姿を消し、切り裂きジャックからも、抜けた・・・・・・・。このことを中片亮祐は知らない。
次の日の新聞は切り裂きジャック予備校半壊!犯人は孤高の天才桐原須藤?
元切り裂きジャック桐原須藤は、闇へと消えた。
八迫は病院で、相部屋の亮祐に言うではなく、誰にでもなく、つぶやいた。
「須藤・・・・。」
亮祐は、それを偶然聞いてしまった。
「栗柄八迫、中片亮祐・・・・僕はお前ら二人を許さない。僕はお前らを殺す・・・。」
闇の縁で休養中の桐原須藤は、瞳を閉じて、つぶやいた。
次回は桐原須藤、切り裂きジャックから抜けた心境を綴る・・。