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新装備とお願い

昨日今日と確認してみると日間のVRゲームのジャンルにて3位に入っていて驚きました。また昨日一日でブックマークも300件ほど増えていて、とてもウハウハな気分になりました。みなさま、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。




はじまりの街へ戻ると、ゲーム内時間ではまだ朝早くではあるが、プレイヤー達で賑わっている。現実時間ではまだ3時過ぎくらいなので、まだまだ賑わいが収まることはないだろう。

掲示板を確認するともちろん俺がフィールドボスを倒したことについても盛り上がりはしていたが、他にも新しいユニーク種のことや、正式版からの変更点についても盛り上がっていた。

最速討伐こそしたが、βテストの時もゲーム内時間で2日目には最初のボスは倒されたらしいし、俺が真祖であることがすでに広まっていたことや、夜の時間帯であったことから、そこまで騒ぎにならなかったようだ。

また多くのプレイヤーが日が昇ったことからレベル上げやボス討伐のためにフィールドにでているようだ。レベルについてはレア種族やユニーク種族に関しては上がりにくくなっている為、現時点でも俺より少しレベルが低いくらいのプレイヤーは多くいるようだ。夜の狩りで結構な数を倒したし、ボスまで倒してきて、レベルが同程度というのは少しムッとはしてしまうが、それは種族の特性のためしょうがないだろう。



それはそうと、防具と武器だ。

βテスターなら知り合いもいるかも知れないということでフレンドリストを開きユウとユズにメッセージを送る。


しばらく露店見ながら歩き、今回の反省を活かして、ポーションを10本ほど購入しておいた。MPポーションが出回っていないか確認したがまだ作れるプレイヤーがいないこと、NPCの店にも取り扱いがない事から、出回っていないようだ。また、ボスの素材以外を売却した、なかなかの数があった為6000G程になった。元からあった分をあわせて8000G程度だ。



チロンッ

と音がなり確認してみると、ユズからだった。合流することになり広場へ向かう。鍛治師を紹介してくれるらしい。



広場へ着くとすでにユズがきていた。

ユズは合流するなり早口で喋る。


「カグヤさんっ!フィールドボス討伐なんて、早すぎですっ!今日あたり一緒にいけたらと思ってたのに。」


「あーすまん。今日は決闘もあるし、吸血鬼の能力があがる夜のうちにレベルあげも兼ねていってきたんだ。それにユズは友だちと合流するって言ってただろ?だから1人で行ったんだよ。悪かったな。」


「むぅーまぁしょうがないですねー。

じゃあ今日の夜にでも一緒に行きませんか?鍛治師を紹介するお返しということで...。」


と最初は頬を膨らませ、最後の方は不安げに問いかけてくる。


「別にお返しじゃなくても、ユズの頼みならいくらでも一緒にいくぞ?」


「えっぇえーじゃあ今のは無しですっ‼︎お返しは別でお願いしますっ!」


今度は思いっきり焦っている。

ころころ表情が変わって忙しいやつだ、見ていると心が和む。



「わかった!ならお返しとして1つだけお願いを聞くから決まったら言ってくれ」


「わかりました!じゃあひとまず鍛治師さんのとこへ行きましょう。」



ひとまずお願いについては、決まり次第ということになり、ユズとともに鍛治師のもとへ向かう、途中防具の話になり鎧なんかは防御力が高いぶんAgiにマイナス補正がかかることを聞いて俺の戦闘スタイル的には皮や服の防具がいいだろう。ということになり、そちらについてもユズが紹介してくれることになった。しばらく歩いていると露店や店が建ち並ぶ通りの端の方の少し小さめの店にたどりついた。



「すみませーーーーんっ」


ユズが大きな声で呼びかけると、のそのそととそこまで濃くはないが薄くもないヒゲを蓄えたおっさん?がでてきた。



「おれはまだ20代前半だっ。」


第一声はこれだった。

ユズの紹介でイメージ的におっさんが出てくるとは思ってもいなかった為、驚きはしたのだが、声が漏れていたのだろうか…。

どうやら俺は驚いていのが表情にでていたらしい。



「いや心を読んだわけじゃない。よく客からおっさん呼ばわりされるんでな。お前さんが微妙な表情してたから、先に釘を刺したってだけだ」


「あぁ、そうだったんですか。それはすみませんでした。俺はカグヤです。よろしくお願いします。」


と一応敬語で返す。するとおっさん?は困ったような表情で言葉を返してくる。



「そういうつもりで行ったんじゃねぇから敬語はいらないし、よしてくれ。

それよりユズの方から話は聞いているが、おそらくお前さんはワールドアナウンスでボス討伐の情報がでてたヤツだよな?俺が武器を作ってもいいのか?一応βテストには参加していたが、並みの並みでトッププレイヤーでもなければドワーフでもないぞ?」




どうやら口調の割には、いい人らしい、さすがにユズが紹介するだけのこともあって、偉ぶったりすることも無いし雰囲気が心地良い。




「そうか、ありがとう。なら敬語は使わずに喋らせてもらう。

武器ことだがそれは構わない。ユズの紹介ということもあるし、ドワーフであろうとなかろうと、おっさんあーいや…お兄さん?がトッププレイヤーじゃなくてもどうでもいい。別にこんな会ったばかりで信頼できるわけではないがユズの紹介なら信用はできるしな。」



そこまで話すとおっさんは、そうかそうかと笑いながら言葉を続けた。


「よしわかった!なら作らせてもらおう。獲物は刀だったな!あーあと、俺はグラムだ。お前さんはカグヤだったな。よろしく頼む」


おっさんはグラムという名前らしい。武器についてもあらかじめユズから聞いていたようだ。グラムが手を差し出して来たので俺も手を差し出し笑顔で握手を交わす。


「グラムか!よろしく頼む」


あぁ任せとけ。さっそくだが素材を確認したい。とグラムが言ってきたのでインベントリから王狼の大牙を取り出す。


ー王狼の大牙ーレア度:4

キングウルフの大牙。鉱石に近い性質を持ち、武器の素材としても重宝される。


これで作って欲しいのだが可能か?とたずねる。


「おう!問題ねぇぜ!料金についてだがここで相談だ。お前さんは第1陣での参加だからそんなに金を持ってない!違うかい?」


そこでおれは肯定の意味を込めて、頷く。するとグラムも頷き言葉を続ける。


「そこでだ‼︎第二の街に俺を連れて言って欲しい。行ったならわかると思うが、第二の街は鍛治の街、近くの山には鉱石なんかがとれるところもある、だが俺は生産職だからな、いくら最初のフィールドボスとはいえ、時間がかかっちまう。それを頼めるなら材料も持ち込みだからお題はいらねぇ。どうだ?」


願っても無い提案だった。俺は二つ返事で了承し、ゲームないで今日の夜、ユズと3人で向かうことになった。



「ありがとよっ!それじゃ今から作業に入るから昼には出来るから出来たらメッセージ飛ばすぜ!」




おれはそれに了承しグラムと別れる。


さぁあとは防具か…。こちらも、ユズに案内してもらい店のほうへと歩いて行く。その最中にユズにどんな人か聞いてみると…変わった人ですかね。と返してきた、もう少し詳しく聞いてみると、βテストの生産におけるトッププレイヤーの1人なようで、有名な人らしい。この世界ではネタプレイや、コスプレなんかを現実では出来ない人がするということも多いらしく、その人の装備を求める人が多いようだ。











その店は裏路地に入ってしばらくの所にあった...。少し小汚いイメージのある裏路地ににはにつかわしくない小綺麗で大き目の店舗だ。。店の外から見えるディスプレイには店主が作ってある装備が飾ってある。細かいところまで丁寧に作られており、性能も始まったばかりだと考えると間違いなく良い方だろう。だがその全ての装備のクセがすごい。もう一度言おう。



クセがすごい。



並んだ装備は、女性用であれば、メイド服やナース服からはじまり…某魔法少女のものであろうピンクの装備なんかも並んでいる。


ユズの方をちらりと見ると目をそらされた...心なしか怯えている?ようにも見える。アレ?イマカラアウヒトシリアイダヨネ?店の中から1人の美女がでてきた。どうやら店の店主のようだが、このクセのつよい店の店主はどんな奴が…と考えていたため、まさかの美女だ。その美人店主はニコニコしながらユズに喋りかけてきた。


「ユズちゃーん!!やっと来てくれたわ!この子がメッセージで言ってた子ねぇー。んーグッジョブだわー!!君ははじめましてっ!私は、フランよっ!さぁ入って入って!!」


半ば強引に店の中に入れられると、サイズを測り始めた。俺だけではない、ユズもだ。そこでやっと頭が正常に回りはじめてあわてて言葉を返す。



「あーいや、その…話がm「早速だけど素材を出して貰えるかしら?」



最後まで喋らせて貰えなかった。

ユズからも助け舟が出ない為、言われるがまま素材を出して行く。

王狼の上皮だ。店主はそれを広げて確認しているが、そこでこのままではまずい気がしたのであわてて店主フランに話しかける。


「あの、ちょっと待ってくれるか?装備を作ってくれるんだろうということはわかったが...いくらぐらいかかるか教えてもらえると助かる..。」



「あら?聞いていないのかしら?お金はいらないわよ?ユズちゃんったらずっと撮らせて欲しいって言っても断っていたのに、あなたの装備も無料で作るって言ったらすぐOKしてくれたわ、感謝することね」


なんだとっ...。ユズのほうを見ると、顔を赤らめて俯いていた。


そこにフランが続ける。


「もしよかったら、君...えぇーっとカグヤ君も撮らない?というか、撮らせて欲しいわ、ものすごくキレイな顔してるものっ!それにタダとは言わないわよっ!今後も装備を作るときにスクショを撮らせてくれるのなら無料で作ってもいいわ。それにユズちゃんもカグヤくんが一緒なら少しは不安も拭えると思うわよ?」


んー無料というのは、心惹かれるが...

どうしたものかとユズの方をチラッと確認するとユズは顔を赤らめたままでこちらを見上げていた。それにみた俺はこれは受けるしかないと店主に承諾の言葉をよろしく頼む。と一言告げる。作成の為デザインをする時間をいれてもゲーム内で2時間ほどで出来るとのことだった。こちらもグラムと同じくフレンド登録をして出来次第メッセージを貰うことになった。




時間が空いたので、NPCの喫茶店に向かうその途中ユズが「巻き込んでしまってごめんなさい」と言ってきたが、「俺の為を思ってしてくれたことだし、気にすることもないし、嬉しかった。」と伝えるとはいっ!と元気よく返してくれた。もう心配なさそうだ。





それからは喫茶店で食事をし、露店をぶらぶらしたりして過ごした。その時他のプレイヤーからグランの勧誘が何件かあったが断りをいれた。

また掲示板を少し確認してみると、βテスターの何組かのパーティーがボスをクリアしたらしいことが確認できた。



そんな風にすごしているとまずはグラムの方から出来上がったとの報告があり、グラムの店へ向かった。


グラムの店へつくと、機嫌がいいらしく我ながらいい出来だぜ!と笑いながら出来上がった装備を出してくれた。



〜王牙刀〜レア度4

ATK+40 耐久値180/180


今まで使っていた鉄の刀が


〜鉄の刀〜レア度2

ATK+15 耐久値0/80


だったことから大幅にATK値が上がる他、耐久値が2倍以上である。

十分に満足のいく仕上がりだ。


俺はグラムに礼をいうと、また夜にグラムの店で合流する約束をし、丁度フランから連絡が来た為、フランの店に向かった。



フランの店につくとすぐにカウンターの裏、工房に通された。すると早速着てほしいと装備を差し出される。

ユズは隣の部屋に連れて行かれた。


おれは早速出来上がった装備を確認する。


〜魔糸のシャツ〜レア度2

〜魔布のスカーフタイ〜レア度2

〜王狼皮ベスト〜レア度4

〜王狼皮ズボン〜レア度4

〜王狼皮ブーツ〜レア度4

〜王狼皮コート〜レア度4


DEF+20 MDEF+25 AGI+5



今までの初心者装備を考えると、格段に防御、魔防ともにあがる。なによりAGI+5が地味に嬉しい。

どうやらこれ全てでセット装備、全身装備になるように登録がしてあるようだ。セット登録をした装備を使用した場合は残りは装飾品の枠しか使用できなくなるが、今回の様にに服装備などで重ね着のようなことをする場合、装備枠では足りない場合や、ワンポイトでオシャレとした使用したいだけの性能が低いもので装飾品の欄が埋まるというのを防ぐ為の配慮らしい。もちろん何着も重ねて、すべての効果を得るといったことは出来ないらしい。


にしても、吸血鬼らしい装備だな...。

まぁすでに色々な見た目の装備をしているプレイヤー(大半はβテスターだろう)がいる為、そこまで目立つことも無いだろうし...と考え着替えはじめる。なによりちょっとカッコイイと思ってしまってる自分もいるが...。


着替え終わり、しばらくするとユズが着替え終わり戻ってきた。


思わず見とれてしまった。

白を基調とした踊り子のような服。

女性にしては少し高めであろう160センチほどの身長に、スレンダーな体型、キレイな金髪全てが美しさを際立たせている。


「どうでしょうか...?」


とユズが聞いてきたので、俺は素直な意見を答える。


「あぁ、めちゃくちゃ似合ってるぞ。

その、なんだ…うん、綺麗だ。」


ありがとうございます。と少し顔を赤らめたユズが答えたところで、フランがわって入る。



「はいはい、喜んでもらえたようでよかったわ!それじゃ、早速だけどスクショを取らせてもらうわ。」


その後、俺とユズは1人ずつ撮影を行い、最後にユズが先ほどのお願いということで2人で一枚スクショを撮ってもらった。俺としては別にお願いでなくてもよかったのだが...。

その後フランへお礼を言って店を後にし、その後のPvPやユズのグラムと第二の街へ向かう事もあり、少し早いが一旦ログアウトすることを告げ、ユズと別れて宿に入りログアウトした。


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