夜の狩りと吸血鬼の真価
西のフィールドに入るとすぐ気配察知に反応があった、数は5匹。最初は様子見程度の気持ちではあったが、いささか敵が多い。気持ちを切り替え鉄の刀にてをかける、丁度ウルフの影を一つ確認できた。夜なのに見えることを考えると恐らくこれも種族特性だろう、掲示板やなんかで狼獣人だと鼻が効いたり、種族により特性がある場合があるといったことがとりだたされていたのを思い出しそう納得する。
ガサッガサッと
音が聞こえる。ちょうど俺を囲むようにウルフ5匹が陣取っている。
しばらくの膠着のあとウルフが前から一匹、右から一匹、計2匹が同時にとびかかってきた。左後ろに1メートルほど回避すると2匹が丁度俺が元いた場所に到達し2匹が同時に刀の間合いにはいる。それを横薙ぎの一閃で2匹同時に斬りつける。斬ったウルフは二体とも一撃でポリゴン状になって消えていく。すると今度は残り3匹が同時にとびかかろうとしている。俺は先程の攻撃のいきおいのまま後ろを向き、素早く踏み込んで正面に見えたウルフが飛びかかる寸前に縦斬りで絶命させる。するとそこに残りの2匹が後ろか攻撃をしかけてくる、俺はそのまま目の前の木に向かってジャンプし空中で体を入れ替え木を足場にしてウルフ2匹に飛びかかり一刀のもとに斬り捨てた。
ふぅ。こりゃすごいな…。ただでさえ高いステータスが夜間2倍になると現実世界では不可能である行動が可能になる。これはいいのだろうかなんて考えてみたが、他にもレア種族やユニーク種族もあるだろうし、運も実力のうちだと自分を納得させる。
夜もまだ始まったばかりだし、できるだけレベルをあげてあわよくばボスまで挑戦しておきたい。夜の間は最初からスキル【夜目】を取得しているプレイヤーが少ないことから道具屋でカンテラなどを購入して草原などでレベル上げをするプレイヤーが多いようだ。種族特性で夜間が効くプレイヤーに関しても良くて東の森で狩をしているレベルだろう。つまり今このフィールドもとい狩場は俺の独占状態なのだ。
それからしばらく狩を続けた。次の戦闘から刀の耐久値が気になることから【雷魔法】【闇魔法】を織り交ぜながら戦闘を行った。【詠唱破棄】により通常より威力が落ちるはずなのだが高いINT値のおかげかユズと比べても遜色ない程度の威力がある。なんの気無しに取った桃の様な果実が少量ながらもMPを回復する効果があることが解った。鑑定してみると『マナの実』と出たが見た目も味も完全に桃だ。とれる分だけとり、魔法を多めで戦闘を行いそろそろ少し休憩を取ろうかというところで、ボスフィールドを発見した。
もうすぐ日も上がる頃だろう時間なのでできるだけ倒してしまいたい。
徐々にレベルも上がりづらくなってはきたものの、次から次へとエンカウントできるのでとにかく数を倒して、レベルも15まで上がっていた。種族特性や元の基礎値を考えると充分に足るレベルだと思う、だが装備だ。装備が心許ない。防御面に関してはスキル構成的にも回避型なので、上手く避けることができれば大丈夫だろうし、種族スキルの高速回復もある、だが攻撃に関しては使い続けたこともあり刀の耐久値が心許ない。いろいろと対策を練ろうとしたが、なるようにしかならないと思い思考を停止させる。自然回復とマナの実によりMPが完全に回復したことを確認すると、俺は覚悟を決めてボスフィールドへと入っていった。
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この時点でのカグヤのステータスです。
名前…カグヤ
種族…吸血鬼族(真祖)
Lv…2→15
HP…300→1000
MP…350→1050(100)
STR…21→40
VIT…15
AGI…22→40
DEX…15
INT…21→40
MIN…15
LUK…11→20
メイン
【刀術Lv22】【格闘Lv20】【回避Lv25】【危機察知Lv28】【気配察知Lv25】【MP増加Lv13(100)】【闇魔法Lv13】【雷魔法Lv12】【詠唱短縮Lv16】
スキルポイント14
武器...鉄の刀 ATK+15
装備...初心者セット DEF+5 MDEF+5