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合流と問題発生

視界が元に戻るとそこには、西洋風の町並みが広がっていた。仮想現実とは思えない程のリアルな町並み。なにより匂いや風の感覚まである、他にプレイヤーがいなければ本当に異世界転移したと勘違いしてもおかしくない程だ。ほんの一瞬ではあるだろうがが自らの思考に入りぼーっとしていたことに気付き周りを見てみると、そこには人、人、人。

初期装備であろう、ボロい皮装備や質素な作りの剣や槍を携えたプレイヤーであふれていた。見た限り基本種族であるヒューマン、獣人、エルフ、ドワーフばかりだ、そりゃそうだろうやり直しはきかない上にレアやユニークな種族なのだ簡単に見つかるわけもないしな。


パーティー組みませんかー?

前衛募集してまーす!!

回復魔法使える方いませんかー??


プレイヤーのパーティー募集の声が聞こえてくる。更には実況プレイをしているやつなんかもいる。またもや自分の思考に入り込んでしまったが、ユウタやその妹のハヅキと合流する予定があったのを思い出し歩き出す。


「確か...時計台の前だったよな」


意識はしていなかったが、どうやら声に出ていたらしい。右横から声が聞こえてきた。


「時計台ならこのまま真っ直ぐだぜ。

あのでっかいレンガ造りの建物がそうだぜ。」


声の聞こえる方へ向くと俺より10センチは背が高いであろうガタイのいいおっさんがいた。しかも、これは獅子獣人か?おそらくレアだろう。

俺の視線に気づいたのだろうおっさんは口を開く。


「あぁ俺は見ての通り獅子獣人だ。レア種族ってやつだな。一応βテスターで名前はレグルってんだ。よろしくな!」


「あぁ俺はカグヤ吸血鬼族の真祖だ。ユニークだな。よろしくレグル。」


「なっ!ユニーク…真祖だと!スゲーな。あぁスマン色々聞きたいところだが流石にマナー違反だしまぁいい。

カグヤはどこのクランにはいるか決めてるのか?」


興奮した様子のレグルが喋っているが声がでかい。少し回りの目が痛い。注文を浴びたようだ。



「いーや、決めてない。俺は第1陣からの参加だからな。正直いろいろとわからないんだ、だからしばらくはソロかリア友とやろーと思ってるんだ。」


俺がそう言うと、少し考えた様子のレグルが喋りだす。


「うん、そうか。ならもしどこかに入るようなら俺がマスターをしているクランも候補に入れといてくれ。あとユーニク…真祖だってことはまだクランに入ってないうちは言わない方がいいぜ?勧誘がすごいことになっちまう。」


「そうか。わかった、ありがとう。だがなレグル…もうちょっと早く知りたかった。声が大きいとか言われたことはないか?」


俺が少し声を小さくしてそう言うと

レグルがはっとする。回りの視線に気づいたようだ、すごく気まずそうだ。


「その…なんだ…悪かったな。まあ多分俺が今話してたのもあるしすぐには大丈夫だと思うからよ時計台にいくなら今のうちがいいと思うぜ。」


「いや、気にしないでくれ。遅かれ早かれこうなったはずだ。教えてくれありがとう。それじゃ行くからまたな。」


レグルとフレンド登録をして、足早に時計台へ向かう。途中で振り向いてみるとざわざわしている。その中心を見てみるとレグルが何人かのプレイヤーと話しているのが見えた。俺の事かもしれん。すまんレグル、お前の事は忘れない…勝手にレグルを亡き者にした上にいいやつ認定したところで時計台に到着した。そこには現実世界のユウタをそのまま青髪にしたようなプレイヤーと狐耳に狐の尻尾がある綺麗な金髪のプレイヤーがいた。

おそらくというか間違いなくあの2人だろう。俺は2人に近づいていく。


「あっカナデさん‼︎こっちでーす。」


やはりそうだったようだ。すこし小走り気味に2人と合流する。


「久しぶりだな、ユズハ。ユウタも終業式ぶりだな。あとこっちではカグヤで頼む。」


「お久しぶりです、カグヤさん‼︎わたしはこっちではユズです!」


「よっ!俺はユウだ種族はヒューマンだ!」


「へぇそうなのか意外だな!ユウのことだからランダムを選ぶと思ってたんだがな。ユズは狐獣人か?」


「そうですよっ!一応レア種族です!基本種族の獣人とたいした変わりないですが。お兄はβテストのときにランダムを選んでますよっ!その結果がヒューマンです!βテスターは所持金とか一部のアイテムを引き継げるんですけど正式版になるからといって種族の選び直しはできないんです!βテストを恩恵を受けないなら可能なんですけどねっ!当たるかどうかもわからないレア種族のためにβテストの特典を不意にする人は中々いないんですよっ!」


ふむ、そうだったんだな。どんまいユウ。やはりユズは狐獣人だったそうだ。もふりたい。そういう趣向はなかったんだかなんというかケモミミいいな。なんて考えているとユウが喋りだす。


「んなこと言ってるカグヤも、ランダム選んでヒューマンだった口じゃねーか。」


バカめ。俺のリアルラックの凄さを見せつけてやろう。ニカッと不敵な笑みと吸血鬼の牙をユウたちに見せ説明する。


「残念だったな。俺は吸血鬼だ、それも真祖。ユニーク種族だな。」


「「なっ!」」

「お前かよっ!?」

「カグヤさんだったんですか!?」


目の前の兄妹がハモる。

更に慌てた様子でユウが続ける。


「カグヤ!お前掲示板でめちゃくちゃ話題になってんぞ。」


「あーそうなのか。いやここに来る途中にレグルって獅子獣人のプレイヤーが道を教えてくれたんだが、そのなんだ声が大きくてな」


とそうなった経緯を説明する。


「レグルっ!?獅子獣人って【獣王】じゃねーか!!」


獣王だと?二つ名的なあれか?


「有名なやつなのか?なんかクランにも誘われたんだが。」


「有名もなにもβテストのトッププレイヤーの1人だ!そしてクラン【名無しの傭兵団】のギルドマスターだ。」


そうか。すごいやつだったんだな。

まあこうなってしまったのはしょうがない。だがどうしたものか、と考えていると今度はユズが口を開く。


「カグヤさん!今掲示板を確認し直したんですけど…だれが聞いていたのか種族どころかスクショにプレイヤー名まで出てしまっています…。多分削除依頼を出しても広まってしまって遅いかも知れないのでカグヤさんの方から書いたほうがいいかもしれないです。」


それはさすがに予想外だな。そうしたほうがいいだろう。せっかくユニーク種族をひいたのに隠れてこそこそなんてしてたらせっかくのゲームを楽しめないしな。よし!そうしよう。


「そうだな、ユズ。ありがとう、書き込んでみるよ。」


「いえ、礼には及びません!カグヤさんの為なら飛んで火の中水の中ですよっ!!」



はははっそれはありがとう。なんて軽口を叩きながら掲示板を開き書き込む。書き込み終わったところで、ユウが冒険者ギルドに登録しに行きたいが混んでいるだろうということで3人で狩に行こうと言ってきたのでそれを了承する。


「よし!それじゃフレンド申請とパーティー申請送ったからよろしく頼む!」


とユウが言うと。チロンッと音が聞こえる。すると目の前にキャラクタークリエイトのときに見た半透明の青い画面とユウ、ユズからのフレンド申請とパーティー申請が届いたことが書いてあった。すぐにYesを選択し画面閉じる。

よし!と一声だすとユウとユズが続いて


「行くか!」

「行きましょう」


と声をだす。その声とともに俺たち3人は門の方へと歩き出した。




ーーーーーーーーーーー


次回掲示板回です。


んー難しい。読むのと書くのでは大違いですね。

なるべく間を空けずに更新していきたいと思います。

よろしくお願いします。


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