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プロローグ

ーーーーーーーー


「よっしゃー‼︎終わったぜぇぇーー‼︎」


「いや、うるせーよ。」


九州は福岡にある某高校の終業式の日。帰りのHRが終わり翌日から夏休みということもありテンションが上がって叫んでいるのは俺の友人である〈神崎 裕太〉である。

容姿はそこそこ整っているため、これまたそこそこモテる。といっても最初だけだが...。

一言でこいつを表すと、残念イケメンってやつだな。脳筋とかそういうのと違う。やはり残念という言葉がしっくりくる。少しだけ天然で、少しだけ空回りしやすく、少しだけおっちょこちょいなヤツなのだ。そう...少しだけ。

そのユウタにいつも通り冷静なツッコミをしたのが俺〈輝夜 奏〉だ。



「しょーがねぇだろ‼︎3日後にはFLOの正式版が開始されるんだぜ?お前も楽しみにしてたじゃねーかよ!」


「そりゃ楽しみだがな、今いくらはしゃいでも始まるは3日後だ。サービス開始からやり込めるようにそれまでに課題でも終わらせておくのが一番いい。」



「まぁ確かにそうだな、、うん。とりあえずログインしたら教えてくれよな!βテスターの俺様が教えてやらんこともないからよ!それに柚葉もお前に会いたがってたしフレンド登録ぐらいさせてやってくれ。」




はっはっはっモテる男も大変だな。

とおっさんの様に笑いかけてくるユウタ。

柚葉というのは裕太の妹である〈神崎 柚葉〉である。一個下で俺たちと同じ高校に通っているがそれなりに大きな高校ということもありなかなか会う機会がない。かなり整った容姿をしているが何故か子どもの頃から俺にべったりなのだ。そして兄弟揃ってβテスター。

もちろん俺も応募はした、当然のように当選しなかったが...。






因みにFLOというのは

ーーー<Fantasy Life Online>



世界初のVRMMORPGである。

今までもVRというジャンルは存在していたし、VRによる格闘ゲームやレースゲームなどは存在していたのだが、仮想空間に世界を作り自由に行動できるようなものはなかった。それが近年の技術革新と新しいスーパーコンピュータの登場により、仮想世界をつくることに成功した。


R15のゲームとなっており、剣と魔法のファンタジー世界を自由にプレイすることができる。全てのNPCは自立成長型AIを搭載。今まで形をもたなかったAIがこのゲームの世界ではっきりと形を持ち生きていて現実の人間同様にコミュニケーションをとることができる。またVRMMORPGというジャンルやモンスターが出現するといった、世界観から戦闘要素こそあるが、生産業をメインとし、飲食店や武器屋に防具やに服屋といった店舗を構えることができる。またVRの為戦闘は自身の感覚により行うことになるがアシストシステムにより、自分が扱う武器に関するスキルさえ取得すれば武器の扱いなどに補助があり、本能的に理解できるようになる。更に料理に味を感じたり、匂いを感じたり、指先の感覚など五感全てを感じることができるようになっている。

ただし、痛みに関しては現実の人体への影響を考え、基本的には感じなくなっている。だが全くなんの感覚もなければ乱戦などの状況では、気づかぬうちにHPが減っていくなどという状況になってしまうので、攻撃を受けた箇所痛みは無くても、気がつける程度の衝撃を感じるようになっている。

また、1日のログイン時間に制限があり1日最長8時間までとなっていることや、月額料金制で課金によるキャラクターや装備の強化ができなくなっていることがライトゲーマーの呼び込みにも繋がっている。




またこのゲームのβテストには1万人の募集に対して、約500万人の応募があったことや、βテストに参加した有名プロゲーマーや公式ページやCMなどで大々的に広告され、ニュースなんかでも取り扱われたり、各所で期待を受けていた。



俺はがらにもなくめちゃくちゃ楽しみにしていた。そりゃそうだろう。βテストに当選出来なかったにも関わらずユウタに話しばかりを聞かされていたのだ。こうやってFLOのことを考えていると顔がにやけそうになるのをこらえている。

とりあえずはサービス開始までに課題は全て終わらせて準備を整えよう。

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