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新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
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戦争終結

アメリカ合衆国無条件降伏。これは大統領がテレビ演説に於いて、全世界に表明した。遂に戦争は終結したのである。


『アメリカ合衆国無条件降伏を表明。この知らせはアメリカ合衆国大統領がテレビ演説により発表した。それをテレビ画面を見ながら私は、ようやく終わったと感慨深く思った。西海岸に上陸して2ヶ月ちょっとであるが、体感的には更に長く感じていた。総指揮官に近付いた私は、お疲れさまでしたと声をかけた。その言葉に笑顔を見せた総指揮官は口を開いてくれた。「何とか終わりましたね。しかし最後は何とも後味が悪い展開になりました。我が国に協力してくれたばかりに、ロシア連邦陸軍40万人とインド陸軍50万人が消滅しました。我が大日本帝国陸軍も4000人が戦死しましたが、桁違いの被害を両国に与えてしまいました。尤もアメリカ合衆国は国家崩壊とも言える程の大損害を受けていますが、それは自業自得でしょう。もっと早く無条件降伏していればロシア連邦陸軍とインド陸軍の消滅に対する報復は行われたかもしれませんが、あれ程までの全面核攻撃は行われなかった筈です。その意味ではアメリカ合衆国国民は無能な政府の犠牲者とも言えるでしょう。我々の役目は終わりましたね。後は大泉総理を筆頭に政治家のお仕事です。もう核兵器を使うことの無い事を願うばかりです。」そう言うと総指揮官は担当士官との協議に向かった。私はその背中を見送りながら、この平和が長続きするのを祈るしか無かった。』

広瀬由梨絵著

『新世紀日米戦争』より一部抜粋


2002年8月8日に勃発した日米戦争は、2002年11月27日にアメリカ合衆国の無条件降伏で終結した。歴史学者は20世紀の大東亜戦争(アメリカ合衆国呼称は太平洋戦争)と区別する為に、『新世紀日米戦争』と名付けた。その呼称通り主要は大日本帝国とアメリカ合衆国の戦争になっている。

開戦初頭の大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊とアメリカ合衆国海軍空母戦闘群による決戦は、連合艦隊空母機動部隊の圧勝となった。絶対的な自信を持って空母戦闘群を送り出したアメリカ合衆国は、連合艦隊空母機動部隊の圧倒的な力で粉砕された。そしてグアム島まで占領されてしまった。想定外の敗北にアメリカ合衆国は戦略爆撃機を投入して、大日本帝国本土空襲を敢行。だがそれも大日本帝国空軍にその殆どを叩き落された。しかし1機のB-2ステルス爆撃機が北海道釧路市に対して、威力可変型の水素爆弾で100キロトンに設定されていたB83核爆弾を16発投下。1945年に広島と長崎に投下されて以来、57年振りの核兵器実戦使用となった。釧路市は完全に消滅し、アメリカ合衆国の暴挙に世界各国が非難した。

これにより事態は急変し、大韓民国が亜細亜条約第2条の適用を提案。亜細亜条約機構緊急総会はその提案を全会一致で可決。ロシア連邦・中華連邦・インド・タイ・大韓民国・インドネシア・フィリピン・ベトナムは軍を派遣すると発表、それ以外の亜細亜条約機構加盟国であるブルネイ・カンボジア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・シンガポール・パプアニューギニア・東ティモール・バングラデシュ・スリランカ・モンゴル・パラオ・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・イランは資金援助を発表した。これにより戦争はアメリカ合衆国と亜細亜条約機構の戦争に発展した。そしてミッドウェー島占領ハワイ占領と、アメリカ合衆国は追い詰められハワイに展開した大日本帝国空軍によりアメリカ合衆国本土空襲が始まった。その後大日本帝国はアメリカ合衆国本土上陸作戦を決行。開戦初頭の空母決戦を東海岸に展開していた為に生き残った空母戦闘群をアメリカ合衆国は投入。だがその残された希望の空母戦闘群も大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊により全滅した。障害が無くなり上陸作戦は決行され135個師団280万人がアメリカ合衆国に上陸。

上陸以後作戦は順調に進み、更には大泉総理が州単位での降伏を呼び掛けた。その呼び掛けにロッキー山脈以西のネバダ州・アリゾナ州・ユタ州・アイダホ州・オレゴン州・ワシントン州・アラスカ州が大日本帝国に州として降伏すると州知事が宣言した。驚くべき事態であったが、アメリカ合衆国は次々と占領されていった。陸軍がロッキー山脈を越え連合艦隊がパナマ運河を通過すると、大日本帝国に降伏した州はアメリカ西岸連邦の成立を宣言しアメリカ合衆国から分離独立した。その事態にアメリカ合衆国は副大統領が政治的クーデターを行い大統領を弾劾、自らが大統領になった。そして世界各国から米軍を引き揚げると宣言し実行した。アフガニスタンに駐留する米軍も引き揚げた事に、大日本帝国がアフガニスタンへの工作を実行。平和裏にアフガニスタンを安定させ亜細亜条約機構へ加盟させる事となった。近隣諸国も安定化させパキスタンも亜細亜条約機構に加盟し、ブータンとネパール・モルディブ・トルクメニスタンが亜細亜条約機構への加盟を要請して来た。一気に6ヶ国が加盟しイランより以東の亜細亜諸国が加盟する大規模な組織に、亜細亜条約機構は変貌した。加盟した6ヶ国も形式上は亜細亜条約第2条により、アメリカ合衆国に宣戦布告。アメリカ合衆国は凄まじい数の国から宣戦布告される事になった。その間にもアメリカ合衆国本土は防衛線を破られていき、遂に大統領は兵站線破壊を名目にアメリカ西岸連邦首都ロサンゼルスに対して核攻撃を敢行。その核攻撃はアメリカ西岸連邦の亜細亜条約機構加盟と、ニューヨーク空爆・フィラデルフィア核攻撃を招く事になった。

にもかかわらず大統領は最終防衛線の死守命令を出して、戦いを長引かせた。そして最後の最後にアラモ式国防術という死なば諸共の核攻撃をロシア連邦陸軍とインド陸軍に敢行した。その暴挙は大日本帝国とロシア連邦の全面核攻撃を招き、ここにアメリカ合衆国は無条件降伏を表明する事になったのである。

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