表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
73/79

アパラチア山脈攻防戦

2002年11月25日陸軍によるアパラチア山脈攻防戦が開始された。


『2002年11月23日この日は大日本帝国の歴史上忘れる事の出来ない日となった。フィラデルフィアへの核攻撃である。総指揮官は全陸軍部隊に補給整備を命じており、残るアパラチア山脈防衛線への攻撃準備を行っていた。そこへ核攻撃の報告である。この核攻撃を私は総指揮官から聞いた時に、暫く呆然とした。遂にこの時が来たのかと。北海道釧路市への核攻撃に対する報復が遂に果たされたのだ。総指揮官は更に口を開いた。「可能なら我が国の核攻撃が人類最後の核攻撃である事を祈ります。長崎への核攻撃以後50年以上に渡り、抑止力として機能してきた核兵器は今や通常兵器並みに使用されています。この短期間で3回もですよ。あまりにも犠牲者が多過ぎます。」そう語る総指揮官の表情は暗かった。だが総指揮官は気を引き締めると、補給整備を急ぐように命令した。そしてそのように命令し出撃準備に追われていると、アメリカ合衆国大統領のテレビ演説が始まった。アパラチア山脈防衛線をアラモと表現したのだ。それを聞いた総指揮官は不敵な笑みを浮かべた。「アラモなら全滅するのはアメリカの方です。陸軍軍人として当時のアラモの戦いに敬意を評して、陸軍で粉砕しましょう。空軍には絶対的な航空優勢を確保するように要請します。航空支援は87式局地制圧用攻撃機だけにし、最後の最後に敵にハンデを与えましょう。」アメリカ軍が聞いたら怒りそうな事を総指揮官は言い切った。』

広瀬由梨絵著

『新世紀日米戦争』より一部抜粋



ロシア連邦陸軍とインド陸軍の『玄武部隊』はオハイオ州コロンバス近郊の、大日本帝国陸軍とタイ陸軍・大韓民国陸軍・ベトナム陸軍の『白虎部隊』はテネシー州ナッシュビル近郊の、中華連邦陸軍とインドネシア陸軍・フィリピン陸軍の『朱雀部隊』はアラバマ州モントゴメリー近郊の、アパラチア山脈防衛線にそれぞれ総攻撃を開始した。総指揮官のハンデを与える事により、空軍は89式戦闘爆撃機紫電改による圧倒的な航空優勢を確保していた。そんな中で各陸軍部隊はアパラチア山脈防衛線に総攻撃を仕掛けた。

総指揮官が直々に指揮する『白虎部隊』の攻撃は85式自走155ミリ榴弾砲と86式自走多連装ロケット砲・93式戦闘ヘリコプターによる攻撃から始まった。85式自走155ミリ榴弾砲は上陸以後、何度も砲身を交換してきた。圧倒的な弾薬投射量は52口径155ミリ榴弾砲の砲身のライフリングを摩耗させた。攻撃の度に整備部隊は砲身交換に追われていた。だがそのおかげで、凄まじい砲撃を見せ付けていた。通常弾を射撃するのと散布式の子弾を有する榴弾砲クラスター弾を射撃する部隊に分かれており、アパラチア山脈防衛線に対する大日本帝国陸軍の打撃力の高さを見せ付けた。砲弾のみならず装薬も装填可能な自動装填装置は、世界でも85式自走155ミリ榴弾砲のみの装備であり射撃速度もずば抜けていた。

86式自走多連装ロケット砲も猛烈な射撃を行っており、アパラチア山脈防衛線の被害を増大させていた。ロケット弾か地対地ミサイルを装填可能で、ロケット弾はクラスター爆弾のように高度1,000m程でキャニスターが小爆発によって分解し、中の多数の子爆弾を地上にばら撒く。これらの子爆弾の爆発によって200m×100m程度の範囲の保護されていない兵員や軟装甲の車輌を一度に殺傷・破壊する能力を持っている。地対地ミサイルは800キロ弾頭とクラスター弾頭の2種類が存在したが、今回の攻撃は800キロ弾頭のみの使用になった。その威力は85式自走155ミリ榴弾砲や86式自走多連装ロケット砲のロケット弾と比べ物にならず、次々と命中するとアパラチア山脈防衛線に被害を与えていた。

それを更に支援したのが93式戦闘ヘリコプターである。高い機動力と重武装を誇る93式戦闘ヘリコプターは、9式空対地ミサイルとロケット弾で掃討していった。時折アパラチア山脈防衛線からスティンガーミサイルが発射されるが、フレアを放出したり中には宙返りを行う等して回避していた。そして発射地点に向けて再度9式空対地ミサイルとロケット弾を発射、それ等を撃ち尽くすと35ミリ機関砲を掃射している機体もいた。

攻撃を受ける事になったアパラチア山脈防衛線のアメリカ合衆国陸軍にはまさに悲劇と言えるだろう。空軍に支援を要請したがアパラチア山脈防衛線上空に差し掛かる前に、大日本帝国空軍の89式戦闘爆撃機紫電改に叩き落されていた。そんな中で一方的な砲撃に晒された。アメリカ合衆国陸軍は自走砲や自走多連装ロケット砲をトーチカや塹壕内に隠して、接近して来た時に一斉に反撃を行う事にしていた。戦車と歩兵戦闘車も同様の措置が行われており、反撃の機会を伺っていた。しかし大日本帝国陸軍の砲撃は苛烈で、被害は着実に増大していた。

堪りかねたアメリカ合衆国陸軍指揮官が攻撃を命じようとしたその時、大日本帝国陸軍を中心とする白虎部隊が前進を開始したのであった。

次回は攻略戦です。

歩兵戦を上手く描写出来るか心配です……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ