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新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
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合衆国の厄災

大泉総理の命令を受けた大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊は、メキシコ湾からニューヨーク沖に移動した。その移動の間に世界情勢は大きく変化した。まず緊急閣議を終えた大泉総理は記者会見を開き、アメリカ西岸連邦の亜細亜条約機構加盟を支持すると表明した。そしてアメリカ合衆国には、あらゆる手段を用いて全面攻撃を行うと宣言した。その後亜細亜条約機構緊急総会はアメリカ西岸連邦の加盟を全会一致で承認。『亜細亜』条約機構でありながら、北米大陸での加盟国が誕生した瞬間であった。

そして連合艦隊空母機動部隊と空軍81式戦略爆撃機富嶽改は2002年11月23日に、ニューヨークに対して全面攻撃を実行した。



『攻撃は壮絶なものとなった。大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊はまずは89式巡航ミサイルを発射した。連合艦隊の6個空母機動部隊全てが、一斉に89式巡航ミサイルを発射した為に凄まじい数がニューヨークに襲い掛かった。ニューヨークは911同時多発テロ事件で被害を受けてから、僅か1年で再び攻撃を受ける事になったのである。89式巡航ミサイルはまずはニューヨークの象徴的な建造物に襲い掛かった。エンパイアステートビルディング・クライスラービルディング・ロックフェラーセンター・アメリカンインターナショナルビルディング・バンクオブマンハッタントラストビルディング・シティコープセンター・ブルックリン橋・自由の女神像等々が89式巡航ミサイルの直撃により破壊された。ニューヨークには5000を超える高層ビルがあり、攻撃目標は大量にあった。89式巡航ミサイルの直撃を受けて崩壊した建造物を尻目に、途切れる事無い攻撃が続いた。大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊の飽和攻撃ここに極まれり、と言える程の圧倒的な攻撃であった。73式艦上電子戦機が最大出力で電波妨害を行っており、ニューヨークからの救難連絡は全く届かなかった。だが逆に電波妨害が最大出力過ぎた為に、異変を察知したアメリカ合衆国空軍はF-15とF-16を出撃させた。合計300機出撃したF-15とF-16は、74式艦上早期警戒機に早々に探知された。そして即座に85式艦上戦闘攻撃機烈風に通達され、迎撃体制に入った。ニューヨークに接近するF-15とF-16は電波妨害に悩まされていた、何とか飛行は続けていたがそこへ突如として空対空ミサイルに襲われた。85式艦上戦闘攻撃機烈風が発射した99式空対空ミサイルは瞬く間に命中した。300機のF-15とF-16は呆気なく、何もできずに全滅した。そして6隻の空母を発艦した83式攻撃機流星改は、ニューヨークへの空爆を開始した。9式空対地ミサイルと97式レーザー誘導爆弾を次々と発射し、ニューヨークは爆炎に包まれた。そしてニューヨークに81式戦略爆撃機富嶽改が飛来。今回81式戦略爆撃機富嶽改は出撃した全機が、1トン燃料気化爆弾を搭載していた。ニューヨークを徹底的に破壊する為の使用であった。何の妨害も受けずニューヨーク上空に飛来した81式戦略爆撃機富嶽改は、次々と1トン燃料気化爆弾を投下した。圧倒的な破壊力により、ニューヨークは廃墟と化したのである。』

広瀬由梨絵著

『新世紀日米戦争』より一部抜粋


ニューヨークに大規模な空爆を行っている頃、大日本帝国の聖域と呼ばれる日本海で、戦略型原子力潜水艦薩摩級は史上初の核攻撃体制に入った。これは大日本帝国建国史上、日本の歴史上皇紀2662年にして初めての状態であった。遂にアメリカ合衆国以外で人類史上2ヶ国目の核攻撃を実行する国が現れたのだ。


『既に大日本帝国本土からは発射命令が下されていた。訓練では無い、実戦での発射命令である。この時の出来事は海軍軍人として、生涯忘れる事は無いだろう。人類が生み出した究極の戦略兵器を遂に使用するのだ。このプレッシャーは凄まじい物であった。しかし命令の最後に、「全ての責任は軍最高指揮官の私が取ります。大泉麗子が核攻撃による殺戮を命じたのです。戦略型原子力潜水艦の全ての乗組員に罪はありません。」と記されていた。この内容に私は涙が溢れていた。総理は全ての責任を取るつもりなのだ。それなら軍人として命令は必ずや遂行しなければならない。私は核ミサイル発射を命令し所定の手順で発射態勢が整うと、力強く発射ボタンを押した。こうして95式潜水艦発射弾道ミサイルは実戦で初使用されたのである。』

戦略型原子力潜水艦薩摩艦長の手記より一部抜粋



5隻の戦略型原子力潜水艦薩摩級が発射した95式潜水艦発射弾道ミサイルは、合計で50基になった。95式潜水艦発射弾道ミサイルは1基につき14発の460キロトン核弾頭を搭載し、最大射程12500キロを誇る。合計50基の発射は最終的に700発の460キロトン核弾頭がフィラデルフィアに降り注ぐ事になった。

そして2002年11月23日午後2時9分。大日本帝国による史上初の核攻撃がアメリカ合衆国フィラデルフィアに対して行われた。95式潜水艦発射弾道ミサイルは見事にその性能を発揮した。人口160万人のフィラデルフィアは一瞬にして消滅したのだ。

ニューヨーク空爆はアルマゲドンの序盤を、思い出してもらえると想像しやすいと思います。

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