アメリカ西岸連邦核攻撃
今日で2ヶ月連続更新になります。
最近はアクセス数も多くなり、個人的に非常に嬉しいです。
まだまだ話は続きますので、今後も宜しくお願いします。
ノーフォーク海軍基地を出港した5隻の攻撃型原子力潜水艦ロサンゼルス級は、一路アメリカ西岸連邦を目指した。作戦の秘匿性を高める為にパナマ運河は使用せずに、マゼラン海峡を通り南米大陸を回り込んで20日かけて2002年11月21日に西海岸のアメリカ西岸連邦に接近した。その間にも陸軍部隊は東進を続け、最終防衛線のアパラチア山脈防衛線に近付いていた。そして現在は補給整備を行うのと並行して、占領した州の空港を整備し空輸拠点を増やしていた。全ては順調であった。大日本帝国本国では軍需企業の大増産体制が整い、凄まじい勢いで各種の砲弾・弾薬・爆弾・ロケット弾・ミサイルが量産されていた。そして火薬の生産に必要なニトロセルロースは大日本帝国と中華連邦が世界シェアで各30%となっており、両国で60%の世界シェアがあった。残る40%はアメリカ合衆国が20%で、ヨーロッパ諸国で20%となっていた。アメリカ合衆国は大日本帝国と戦争を始めたばかりに、現状では火薬の生産がまともに行なえ無くなっていたのである。その為に先月からニトロセルロースの用途を民生用から、軍用だけに振り分けて対処していた。だがそれでは民生用が欠乏する為に、国内製造メーカーに対して増産を命令していた。本土決戦でありながら、補給物資に事欠いていたのはアメリカ合衆国の方であったのだ。
そんな中で攻撃型原子力潜水艦ロサンゼルス級5隻は、アメリカ西岸連邦首都ロサンゼルスをトマホーク巡航ミサイルの射程圏内に収めた。ロサンゼルス級がロサンゼルスを攻撃するという、笑えない冗談の事態が発生していたが乗組員達は真剣そのものであった。アメリカ合衆国としては広島・長崎・釧路に次ぐ、4度目の核攻撃である。しかも分離独立したとはいえ、同じ同胞が住む土地に対してである。凄まじい葛藤はあったが、軍人として命令に従う事にした。発射するトマホーク巡航ミサイルは威力可変型熱核弾頭で、200キロトンに設定されていた。その威力可変型熱核弾頭トマホーク巡航ミサイルを各2発、5隻合計で10発をロサンゼルスに撃ち込む作戦だった。
大統領からの命令は下され、国防総省からも同様に命令は下されていた。そして攻撃型原子力潜水艦ロサンゼルス級の5隻の艦長は意を決してトマホーク巡航ミサイルの発射を命令した。
2002年11月21日午前10時28分。アメリカ西岸連邦首都ロサンゼルスに10発もの、200キロトン熱核弾頭トマホーク巡航ミサイルが命中した。大威力核ミサイルが10発も命中した事により、ロサンゼルスは一瞬にして消滅した。ロサンゼルスはカリフォルニア州の都市であり、同州最多の人口を誇る北米屈指の世界都市である。分離独立前のアメリカ合衆国ではニューヨークに次いで人口が多い大都市に、10発もの核ミサイルが命中した。ロサンゼルス人口350万人は一瞬にして都市諸共に消滅。人類史上最悪の核攻撃となった。
核攻撃は世界に衝撃を与えた。まさかの事態である。誰がこのタイミングで、ロサンゼルスへの核攻撃を予想しただろうか。世界が騒然とするなか、核攻撃の30分後にアメリカ合衆国大統領のテレビ演説が始まった。
『合衆国国民の皆さん、こんにちは。私は今般合衆国大統領として、アメリカ西岸連邦を名乗る裏切り者に対して、攻撃型原子力潜水艦ロサンゼルス級より核弾頭のトマホーク巡航ミサイル攻撃を命令しました。裏切り者達は戦争中の大日本帝国に対して、媚び諂いその侵略戦争に加担しているのです。空港や港のみならず軍事施設の自由な使用を認め、後方基地としてアメリカ西岸連邦は機能しております。これは由々しき事態です。合衆国が戦争に勝利する為には、兵站線を破壊しなければならないのです。その為に私はロサンゼルスへの核攻撃を命令しました。これによりアメリカ西岸連邦を名乗る裏切り者は瓦解し、西海岸は混乱状態になるでしょう。そうなれば大日本帝国の兵站線は正常に維持出来なくなり、我が軍の反撃が成功するのです。このような侵略戦争は断固として粉砕されるべきです。我が軍の実力を最大限に発揮して、侵略者を叩き出すのです。その為の核攻撃なのです。このような事態を招いた大日本帝国と亜細亜条約機構には、猛省を促します。現状の打開には大日本帝国と亜細亜条約機構による謝罪と賠償、そして即時の撤退を要求します。そうでないとすると今後起きる悲劇は全て、大日本帝国の責任となります。合衆国は決して負ける事はありません。あらゆる手段を講じて、戦い続けます。合衆国国民の皆さんは政府を信用して、是非とも協力をお願いする次第です。私は副大統領から昇格した大統領ですが、責任感は歴代大統領より強いと自負しております。皆さんの為にも必ずや勝利し、合衆国の輝かしい未来を共に迎えられるように全力で取り組んでいきます。合衆国と国民の皆さんに神のご加護を。』