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新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
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政治的激震

2002年10月12日アメリカ合衆国はもとより、世界各国に政治的激震が走った。大日本帝国に降伏したロッキー山脈以西の州である、ネバダ州・アリゾナ州・ユタ州・アイダホ州・オレゴン州・ワシントン州・アラスカ州、そしてカリフォルニア州がアメリカ合衆国から独立して『アメリカ西岸連邦』の建国を宣言したのである。まさに衝撃的な宣言であった。アメリカ西岸連邦はカリフォルニア州ロサンゼルスを首都とし、カリフォルニア州知事が臨時大統領に就任する事になった。

州知事達が集まり会談を行っているのを大日本帝国は即座に知り得ていた。帝国情報捜査庁(I3)の諜報員が州知事の動向を探っており、全ての行動は筒抜けであった。そして州知事達がアメリカ合衆国からの独立を画策している事は、首相官邸の大泉総理へとすぐ様伝えられた。情報を伝えられた大泉総理は緊急閣議を招集。閣議で大泉総理は州知事達の独立計画を、全面的に支援する事を提案した。その提案に主に外務大臣と財務大臣は難色を示したが、他の閣僚は賛成であった。外務大臣と財務大臣が難色を示したのには理由があった。外務大臣はアメリカ合衆国の分裂による戦後の国際政治での、パワーバランスに配慮したものだった。財務大臣も似たような理由で、戦後の国際経済でのパワーバランスに配慮していた。しかし大泉総理は断固とした意思を外務大臣と財務大臣に伝えた。

『もはやアメリカ合衆国の影響力は地に落ちており、今更戦後を見据えて配慮した所で手遅れです。ヨーロッパ諸国が我が国に砲弾と弾薬を支援してくれているのも、アメリカ合衆国の崩壊を見据えての事です。ヨーロッパ連合(EU)という国家連合になって10年も経って無いですが、アメリカ合衆国に成り代わろうという野望があるのです。我が国が核攻撃による報復により全面攻撃を行う事で、アメリカ合衆国を徹底的に叩き潰すのは周知の事実です。ヨーロッパ連合がそのような野望を抱いても不思議では無いでしょう。その野望はI3のヨーロッパ総局の諜報活動で確認が出来ています。ですが今更アメリカ合衆国への攻撃を控える訳にはいきません。それは私も拒否します。アメリカ合衆国には徹底的な攻撃を行い、全面降伏させます。そうなると州知事達の独立計画は我が国にとって、非常に好都合なのです。サンフランシスコや各地の軍事施設は破壊されましたが、州として降伏した為に経済力も残っています。アメリカ合衆国から独立させて、我が国に引き込むのです。亜細亜条約機構にも加盟させても良いかもしれません。州知事達の独立計画を利用しましょう。』

大泉総理の話は閣僚達に衝撃を与えた。ヨーロッパ諸国の弾薬と砲弾の支援をただ単に喜んでいたが、実はそのような理由があったとは思ってもいなかった。確かに急な方針転換ではあった。イギリスとポーランドは大日本帝国攻撃の為の艦隊まで派遣していたのである。だが北海道釧路市への核攻撃で風向きが変わり、それが理由で支援してくれたのだと思っていた。しかしその裏には大きな野望があったのだ。大泉総理の話を受けて外務大臣と財務大臣は賛成する事を決意した。

こうして大日本帝国は州知事達の独立計画を支援する事になり、州知事達の会談にI3の工作員が接触した。当初州知事達はI3の工作員が接触して来た事により、全員が殺されて計画が潰されると覚悟した。大日本帝国の能力を侮ってはいなかったが、隠し切れるとも思っていなかった。だが接触して来たI3工作員は意外な事を口にした。全ての計画を支援すると言い出したのだ。州知事達は一様に驚いた。まさかの言葉である。アラスカ州知事は本当なのか、と尋ねた。I3の工作員の返事は変わらなかった。州知事達は独立計画が実行出来ると分かり、殊の外喜んでいた。

そして2002年10月12日の発表である。周到に準備された計画が遂に実を結んだ。アメリカ西岸連邦の独立を大日本帝国は即座に承認。驚いた世界各国であったが、亜細亜条約機構加盟国やヨーロッパ諸国が次々と承認していった。そしてアメリカ合衆国以外の世界各国が独立を承認する事態になったのだ。アメリカ合衆国にとっては悪夢であった。グアム島・ミッドウェー島・ハワイ諸島は正直な所、大日本帝国へ割譲する必要はあると覚悟していた。本土に上陸されてロッキー山脈以西の州が降伏しても、最終的には返還されると思っていた。それがまさかの合衆国からの独立である。大統領はホワイトハウスでその報告を聞いた時に卒倒しかけた。断固として阻止するように命令をしようとしたが、その手段が無かった。もはや陸軍はロッキー山脈を越えて、連合艦隊空母機動部隊はメキシコ湾に展開しているのである。ここに至り大統領は東海岸の州を死守するように改めて命令した。その命令を受けて国防長官は残存する軍に、徹底的な死守命令を出した。もはやこれ以上の分裂は許されなかった。

ヨーロッパ連合の野望が露わになりました。という事はこの小説は‥‥

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