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新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
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防衛線空爆

陸軍部隊総指揮官の要請を受けて、大日本帝国空軍は再び大規模な空爆を行う事になった。


『大日本帝国空軍は現役18万人、予備役1万人の大規模な空軍として組織される。海軍連合艦隊や陸軍総軍に値する、航空総隊を最高位に編成。航空総隊総司令官の下に、各航空方面隊を配置している。千島・北海道・東北を担当する北部航空方面隊、関東・中部・近畿を担当する中部航空方面隊、中国四国・九州を担当する西部航空方面隊、沖縄・南西諸島を担当する南西航空方面隊が存在する。

保有機数は89式戦闘爆撃機紫電改を420機、84式戦闘攻撃機飛燕改を520機、88式戦闘機震電を80機、81式戦略爆撃機富嶽改を240機、74式司令部偵察機を18機、73式偵察機火龍改を45機、75式電子情報収集作戦機を22機、78式早期警戒管制機を58機、85式空中給油機を280機、65式大型輸送機を88機、88式大型輸送機を260機、60式中型輸送機を195機、87式局地制圧用攻撃機を180機、62式対潜哨戒機を210機、合計2616機を保有する世界2位の空軍であった。対潜哨戒機が空軍に配備されているのは、大日本帝国空軍だけの特徴でもあった。アメリカ合衆国空軍は世界最大の空軍であるが、世界各国にある海外の基地にも展開している。その為に領土規模での密度でいえば、大日本帝国空軍は世界最大の展開数になるのである。これ程の規模になったのは大東亜戦争に於ける、B-29の本土空襲からの教訓となっていた。あの時の悪夢を繰り返さない為にも、大日本帝国空軍は凄まじい密度で航空機を保有していた。しかしだからといって大日本帝国空軍が防空のみに特化した戦術空軍かといえば、そういうわけでもない。多数の空中給油機と輸送機を保有し戦略爆撃機も保有しており、容易に戦略空軍へと変貌して海外展開も可能である。その能力はベトナム戦争や湾岸戦争で遺憾なく発揮され、世界各国にその能力の高さをまざまざと見せ付けた。特に湾岸戦争は冷戦が終結して直ぐに勃発した為に、大日本帝国空軍の規模が最盛期であり、輸送機を総動員しての空輸はアメリカ合衆国空軍に次ぐ規模を見せ付けた。しかも保有する航空機の性能はアメリカ合衆国空軍の保有する物と同等か、機種によっては圧倒的に上回る物があった。それは機体を設計する各航空機メーカーや、エンジンの製造を一手に引き受けるIHIの能力が高い事の証明でもあった。』

広瀬由梨絵著

『大日本帝国空軍史』より一部抜粋


ハワイヒッカム空軍基地を離陸した81式戦略爆撃機富嶽改は、一路中央平原とアパラチア山脈を目指した。アメリカ合衆国西海岸に接近すると各地の空軍基地から、大日本帝国空軍の89式戦闘爆撃機紫電改とロシア連邦空軍のSu-30が離陸し護衛として付き添った。もはや大日本帝国本土を飛行しているのと代わりは無かった。78式早期警戒管制機が24時間常に飛行しており、空中警戒に余念がなかった。ロッキー山脈以西の西海岸は大日本帝国空軍が圧倒的な航空優勢を確保していた。ロシア連邦・中華連邦・インドも空軍を派遣しており、西海岸は完全にアメリカ合衆国の領空では無くなっていた。中華連邦とインドは大日本帝国空軍と同じ89式戦闘爆撃機紫電改をライセンス生産しているが、ロシア連邦空軍のSu-30がアメリカ合衆国の空を飛んでいるのは冷戦の恨みを晴らすかのような光景であった。

ロッキー山脈を越えた81式戦略爆撃機富嶽改は久し振りに、アメリカ合衆国空軍の迎撃を受けた。迎撃に現れたのはF-15であり、合計100機が飛来した。しかし81式戦略爆撃機富嶽改を護衛する89式戦闘爆撃機紫電改とSu-30は、200機であった。F-15は81式戦略爆撃機富嶽改を撃墜するべく、一気に加速してスパローを発射した。だがF-15の発射したスパローは89式戦闘爆撃機紫電改の99式空対空ミサイルにより呆気なく迎撃された。そして89式戦闘爆撃機紫電改は99式空対空ミサイルを、Su-30はR-77空対空ミサイルを発射した。おびただしい数の空対空ミサイルに襲われたF-15は回避したが、襲いかかるミサイルの数が多過ぎた。フレアを放出したが回避出来ずに次々と叩き落された。F-15隊は再び全滅した。

F-15の全滅を受けて脅威の無くなった81式戦略爆撃機富嶽改は、悠々と中央平原に到達した。そしてまずは両翼に装備した90式空中発射巡航ミサイルを次々と発射した。1トン通常弾による貫通弾頭の90式空中発射巡航ミサイルは防衛線に凄まじい数が命中した。そして防衛線上空に達すると次々と爆弾倉を開き、1トン通常爆弾と500キロ通常爆弾を投下した。あまりにも高空から降り注ぐ通常爆弾は重力加速度もあり、凄まじい速度で防衛線に直撃。必死になって構築していた塹壕やトーチカは次々と粉砕されていった。その破壊力は凄まじく、塹壕もトーチカも形も残っていなかった。月面のように無惨にクレーターが形成されており、凄惨な光景が広がっていた。90式空中発射巡航ミサイルと通常爆弾の破壊力に、中央平原の防衛線は完全に崩壊した。防衛線の破壊を確認した81式戦略爆撃機富嶽改はヒッカム空軍基地に向けて帰還した。

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