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新世紀日米戦争  作者: 007
第4章 崩壊
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地上戦

135個師団全てが上陸してから僅か1週間。2002年9月21日にアメリカ合衆国に上陸した135個師団は、カリフォルニア州全体を占領した。サンフランシスコ周辺のサンノゼとサンタローザは即座に占領し、カリフォルニア州州都のサクラメントも上陸翌日に占領した。総指揮官は135個師団を、ロシア連邦陸軍の20個師団とインド陸軍の25個師団の『玄武部隊』、中華連邦陸軍の30個師(師団相当)とインドネシア陸軍の10個師団・フィリピン陸軍の5個師団の『朱雀部隊』、大日本帝国陸軍の15個師団とタイ陸軍の10個師団・大韓民国陸軍の10個師団・ベトナム陸軍の10個師団の『白虎部隊』という各45個師団の3部隊に分割した。分割した部隊名は総指揮官がそれぞれが攻める方向の四神から拝借して命名した。大日本帝国陸軍が参加する部隊が東に向けて進軍するのに白虎なのは、更に東でアメリカ合衆国中部に各特殊部隊が破壊工作を行っておりその特殊部隊を『青龍部隊』とした為に、西を司る白虎を拝借したのである。

玄武部隊はサクラメント占領後に北上し、各都市を次々と占領していった。それ程大規模な都市は、無い為に占領は順調に進んだ。朱雀部隊と白虎部隊は合同でロサンゼルスとサンディエゴの占領を開始した。カリフォルニア州南部の重要都市であり街の規模も大規模である。この2都市の占領は時間がかかると思われた。しかし両部隊がロサンゼルスに接近すると、ロサンゼルス市長は無防備都市を宣言。あまりにも圧倒的な戦力にロサンゼルス市長は街を明け渡す事を決めたのだ。これを受け入れた両部隊によりロサンゼルスは無血占領となり、サンディエゴも海軍基地があるにも関わらず早々に無防備都市も宣言した。連邦政府が遅滞作戦を行おうとしたが、無防備都市宣言によりその目論見は崩れ去っだ。この為にカリフォルニア州は1週間という短期間で占領されたのだ。


カリフォルニア州を占領した為に一旦進軍は中止し、整備と補給を開始した。カリフォルニア州にあるエドワーズ空軍基地や各地の空港は修復され、空軍はハワイに展開していた89式戦闘爆撃機紫電改と84式戦闘攻撃機飛燕改を進出させた。更にはロシア連邦と中華連邦・インドは空軍も派遣すると表明し、カリフォルニア州の国際空港に展開させた。

陸軍部隊は、戦車の整備に追われた。破壊された戦車は存在しなかったが、長距離を走り回った事により履帯の負担が大きなものになっていた。その為に1度進軍を中止して、大規模な整備を実施する事になった。

サンディエゴ海軍基地も無傷で確保出来た為に、連合艦隊と各国の空母機動部隊は整備に入った。


『カリフォルニア州全体を占領した事により、陸軍部隊は整備と補給に入った。長いようで短い1週間であった。ロサンゼルスまで総指揮官に同行した私は、陸軍が接収したホテルのスイートルームで休んでいた。意外な事にホテルの従業員は一切敵対心を見せる事は無かった。むしろ私が作家だと分かると、謝罪の言葉を口にする程であった。口々に3回目の核攻撃はやり過ぎた、と語りその謝罪にはとても驚いた。

ルームサービスの食事に舌鼓を打ちゆっくりしていると、総指揮官の副官が私を呼びに来た。大会議室で行われる作戦会議への参加であった。そのような場に呼ばれるとは思っていなかったので、私は心底驚いた。しかし総指揮官の厚意を無下に断る事は出来ない為に、私は快く了承した。

大会議室に移動した私を総指揮官は出迎えてくれた。そんな私に総指揮官は、全ての情報を共有して頂きます、と語った。その言葉に私は嬉しくなった。ここまで信用してもらえると、遠慮し過ぎると逆に迷惑になってしまう。

作戦会議は部隊の補給体制についての確認が、大きな割合を占めた。当然であろう。135個師団280万人の生産性の無い、消費するだけの集団である。兵站線の確保は最優先であった。大日本帝国本土から各方面軍が保管している補給物資が、海軍連合艦隊の各種支援艦艇と空軍の輸送機を総動員して輸送される事になっていた。一部は既にハワイ諸島に事前集積されており、そこからの輸送になった。本土に於いては各種軍需企業が大量生産体制への移行を行っており、比較的短期間での大量生産が可能になっていた。これにより亜細亜条約機構加盟国の軍を派遣した各国部隊の補給物資も供給可能になる。ロシア連邦・中華連邦・インドがギリギリのラインで、自力で補給物資の面倒が見れるかどうかであり。それ以外の国々は部隊を派遣するだけで必死だった。そもそも大軍を遠隔地に派遣して兵站線を維持出来るのが異常なのである。世界でそれが可能なのは日米両国だけであった。ある意味で覇権国家である証明が、遠隔地への派遣能力である。その為に大日本帝国は早々に補給物資の供給を提示した。これにより135個師団280万人という人類史上最大の上陸作戦が実行されたのであった。』

広瀬由梨絵著

『新世紀日米戦争』より一部抜粋

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