アメリカ合衆国本土上陸作戦
2002年9月11日。遂にアメリカ合衆国本土上陸作戦が始まった。サンフランシスコ沖合に展開する連合艦隊空母機動部隊は、VLSから凄まじい数の89式巡航ミサイルを発射した。6隻の空母は85式艦上戦闘攻撃機烈風と83式艦上攻撃機流星改を蒸気カタパルトで発艦させ、ハワイからは89式戦闘爆撃機紫電改と81式戦略爆撃機富嶽改・87式局地制圧用攻撃機が飛来していた。オーシャンビーチ沿いに展開していたアメリカ合衆国陸軍は、圧倒的な航空優勢を確保している大日本帝国海軍空軍に撃破されていた。もはや地上を動いているだけで攻撃され、ただひたすらに打ちのめされるだけであった。大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊だけで無く、インド海軍のヴィクラマーディティヤ(旧鳳翔)空母機動部隊、タイ王国海軍のチャクリナルエベト(旧龍驤)空母機動部隊、中華連邦海軍の山東空母機動部隊、ロシア連邦海軍のウリヤノフスク空母機動部隊もサンフランシスコ沖合から攻撃を行っていた。ロシア連邦海軍の正規空母ウリヤノフスクはSu-33とMiG-29Kを蒸気カタパルトから発艦させ、残る3ヶ国の正規空母は連合艦隊空母機動部隊と同じ85式艦上戦闘攻撃機烈風と83式艦上攻撃機流星改を蒸気カタパルトから発艦させていた。それら各国の機体もサンフランシスコに攻撃を加えており、被害は凄まじい勢いで拡大していた。
陸軍部隊は悲鳴にも似た声で、空軍に航空支援を要請した。しかし空軍としては前日にF-16が全く攻撃出来ずに全滅した為に、支援には及び腰であった。しかし矢の催促に遂には航空支援を決定。F-16を100機出撃させた。だがF-16の接近はハワイヒッカム空軍基地から飛来して展開していた、78式早期警戒管制機に即座に探知された。急報を受けて89式戦闘爆撃機紫電改と85式艦上戦闘攻撃機烈風が迎撃の為に進出。F-16隊は赤子の手をひねるように、容易く叩き落された。
上陸作戦の障害が著しく低下した事により海兵両用作戦部隊は上陸作戦を開始。水陸両用部隊の強襲揚陸艦大隅級とドック型揚陸艦根室級から海兵両用作戦部隊は続々と出撃した。それを浜辺で迎撃するアメリカ合衆国陸軍はもはや存在せず、行く手を阻む者はいなかった。そして遂にアメリカ合衆国本土に大日本帝国海兵隊が上陸。歴史的偉業を成し遂げた。そして浜辺には続々と海兵両用作戦部隊が上陸。迅速に橋頭堡を確保した。後続する陸軍部隊を載せた車輌貨物輸送艦や車輌運搬船・カーフェリーはランプウェイを延ばして、浜辺への揚陸を開始。
時を同じくして第1空挺師団と第2空挺師団を搭載した、空軍の65式大型輸送機・88式大型輸送機・60式中型輸送機が飛来。第1空挺師団と第2空挺師団はサンフランシスコ湾各地にある港を確保する事が任務であった。そして港を確保次第各国陸軍を輸送して来た船舶を、横付けして陸軍を展開する事になっていた。
空挺降下した第1空挺師団と第2空挺師団は、直ぐ様行動を開始。しかしアメリカ合衆国陸軍も港を死守する為に守備部隊を配備していた。壮絶な銃撃戦となり、空挺師団は上空を飛来する海軍と空軍の航空機に、航空支援を要請した。航空支援には87式局地制圧用攻撃機が大活躍した。87式局地制圧用攻撃機は、60式中型輸送機を改造した機体である。ベトナム戦争末期にアメリカ合衆国空軍がC-130を改造し、AC-130ガンシップを投入。それを受け大日本帝国空軍も対地支援用に活用出来ると判断し、60式中型輸送機を改造しベトナム戦争に投入した。以後大日本帝国空軍は武装を強化した改良型を開発し、現在運用されているのが第4次国防力整備計画に於いて実用化された物である。基本能力は全て60式中型輸送機と同じであるが、25ミリガトリングガン2門・40ミリ機関砲2門・105ミリ榴弾砲1門が装備されている。武装は機体左側面に全て装備されており、対地攻撃時は左旋回を続けながら行う。地上の空挺師団による発煙筒やレーザー照射により、87式局地制圧用攻撃機は40ミリ機関砲を発射。105ミリ榴弾砲は港設備を破壊してしまう為に、使用は控えられた。しかし40ミリ機関砲でも高空からの射撃は地上部隊に甚大な被害を与えた。ガンシップという圧倒的な航空優勢を確保出来る、大日本帝国とアメリカ合衆国しか保有出来ない機体に初めて攻撃を受けたアメリカ合衆国陸軍は衝撃を受けた。過去の戦争で自らが攻撃してきたガンシップの威力が、自分達に降り掛かってくるのである。
圧倒的な航空支援を受けて、空挺師団は次々とサンフランシスコ湾各地の港を占領していった。地上で奮戦を続けていたアメリカ合衆国陸軍部隊も、遂には力尽きて降伏していった。上空に大日本帝国海軍空軍の航空機しか舞っていない状況では、抵抗する事は物理的に不可能であった。
こうしてサンフランシスコとその周辺地帯は大日本帝国陸軍のみならず、数ヶ国に及ぶ陸軍の占領を受ける事になったのである。