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新世紀日米戦争  作者: 007
第3章 終わりの始まり
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本土空襲

ハワイ陥落から10日後の2002年8月27日午前9時。大日本帝国空軍による、アメリカ合衆国本土空襲が行われた。

ハワイ占領から10日の間に、大日本帝国はハワイを前線基地に変貌させていた。空軍は予定通り81式戦略爆撃機富嶽改100機と87式局地制圧用攻撃機50機を進出させ、89式戦闘爆撃機紫電改・84式戦闘攻撃機飛燕改・78式早期警戒管制機・85式空中給油機・74式司令部偵察機・75式電子情報収集作戦機も無事に展開した。海軍連合艦隊の6個空母機動部隊全てもパールハーバーに集結し、海防艦東京級と哨戒艦海龍級も各鎮守府・軍港から数隻ずつ選抜して臨時部隊を編成し、パールハーバー海軍基地に派遣した。海上保安庁も各管区から巡視船を選抜し、臨時部隊を編成してパールハーバー海軍基地に派遣していた。陸軍も占領直後にまずは87式自走地対空ミサイル発射機を保有する防空部隊を派遣。その後湾岸戦争以来の大規模空輸作戦を実施し、1個機械化歩兵師団をハワイに送り込んだ。


アメリカ合衆国本土空襲に際して大日本帝国は、空軍帝国偵察局の偵察衛星と74式司令部偵察機を用いて西海岸を偵察していた。その偵察情報により国防省国家軍事指揮センターでは、サンフランシスコへの空襲作戦を計画した。サンフランシスコ空襲作戦を提示された大泉総理は、即座に作戦を採用した。そして今後のアメリカ合衆国空襲作戦は報告無しに、通常兵器を用いての無差別爆撃を独自に実行しても良いと言い切った。それだけ釧路市に対する核攻撃に対して怒りを感じている証拠でもあった。


ハワイを離陸した81式戦略爆撃機富嶽改100機は、サンフランシスコを目指して飛行を続けていた。89式戦闘爆撃機紫電改が85式空中給油機による空中給油を受けて、81式戦略爆撃機富嶽改の護衛に付き添っていた。サンフランシスコに接近した81式戦略爆撃機富嶽改は、両翼に装備した18発の90式空中発射巡航ミサイルを一斉に発射した。90式空中発射巡航ミサイルはもともとデコイとして開発されたため、飛行機のような形をしており、主翼、尾翼を備え、ミサイルとしては比較的大きい。胴体部の断面は下面が広い三角形を成し、その下に展開式の主翼がある。この主翼は投下後に伸張され揚力を生む。機体の姿勢制御によって誘導を行い、最後尾の水平尾翼(これも展開式)を用いる。この水平尾翼のみが動翼(操縦翼面)となっており、主翼および垂直尾翼には操縦翼面がない。また、上部には固定式の安定用垂直尾翼と、ジェットエンジンの空気取り入れ口を持っている。90式空中発射巡航ミサイルは発射されると、本体下の主翼を展開し、対地高度135メートルまで落下しその後、ターボファンエンジンが点火され、飛翔誘導を開始する構造になっている。慣性航法装置と地形参照航法装置を使い、事前登録された地形データを参照しながら目標へと向かい、更に大日本帝国独自のGPS情報を加えている。弾頭は最大200キロトンまで設定可能な威力可変型の熱核弾頭と、1トン通常弾による貫通弾頭の2種類がある。もちろん今回の弾頭は通常弾であった。

81式戦略爆撃機富嶽改の90式空中発射巡航ミサイルがサンフランシスコに殺到すると、アメリカ軍によるパトリオットミサイルの迎撃が始まった。しかし西海岸全域に広く配備している為に、サンフランシスコに配備されていたパトリオットミサイルの数は少なかった。1800発に及ぶ90式空中発射巡航ミサイルによる飽和攻撃を、パトリオットミサイルは完全に迎撃する事は出来なかった。迎撃出来たミサイルよりも命中したミサイルの方が遥かに多かった。サンフランシスコは一瞬にして地獄へと変貌した。ゴールデンゲートブリッジは数十発の90式空中発射巡航ミサイルが命中し粉々に吹き飛び、サンフランシスコ中心部のビル群にも次々と命中していった。1トン通常弾による貫通弾頭の威力は凄まじく、高層ビルは根本から崩れていった。

急報を受けてサンフランシスコに近隣の空軍基地から駆け付けた、F-15イーグルとF-16ファイティングファルコンは81式戦略爆撃機富嶽改に近付く間もなく89式戦闘爆撃機紫電改の発射した99式空対空ミサイルに叩き落された。89式戦闘爆撃機紫電改はそのまま先行してサンフランシスコ上空に侵入すると、パトリオットミサイルの撃破を開始した。9式空対地ミサイルと97式レーザー誘導爆弾をパトリオットミサイルに叩き付けた。パトリオットミサイルの発射したミサイルは99式空対空ミサイルで迎撃され、パトリオットミサイルの迎撃は失敗に終わり全滅させられた。脅威を排除した事によりサンフランシスコ上空に侵入した81式戦略爆撃機富嶽改は、1トン通常爆弾と500キロ通常爆弾を次々と投下した。圧倒的な量の通常爆弾が降り注ぎ、サンフランシスコは廃墟と化した。核兵器を使用せずともこのような破壊力を見せ付けられたサンフランシスコの住人は、とてつもない恐怖を感じた。

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