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新世紀日米戦争  作者: 007
第3章 終わりの始まり
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世界の衝撃

アメリカ合衆国海軍の8個空母戦闘群全滅とグアム島占領のニュースは、全世界に衝撃を与えた。連合艦隊空母機動部隊イージス原子力空母大和の飛行甲板から生中継された映像は、大日本帝国国内のみならず世界各国で放送されていた。対艦ミサイルとF/A-18E/F隊の迎撃までは生中継されていたが、その後の攻撃は烈風や流星改のガンカメラによる撮影となった。その為にグアム島占領と共に映像は、国防省報道官による記者会見で公開された。記者会見で報道官が語った「台湾沖航空戦の大誤報ではありません」というジョークと共に、衝撃的なガンカメラの映像と偵察衛星による画像も公開され、8個空母戦闘群全滅とグアム島占領のニュースが全世界に駆け巡った。『一方的な勝利』『ワンサイドゲーム』『日本海海戦以来の完全勝利』等々、さまざまな見出しがつけられた。そして捕虜数が2万人以上になる事も、世界に衝撃を与えた。全滅した空母戦闘群から脱出した乗組員達は、あてもなく太平洋を彷徨っていた。そこへ連合艦隊空母機動部隊が到達し、乗組員を全て救出したのだ。生き残りの最高位は中佐であった。2万人以上の捕虜は第二次世界大戦後最大の数になった。大勝利を果たした連合艦隊空母機動部隊と水陸両用部隊は補給の為に帰国の途に就いた。占領したグアム島は陸軍が1個旅団を派遣する事になり、空軍輸送機を用いての輸送準備が行われていた。アンダーセン空軍基地は海兵両用作戦部隊により既に滑走路が修復されており、何時でも離着陸可能であった。

初戦の大勝利を受けて、大泉総理は記者会見を行った。


『新世紀日米戦争に於ける初戦は私達の大勝利となりました。アメリカ合衆国には現時点での降伏を要求します。空母戦闘群を8個も失いグアム島を失った今、もはや日米戦争を継続する意味は無いでしょう。大言壮語な事を述べて、結果としては世界中に恥をかいただけになりました。何も私達はアメリカ合衆国本土まで攻め込むとは言っていません。そもそもアメリカ合衆国から一方的に仕掛けてきたのが、今回の新世紀日米戦争です。何の根拠も無くいきなり武装解除要求をして、武力行使を行ったのです。アフガニスタン情勢も悪化しております。私達は大勝利の報に、タリバーンとアーカイダは勢いを取り戻したのです。再び言います。もはや日米戦争を継続する意味は無いでしょう。一体アメリカ合衆国は何が目的なのでしょう。海軍には3隻の空母しか残されておらず、太平洋を横断して再び空襲を仕掛けにくるのでしょうか。それとも本土にある空軍基地からB-1・B-2・B-52を飛ばして、空襲を仕掛けにくるのでしょうか。核兵器はお互いに使用しないと世界に宣言したので、通常兵器による空襲しか選択肢は無いでしょう。しかし私達は全ての事態に備えが出来ています。例え本土から戦略爆撃機を飛ばして来ても、全て叩き落とします。二度とアメリカ合衆国に本土空襲をさせる訳にはいきません。最初に言った通り、アメリカ合衆国が降伏をすると言うのなら、この戦争は直ぐに終結します。そこで我が国はアメリカ合衆国に72時間の猶予を与えます。アメリカ合衆国の降伏に際して要求するのは、武装解除要求の撤回と謝罪・賠償金の支払い・グアム島の割譲、この3点です。この3点を受諾して降伏する事を要求します。講話会議はニューヨーク国連本部で行いましょう。世界各国が証人として、新世紀日米戦争を終わらせるのです。アメリカ合衆国には到底受け入れ難い要求でしょう。しかし自らが招いた結果なのです。私達に何の理由があって戦争を仕掛けてきたのでしょう。私達は自らを守る為に今回の戦争に受けて立ちました。その為にアメリカ合衆国が手を引くなら、私達も喜んで戦争を終結させます。一刻も早くこの無意味な戦争を終わらせましょう。しかし、もしも、アメリカ合衆国が戦争を終わらせないのであれば、私達は断固として戦い続けます。謂れの無い暴力に巻き込まれた我が国は、平和を取り戻す為に全力を出します。アメリカ合衆国の傍若無人さには、もう懲り懲りです。全ての非を認めアメリカ合衆国が降伏しない限りは、我が国から戦争を終わらす事はありません。その為に72時間の猶予を与えるのです。もし72時間以内にアメリカ合衆国が降伏をしないのなら、通常兵器を用いて全面攻撃を行います。このまま戦争を終わらすか、拡大させるか。アメリカ合衆国に判断を任せます。降伏を受け容れるのなら、大統領自らがテレビ演説を行い、世界各国を証人にするように要請します。戦争か平和か。今後の対応に全てがかかっています。当然ながら72時間の猶予の間は、我が国から攻撃をする事はありません。全てはアメリカ合衆国の判断によります。アメリカ合衆国の理性的な判断を信じ、世界が平和になるように求めます。不毛な戦争は終わりましょう。』


大泉総理はそう言うと、記者会見を終わった。

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