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新世紀日米戦争  作者: 007
第2章 テロとの戦い
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悪の枢軸

2002年1月29日アメリカ合衆国連邦議会で行われた一般教書演説に於いて、強硬派大統領は『悪の枢軸』発言を行った。大日本帝国・ロシア連邦・イランを名指しして、大量破壊兵器を保有するテロ支援国家だと非難した。反日キャンペーンの結果、過去最大の反日感情が高まっているアメリカ合衆国国内はこの発言に、過激に反応した。アフガニスタンでは大規模な地上戦は終結し治安回復の新たな段階に入っている為に、アメリカ合衆国は大日本帝国を次なる目標として行動していた。その更なる一手が、悪の枢軸発言であった。3ヶ国を名指ししたが反日キャンペーンの最中であった為に、アメリカ合衆国が次の目標としているのがどの国かは明白であった。

アメリカ合衆国大統領による悪の枢軸発言は、衝撃ニュースとして世界各国は報じた。大日本帝国は大泉総理が緊急記者会見を開き、著しい名誉毀損であり到底受け入れられるものでないとして、発言の取り消しと謝罪を要求した。ロシア連邦とイランも同様の記者会見を開き、亜細亜・中東・アフリカ各国も支持する声明を発表した。ヨーロッパと南米の一部からも悪の枢軸発言を疑問視する声が相次ぎ、結束の乱れが現れ始めた。そして遂には大日本帝国に於いても反米デモが行われた。反米デモはロシア連邦とイランでも行われ、国民感情に於いても対立は決定的となった。

大日本帝国はこの事態に驚きの一手を打つ事を決めた。イランに対して亜細亜条約機構への加盟を提案したのである。大日本帝国とイランの関係は良好で特に対立する要素は無かった。湾岸戦争でイラクを徹底的に攻撃した大日本帝国に対して、イランは好感さえ抱いていた。その為にイランは亜細亜条約機構への加盟提案を受け入れ、最高指導者・大統領・議会全てが賛同し、亜細亜条約機構も緊急総会でイランの加盟を承認。2002年2月1日にイランは亜細亜条約機構へと加盟した。

この事態はアメリカ合衆国も想定しておらず、悪の枢軸は文字通り完成したと更に非難した。しかしアメリカ合衆国の非難は国内の反日感情を高めるだけに留まった。そしてここに至り、南米各国がアメリカ合衆国の方針を問い質す事態になった。南米各国は声明を発表した。アフガニスタンでのアーカイダとタリバーンに対するテロとの戦いはどうするのか、大規模地上戦は終わり国際治安支援部隊が展開しても未だにタリバーンとの小競り合いが続いている事、それなのに大日本帝国との対立を深めてアメリカ合衆国の真意は何処にあり何が目的なのか、このままでは大日本帝国の非難通りアフガニスタンの復興は成し遂げられない事、大日本帝国との対立を解消して亜細亜条約機構等の大日本帝国側の国々を引き入れて国際社会としてテロとの戦いに集中するべきだ。そのような内容の声明であった。この南米各国による声明は大日本帝国を始めとする、亜細亜・中東・アフリカ諸国が称賛の声を送った。特に大日本帝国はここぞとばかりに、アメリカ合衆国の傍若無人を非難し、今こそ南米各国の声明通りに国連を中心に国際社会が一致団結する時だと、大泉総理が記者会見で語った。国連も面目躍如と事務総長が久しぶりに活発な動きを見せた。

しかしこれは大いなる茶番でしか無かった。この南米各国による声明発表後も、国連では緊急総会が招集されたり招集される動きが無かった。安全保障理事会常任理事国も米英仏が既に国連を無視してアフガニスタン攻撃を行い、残る日露はテロとの戦いは支持しただけで静観を決め込んでいた。活発に動いていたのは国連事務総長だけであった。この事態に事務総長は悟った。もはや国連は意味を成していない、と。安全保障理事会常任理事国の日露米英仏5大国は、立場は違えど国連を無視する事で共通点があった。南米各国の動きも茶番でしか無く、ただ単に大日本帝国とこれ以上は対立したくない為の保険だと事務総長は理解した。それを大日本帝国は十分に理解した上で、賛同しただけだと。

そして事務総長は更に大日本帝国の罠にも気付いた。アフガニスタンの復興が出来ないと言いつつも国連を無視している以上は、アフガニスタンを犠牲にしてアメリカ合衆国以下有志連合諸国を泥沼に突き落とそうとしている事に、であった。既にNATOが中心になって国際治安支援部隊がアフガニスタンに展開しているが、タリバーンとアーカイダの残党による散発的な攻撃を受けている。パキスタンにアーカイダのリーダーが逃げ込んだ為に、アーカイダは勢力は衰えたが未だに組織は健在であった。NATO側は死傷者数が少しずつ増大していき、各国は増援を派遣せざるをえない状況であった。

国連事務総長は自らがピエロにされていたのだ。

悪の枢軸がイランなのは間違いではありません。イラクは湾岸戦争で大日本帝国が徹底的に攻撃した為に、軍事力は大幅に減少しています。


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