伝えられる「真実」
「私が、ここに来たのは、お前のこと以上に、田森という者に関係あるのだ」
北田
「!?」
老人は、続けた。
「私は、お前たちが俗に言う、『神』『悪魔』『聖霊』『宇宙エナジー』といった類いじゃ。こんな姿で、お前の前に来て話しているがの・・」
「本当かよ!?・・」
老人は笑って話を続ける。
「今の、お前の状態が示しているじゃろ。話を戻すぞ。あの田森じゃが、あいつは、もう人を超えた存在、まさしく超人なのじゃ・・」
北田
「え!!?どういうことだよ!」
老人は、静かに話を続けた。
「あやつは、幼少より、常に自分を向上させる努力をしてきた。それを、今の今まで続けておる。それは、お前の知ってのとおりじゃ。奴の家族より、お前のほうが、分かっておるはずじゃ。
いいか、よく、聞け。田森、奴は、もう何度も死んでおるのじゃ。成人してから・・」
北田
「え!!??」
老人は続ける。
「昔で言えば、過労死に近いかのう・・そして、何度も無茶な頑張りをして、病死、事故死になっておるのじゃ。ただ、奴は、現実世界で私が、何度も、生き返らせておる。そう、私は、奴が、どんな人間かを知っていて、敢えて、それらが、あった後に何事もなかったように、仕向けておるのじゃ。つまり、田森が死ぬ度に、その原因を消して、普通に生きているようにしているのじゃよ・・」
老人は、北田の顔を見て、話を続ける。北田は、その意味を何となくだが、大まかに理解していることを確認したのだった。
そして、話を続けた。
「つまるところ、田森は、自分の極限を越えて生きておる。そして、その真価は誰にも理解されないのじゃ。誰も、田森のいる、ところに、到達できない。届きもしていないのじゃ。田森が、この世界で驚くような成果を出していないのは一見、ただ、奴が、お前の言うとおり、その能力がないだけ・・となっておるが、その実、逆なのじゃ。奴は、もう、この世界の規程には、収まっていないのじゃ・・」
老人は、沈黙した。北田は、話を聞き終えて、ただ唖然としていた。そして、頭の中では北田の知る限りの田森の姿、今までの一緒に共有した出来事、言動が、走馬灯のように廻っていた。




