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student  作者: 鞠子
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第一話

来年16歳になる予定の私は朝の日差しに包まれぐっすりと眠っていた。








「鈴音起きなさ〜い!」




お母さんのいつもと変わらない声で目が覚めた。


また学校か・・・と思ったけれどよく考えなくても今は春休み。






じゃあ今日は何の日だよ・・・。




眠い目をこすりながら私の足はリビングへ向かっていた。






朝の日差しを浴びているリビングは朝ごはんのいい匂いでいっぱいだった。




「お母さん、今日なんかある日だったっけ?」





今私の一番の疑問をお母さんに聞いた。



「今日は高校の見学でしょ?」








そうえばそうだった。






私は将来何になろうか。




殆ど考えてなかった私は将来性のある高校にとりあえず入った。






今日はその高校の見学日。興味なかったから(自分の事なのに)忘れてた。





「ほら、早く食べないと!」



「鈴音ちゃんの行く高校の見学だもんね!」




お母さんは私が見学に行くのが楽しみらしい。

(自分の事じゃないのに・・)






ご飯をガツガツと口につっこんで私は「いってきます!」

と言って家の扉を勢いよく開け、高校への道を走っていった。










今日は結構遅くまで寝てたから遅刻かもしれない。

見学の日から遅刻はヤバイ。



私は早足だった足をもっと速く動かした。











高校の屋根の部分が見えるくらいまで近づいてきた。

遅刻していない事を祈りつつ私は校門へと近づいていった。









見学する新・一年が座って並んでいるのが見えた。

(遅刻したかな・・・・?)




しかしその様子を見ている限りではまだ人同士が喋っている。

(たぶん・・大丈夫かな・・?)



そう考えつつ列の最後尾らしき所を探した。







私がキョロキョロしていると皆より一回り小柄で可愛い感じの子が手を振っていた。



「こっちこっち!」




この子との面識は全くない。しかし私に手を振っている事は確かだ。



「ここに座ればいいかな?」

人見知りがまじった声で私は言った。



その子はニコニコして頷いていた。


私はその子の後ろに座った。


「名前、なんていうの?」

その子は笑顔を絶やさずに聞いてきた。



「えっと・・・水無月・・鈴音・・です」


「みなづきすずねちゃんか〜・・かーわいーい名前〜!」

その子はそう言って何度も頷いていた。


「私は綾瀬川 奈津華! なっちゃんでいいよ!」




あやせがわなつか・・・私はその名前を何度も心の中で繰り返した。



「よろしくね!すずちゃん!」



なんだかいつの間にかあだ名がついてますよ。




高校への不安の一つだった「友達」はすぐ解決した。

そんな事を考えていたら担任の先生らしき人達が私達の前に出てきた。





先生が出てきたら一瞬で周りが静まり返った。



「皆さん、始めまして!今日は・・・・・・・・・・・・・






先生の話が長くてそっから先は覚えてない。



私がボーっとしているのをやめた頃に先生は言った。




「では、後は高校の中を自由に見学してください!」




自由にと言っても行動範囲は限られていた。

でも自由に見れるならそれはそれでいいかも。



「すずちゃん、一緒に見学する?」



なっちゃん(奈津華ちゃん)は私を早速さそってくれた。







なっちゃんは私の手を引っ張っていろんな所を回ってくれた。







・・・ん?なっちゃん妙に高校の案内上手い気がする・・・・





「え?だってここ、お父さんが作ったとこだよ?」


なっちゃんはキョトンとした目で言った。






そうえばこの高校の名前って・・・





「綾瀬川学院・・・」





オイオイオイオイ・・・。



確かに気づかなかった私もおバカだけど・・・




「そんな事いいじゃん、行こ!」



なっちゃんは相変わらずニコニコして私の手を引っ張った。








私は一体どんなお友達ができたのでしょうか・・・









第一話・終わり(続)

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