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ランチタイムに、グラウンドに行く

作者: WAIai
掲載日:2026/07/22

ランチタイムとなり、私はご飯を食べる前に、彼のところに行く。


「どうした? 外に買いに行くのか?」

「違う!! グラウンドに行こう!!」

「え? 何で?」

「有名人が来ているんだって!!」

「そんな話、聞いていないぞ」

「いいから行こう」


彼の腕を引っ張り、私はグラウンドに向かう。


外は太陽が大暴れするように、熱い手を伸ばし続ける。

どっと汗が出てきたが、それよりも有名人に興味をもった。


白い作業着姿の男性。

40代くらいだろうか。


ペンキを大きく広げた紙にぶちまけたりして、楽しそうにしている。


私はキラキラ瞳を輝かせ、彼の腕を嬉しそうに揺らす。


「私達もやらせてもらおうよ!!」

「え!? 俺達、制服姿だぞ!?」


私は彼に指摘され、動きを止める。


「あ、そうか。ジャージで来れば良かった」


私は残念そうに指をぱちんと弾く。

むーっと悔しそうな顔をしていると、彼が頰を突っいてくる。


「何?」

「可愛い顔でいろ。分かったか?」

「え…。私、ひどい顔をしていた?」


彼が肯定したので、私はガーンと音がしそうなくらいショックを受け、スカートのポケットに入れた鏡を使う。


「えっと、えっと、大丈夫!!」


スマイル、スマイルと意識すると、やはり好奇心が勝つ。


「少し一緒にやらせてもらおうよ。楽しそうだし」

「汚れない程度にな。あんまりひどいと、母親に怒られる」

「分かった」


私は嬉しくて、腕を振るうと、筆を使っている男性に声をかける。


「あの!! 私達もまぜてください」

「え? 何? 興味あるの?」

「あります!! 本当に少しでいいので」


私は両手を合わせ、男性に頼み込む。

彼が横から、

「どうしてもやりたいって聞かないので、お願いします」

と言うと、男性は腕を組み、うーんと唸ると、私達を交互に見てくる。


「彼氏と彼女?」

「そうです」

「いいね、青春、しているね」


男性は少年のような笑顔を浮かべると、ペンキなどを顎で示す。


「いいよ、少しだけなら。そこのペンキや筆を使って」


いたずらする子どものように、楽しく言ってきたので、私と彼は素直に喜んだのだった。


「ペンキを思いっきりぶちまけたいです」

「何? ストレスでもあるの?」


目を細める男性に、私は負けじと見つめ返す。

何か試されているような気がして、ここは挑戦にのるべきだと判断する。


「よーし!!」


私は手を挙げると、ペンキの入ったバケツを持つ。


「うおりゃあ!!」


何も考えず、紙にぶちまける。

その気持ち良さといったら。


まるで太陽が紙にまで伸びてきたような赤色。


見ているだけで興奮してくる。


彼は少し躊躇していたが、私がはしゃいでいるのを見て、ペンキに手をつける。


青色は空よりも濃く、強烈なものとなり、私は彼もやるなとにやりと笑う。


「ライオンさん、ライオンさん、もっと派手にやろうよ」

私はそう言うと、制服が汚れても構わなかった。


彼は冷静になろうとしているらしく、私をじっと見てきたので、「早く!!」と手招きする。


「その歳で遠慮しない」


男性にも発破をかけられ、彼は「よし」と腹をくくったようだった。


「イェーイ!!」


彼がペンキをぶちまけると、大きな人の顔に見える。


「うわ、楽しい!!」


彼の言葉に、男性が声を立てて笑う。


「楽しまなきゃ。時間がもったいない」

「はい!!」


彼の楽しい姿を横目に、私は靴下を脱ぎ、足跡を作っていく。

本当に3、4歳に戻ったかのように、自由にアートしていく。


楽しい、楽しい、楽しい!!


心の声が紙の上に表れる。

そのうち、皆が集まって来たので、男性は声を張り上げる。


「皆、楽しもうぜ!! 好きにしていいよ!!」


わあっと人だかりができたので、私と彼は隅に移動する。


「ああ、気持ちが良かった」

「そうだな。お礼を言うか」


男性は作業着自体がアートのようで、目立っていた。


「ありがとうございました。楽しかったです」

「それは良かった。また遊ぼうね」


手を振られたので、私と彼も笑顔で振り返す。


「皆、来たから、ご飯を食べに行こう」

「その前に、うさぎさんの肌と足を洗ってあげないと」


私の色づいた腕と足を見、彼があははと笑う。


「またやろうか」

「おう!!」


2人で男性に頭を下げると、その場を後にしたのだった。




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