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~ついてシリーズ

数十億もいたのに絶滅した鳥「リョコウバト」について

作者: 宗徳
掲載日:2026/02/03

リョコウバト(Passenger pigeon)

別名:空飛ぶ食料


概要

リョコウバトとは、かつて北米大陸を「鳥で覆い尽くす」という、現代の環境保護団体が聞いたら即日卒倒するレベルの生態系チートを行っていた鳩である。


その数は数十億羽とも言われ、当時のアメリカ人は「空が暗くなった?日食かな?」と思ったら全部リョコウバトでしたという、もはや自然現象と区別できない存在感を誇った。


しかも19世紀当時の世界人口が10億人と呼ばれているのに対し、リョコウバトの一群は20億羽にも達したというのだからその規模感は半端では無かった。


しかし、そんな圧倒的物量を誇った彼らにも、

たった一つだけ致命的な弱点があった。

それは――


”美味すぎた”


この一点である。

味の暴力。旨味の暴走。

19世紀アメリカ人は、彼らを見てこう思った。


「こんなにいて、しかもこんなに美味いなら、狩らない理由がない」


こうして、リョコウバトは“食欲”という名の大量破壊兵器の前に散った。


【特徴】

・群れの規模は常軌を逸していた

群れの長さは数百km。通過に数時間。

つまり「空が暗い=天気ではなく鳥」

もしも気象庁が存在していたら「リョコウバト群接近警報」を出していたであろう。


・繁殖力が高いようで低いという詐欺仕様

「数十億もいるんだからさぞ繫殖力も性欲も強いんでしょ?」と言いたくなるでしょう。

しかし、数十億も繁殖しているからこそ、

彼らには”種の保存”という生物の基本的な感覚がマヒしていた。


この「数十億羽いるから余裕でしょ」という慢心が、後に“絶滅RTA”を引き起こす。


・飛行速度が速すぎる

時速100km以上。

つまり「高速で移動する高級食材」。

しかし当時のアメリカ人にとっては、

走ってる牛を追うより捕まえやすかった。


【人類との関係】

狩猟:胃袋が文明を破壊した瞬間

リョコウバトは大量にいて、しかも美味かった。

この2つが揃った結果、アメリカ人は完全に理性を失った。


・撃てば落ちる

・網を振れば入る

・棒を振れば落ちる


そして何より、”焼けば旨い”


この“完全無欠の食材”を前に、

当時のアメリカ人は文明人の皮をかぶった捕食獣と化した。


さらに鉄道と電信が「リョコウバト位置情報共有ネットワーク」としてフル稼働し、

「群れが来たぞ!」→「全員集合!」→「全滅」

というムーブが繰り返された。


つまり、もし絶滅していなかったら

イッテQが宮川大輔を派遣しそうなほど、お祭り騒ぎだったのである。


【絶滅】

1914年、最後のリョコウバト「マーサ」が死亡。

こうして、かつて空を覆った数十億羽の鳥は、“美味すぎた”という罪によって完全に姿を消した。


人類は後になって「やりすぎたかもしれない」と反省したが、

胃袋が満足した後の反省ほど無意味なものはない。


【まとめ】

リョコウバトとは、

「無限にいると思ったら有限だった」

という、資源管理の教訓を体現した鳥である。


そして彼らの物語は、現代人にこう語りかけている。

「調子に乗ると絶滅するぞ」

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 知りませんでした。 そんなにおいしい肉だったとは……! 唐揚げにしたら、どれほどおいしかったのでしょう? 焼き鳥にしたら、どれほどお酒がすすんだのでしょう? 親子丼にしたら……。 ああ。…
リョコウバト絶滅の経緯はまさに悲劇であり、さまざまな教訓になりますね。 しかしそれでもなお「どんな味だったんだろう」という思いも少なからず抱いてしまうことに、自分自身の罪深さを感じます。
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