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第8話 クロード帝国の現状と前世の記憶持ちを陛下に話す。



 陛下が書類の仕事を一段落して。


「S級冒険者と奴隷を側近にしたようだな」


 まだ報告もしていないのに陛下がS級冒険者と奴隷を側近にした事を知っているのに驚いて思わず。


「何故、知っているのですか? 」


「ハッハッハー! 驚いたか。余の諜報網を侮るな。大概の事は知っているぞ」


「それなら奴隷から側近にしたバースの父親が冤罪で処刑されたのも知っているのですか?」


「知るのが遅くて残念な事をした。そのことも含めて今の我が国の現状を知っているか」


「残念ながら分かりません」


「そうか。ソロソロ知っておいても良い頃だ。公爵が4人いてその4人の派閥が最近、次の皇帝を巡って水面下で争いが激しくなっているようだ」


「次の皇帝にはアルド皇太子に決まっているのではないのですか」


 それから陛下が話した事は、次の皇帝にはアルド皇太子に決まっているが、陛下が長生きなのでアルド皇太子は40歳なのに皇帝に就くのが遅く、アルド皇太子を支持する派閥が水面下で陛下を引退させようと動いているらしい。


 イルマ第2皇子は皇帝になる気はなく芸術と女遊びに夢中で、ウイル第3皇子は密かに次の皇帝を狙っていて後見人のダマス・ドリン公爵と派閥の拡張に励んでいる。


 クルト第4皇子は武術に夢中で本音は分からない。


 クロード帝国は小さな国を攻めて併合して北大陸で最大の国になったが、併合した地域が不穏な動きをして各地で反乱が起きている。


 我が国に次ぐ軍事力のあるバスタ王国とログラン皇国も我が国の領土を狙って軍事力を拡大しているらしいのだ。


 俺は陛下の話を聞いて驚き、いかに自分がのんきに暮らしていたか反省していると陛下が。


「リオンが15歳の成人までは知らせないで置こうと思ったが、お前は10歳と思えない知識と実力があるのでソロソロ兵を増やして余を助けてくれんか」


「分かりました。期待に添えるように頑張ります。私は軍事力を付けるのも大事ですが国民が増えて豊かにならない事には国力が上がらないので、死亡率を減らす為の政策も必要ではないのですか。それと言いにくいのですが奴隷制度は廃止して教育をして読み書きのできる人を増やした方が良いと思います。国民が増えて良い人材が多くなり、生活力が上がれば国力も上がり税収も増えて軍事力にお金を回せて敵国の抑止になると思います」


「何と! リオンはそこまで考えておるのか。分かった。奴隷制度は反対する貴族が多いが何とかしてみよう。その他に何かあるか?」


「死亡率を下げる為に予防医学と衛生管理を徹底させ、インフラを充実したいので最初に水道と下水を作りたいのですが」


「水道は分かるがインフラ? 下水? だと、どんなものだ」


 俺が病気の元になる不潔な街の事を説明してインフラと下水の話をすると陛下は。


「リオン、どうしてそんな言葉や知識を持っているのだ。書物にも書いていなく余でも知らない事ばかりだ」


 しまった! やってしまった。前世の知識で話してしまった。


 俺が答えに困って黙っていると陛下が。


「リオンはわずか半年で剣でも師匠のシモンに勝つ実力をつけて魔法も4つの魔法を使え、S級冒険者の師匠のリンダを越えたそうだな。今日は此の国の実情を知ってもらうのもそうだが、お前はまだ10歳の子供なのに何故そんな知識と実力があるか不思議に思い、知りたくて呼んだのだ。話すのが嫌ならそれでも良いが、良かったなら話してくれんか」


 陛下はこの世界で俺が1番信用できる人物なので前世の記憶を持っている事を話してもしかしたなら、追放か最悪処刑されるかも知れないが、覚悟を決めて全てを話す事にした。


「陛下、いや、父上として俺の話を聞いてくれますか」


「分かった。皇帝としてではなくリオンの父親として聞こう」


 それから最初に前世のこの世界と違う文化と科学の進んだ日本の記憶を持っている事と医者だった事、自分の今のステータスを紙に書いて渡すと陛下は大声で笑い。


「ワッハハー! 凄いな。まさかアマリア女神

様の加護持ちで神の目といわれる鑑定魔法も使えるのか。何故、今迄黙っていたのだ」


「前世の異世界の記憶を持っているのを話したなら気味が悪いと思われて追放か処刑されると思って話せませんでした」


「馬鹿な事を申すな。前世の記憶をもっている者は沢山いるぞ。異世界の記憶を持っているのは初めて聞いたが、余はそんなことは気にせん。かえって喜んだくらいだ」


 陛下の言葉に俺は今までの悩みは何だったのだと思い拍子抜けしたのだ。


 その後、2時間ほど陛下と話、水道と下水の工事をする許可と予算を貰い離宮に帰ったのである。


読んでいただきありがとうございました。

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