第45話 リズの視点からの話
私は、今は皇妃でリズと言います。
ハイネ公爵家の長女と生まれ父親は帝国軍の将軍で私も小さい時から兄と一緒に剣の稽古、馬術をさせられ厳しく育てられました。
そのせいで少しお転婆に育ちました。
それ以外は何不自由のない生活を送っておりましたが、私には家族にも言えない秘密がありました。
それは前世の記憶があることです。
前世では地球の日本で生まれ30歳で死んだ記憶です。
前世では平凡なサラリーマンの優しい両親に恵まれて育ちました。
そんな私は思春期の中学生の時に恋をしたのです。
私は勉強も出来自分で言うのも何ですが美人で男性から人気があったのですが、金持ちのボンボンの男子から告白され断ったのです。
その男子は断られたのを根に持ち、私を虐め始めある日に生意気だと言って殴ろうとしたのです。
その時、別なクラスの男子が止めに入り私を助けてくれたのです。
その男子の名前は清水卓也と言い、小さい時に両親が病気で亡くなりこの街に住んでいる祖母に引き取られて育ったと聞いていました。
彼は勉強も出来て生徒会長もしている。
そんな彼を好きになった私はクラスが違うので話す機会もなく卒業式を迎え、卒業と同時に彼はこの街にいなくなったのです。
私は彼の行方が知りたくて彼の祖母を訪ねて聞いたところ、医者になるためにアメリカにいる親戚の叔父さんに引き取られて行ったと言われたのです。
私も彼と同じ医者になろうとしましたが、医者になるにはお金がかかるので東京に出て看護師の道を選びました。
30歳になるまで何人かの男性と交際しましたが、最初に好きになった清水卓也君と比較してしまい直ぐに分かれてしまい、上手くいかないのです。
そんな時アメリカの予防医学の有名な医者の講演があると聞き参加した所、講演したのは清水卓也君だったのです。
講演は素晴らしく感動しました。
その2カ日後に田舎の街で中学時代の同窓会に参加すると私に告白した金持ちのボンボンが清水君を中卒だからとバカにしていたので私は本当の事を言ってあげたのです。
久し振りの彼は立派になっていて私とは釣り合わないと感じたのですが、東京に帰る時は一緒の電車で、私は思い切って食事誘った所一緒に行くことになり。
当日は精一杯おめかしをして行き彼に何と告白をされて天にも昇る気持ちでした。
1年の交際後、私たちは結婚したのですが、結婚式の当日アメリカに向かった飛行機が車輪の故障で胴体着陸に失敗爆発炎上して私たちは死んでしまったのです。
気が付くと此の世界の赤ちゃんに生まれ変わっていたのです。
5歳の時に熱を出し2カ日間寝ている時に前世の記憶が戻った時は信じられずにパニックになりましたが、落ち着くと5歳の子供が、それも此の世界より文明の進んでいる世界の30歳の記憶を持っているのを隠すのに苦労しました。
私が13歳の時、健国際のパーティーで以前からお父様から下水道を整備し、医療にも詳しく皇都を綺麗で清潔にした天才で神童と呼ばれている、第5皇子リオン様にお会いできるのを楽しみにしておりました。
お会いすると薄緑のブロンドの髪、青い瞳の綺麗な顔で令嬢たちが夢中になるのも分かりました。
短い時間でしたが皇子なのに偉ぶらず何故か私を見て恥ずかしそうに、それでいて誠実そうな人柄に好感が持てました。
そのリオン様との婚約を陛下から申し込まれた時は驚きました。
私はこれまで何回も婚約を申し込まれていたのですが前世の旦那様の事が忘れられずに断り続けてきたのですが、貴族は政略結婚が殆どでいずれは私も政略結婚をしなければいけないのでこの間、会って好ましいリオン様との婚約を受け入れたのです。
その後に皇居のバラ園を散歩している時に私が治癒魔法で転んで膝を怪我したのを治すと聖魔法を使えるとリオン様が言い、信じない私に、自分のステータスを言い最後に前世の記憶があり、前世は医者で飛行機事故で死んだと聞いた時、私は前世の旦那様の名、卓也と叫んで抱き着き私は瞳よー、と叫んだのです。
リオンも私が前世の妻の瞳だと分かると奇跡の巡り合いに感謝したのです。
その後、私はリオンと結婚して子供もでき幸せに暮らしているのに、カンボナ王国が戦争を仕掛けて来て皇帝の私の旦那様は戦地に行っています。
旦那様は此の世界で最強の魔法使いなので敵に勝てると信じていますが、無事に私の元に帰って来るのを願う毎日なのです。
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