第43話 夢ランド
リズとイルマは夢ランドの建設に夢中でもうすぐ完成する予定だ。
皇都から馬車で1時間くらいの何もない荒れ地に建設をしているが、交通手段にビヨンドに頼み列車を走らせることにしてもう列車は完成していつでも開業できる状態になっている。
今は最後の追い込みの施設の建設と働く従業員を教育している状態だ。
リズは従業員の接客の指導をしている。
この世界で初めての娯楽施設なので住民は建設中から見に行き楽しみにしているようだ。
施設が完成して見に行ったが、この世界らしく魔法館があり色んな魔法を使ったアクロバットを見せるそうで子供が喜びそうだ。
勿論、巨大なジェットコースターがあり、その他に子供が喜ぶメリーゴーランド、観覧車、お化け屋敷、空中ブランコなどの遊園施設が作られている。
演劇を上演する劇場もあるので大人も楽しめるだろう。
リズがイルマに文句を言っているので聞くと、宿泊施設と食事をとるレストランが少なすぎるとリズが言い、イルマが今でも多すぎると言い合っていたが、結局リズの言い分が通り、追加で宿泊施設とレストランを追加で増やす事になったみたいだ。
開業の1カ月前に予約券を発売したが、列車が通ったこともあり遠くからの人からの予約も殺到して宿泊施設が満席になりリズがイルマに。
「だから私が宿泊施設もっと増やすように言ったのに責任を取りなさい」
「分かった。今から俺も建設省の職員を手伝って急いでホテルを建てるよ」
その後に建設省の職員に交じって土魔法を使えるイルマが慣れない土魔法に泥に塗れて建築現場で働いていた。
イルマと言い、ウイルは警備長官としてクルトは軍務副大臣として皇帝の俺を支えてくれている。
イルマは女遊びを止めて私的な集まりの時に。
「1番年下のリオンが頑張っているのに俺たちが遊んでいるわけにはいかないだろう。協力しないと国民から馬鹿皇子と言われるからな」
笑いながら照れ隠しで言っていたが優しい兄上たちに感謝している。
色々あったが夢ランドがいよいよオープンして初日は大勢のお客様で入場制限をしたほどだ。
俺もタクミを連れて家族3人で来ている。
リズは1番にジェットコースターに乗ってまるで子供に戻ったみたいにはしゃいでいる。
タクミも始めて乗るジェットコースターに最初は怖がっていたが慣れると大声で騒いでいるが、俺はジェットコースターは苦手で目をつむって時間が過ぎるのを待っていたのだ。
お化け屋敷ではタクミは怖くて泣き出してしまった。
演劇劇場では奴隷だった男性が最強のS級冒険者になり、王女と恋に落ちて王女は父親の国王に結婚を反対されてS級冒険者と駆け落ちする。
子供が出来て父親の国王は結婚を認め男の子供のいない国王は、S級冒険者を次期国王にして最後はハッピーエンドになる物語を上演していた。
俺はそんなに良い物語と思わなかったが、やはり恋愛ものは女性には人気があるのか、劇場前には次の入れ替えのお客が長蛇の列を作っていた。
リズが看板を見て。
「面白そうね。見てみようかしら」
俺は即座に。
「止めておけ。タクミが退屈するだろう」
「そうね。でも此の世界の演劇はどんな感じか興味あるわ」
「暇な時に1人で来たら良いだろう」
「あら、リオンは一緒に来てくれないの」
「俺は政務が忙しいから無理だ」
「たまにはデートしてくれても良いでしょう」
「分かった。暇ができたら一緒にくるよ」
何だかんだ言ってもリズに逆らえない俺なのだ。
最後は夕闇の観覧車で綺麗な夕焼けを見ている頃にはタクミが騒ぎすぎて疲れたのか眠ってしまった。
その後も夢ランドは大勢のお客が押し寄せて毎日入場制限するほどだ。
イルマは大勢のお客さんに驚き感激して。
「こんなに娯楽に飢えていたのか。よーし、地方の街にも娯楽施設を立ててみせるぞ」
イルマはやる気を出しているので文化大臣にしてみようか。
やはり娯楽が少ないのでトランプ、将棋、碁、オセロゲームを発売したが何故か将棋が1番売れている。
オセロゲームが1番売れると思ったが、将棋は奥が深いと人気があるのだ。
スポーツもサッカーと野球にテニスを教えたがサッカーが、1番人気で次がテニスで野球はそれほど人気が無く余り広まらなかった。
夢ランドを開業してから数日後、アヤナが通信機で連絡してきて。
「カンボナ王国が自国の砦に兵士を増やしています。帆船も集まっていて侵略を始めそうな感じです」
「分かった。クルトには連絡したのか」
「はい。連絡いたしました。クルト様は戦いの準備をしています」
カンボナ王国はやはり兵士を船で運ぶみたいだ。何処に上陸する気なのだろうか。
国交がないので宣戦布告をしないで戦争を始める気なのだろうか。
俺は各大臣を集めて緊急会議を開いたのだ。
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