第41話 蒸気船
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それからも俺と側近たちは暇を見ては魔法の訓練を続けている。
ラオスは宰相として行政手腕も優れていて俺を助けてくれているが、剣の腕も剣聖に恥じない腕で100人の兵士が相手でも負けないだろう。
幼馴染の伯爵令嬢と結婚して1男1女の良き父親だ。
最近は火魔法で100m四方を焼け野原にするほどの炎を放っている。
バースも剣豪で剣の腕は1流で今ではリンダも魔法では勝てるが剣では勝てない。約束通りリンダはバースの奥さんになり良い姉さん女房になっている。
リンダは世界に3人しかいない元々凄腕のS級冒険者で実力者だ。
バースも水魔法を極めて氷の槍を1度に50本同時に撃てるようになっている。
アヤノは未だに独身で諜報部の責任者として頑張っている。
側近ではないが魔道具作り職人のビヨンドは俺の協力者として欠かせない存在で蒸気列車を皇都からデルタ街まで走らせ、北大陸の北都市に向かって線路を伸ばしている。
列車は弟子に任せてビヨンドは蒸気船を作っている。
ビヨンドに鉄の船を作るように言ったが作り方を教えてほしいと言われて来たが、俺の顔を見るなり。
「陛下、鉄の船が浮くのですか」
此の世界では船は木造船だけなので鉄で作った船が浮くのは信じられないのだろう。
俺は浮力の説明をして1mくらいの船を鉄で作って浮かせると。
「本当だ! 鉄が浮いている」
「どうだ。これで、鉄で作っても浮くことが分かっただろう」
「分かりやした。後は任せて下さい」
もしかしたら魔石を爆発させられないかと思い。
「ビヨンド、魔石を爆発させられないか」
「魔石を爆発ですか? 作業中に偶然爆発した事はありますが、爆発させた事はありません」
「どんな時に爆発した」
「衝撃を与えた時ですがそれがどうかしました」
「意識的に衝撃を与えたならやはり爆発するのか」
「やった事はありませんが爆発すると思います」
魔石は魔力を含んだエネルギーの塊でそれを兵器に出来るのではないかと考え、ビヨンドから魔石の破片を貰い。
近くの広い空き地で破片を投げつけてみた。
すると破片は爆発して5mくらいの浅いクレーターが出来たのだ。
破片でこの威力なら大きな魔石を使って兵器を作ったなら大勢の人が死ぬだろう。
戦争とは言え大勢の人を殺すのは嫌なので兵器にするのは止めて、破片を手榴弾のように使うことにした。
その晩にリズにカンボナ王国の事を聞かれたので。
「カンボナ王国は火薬を開発して爆弾を持っているらしい。我が国は火薬を作れないので困っている」
「あら、私、火薬を作れるわ。高校生の時に授業で作った事あるのよ。火薬で作った爆弾なんてリオンの流星魔法に比べたなら玩具みたいなものよ。リオンにケンカを仕掛けるカンボナ王国は子供が大人とケンカするみたいで負けるのに可哀想ね」
参った! リズが火薬を作れるとは思わなかった。それにリズにかかると戦争がケンカに例えられたぜ。
2か月後にビヨンドから蒸気船が出来たとの連絡を受けて見に行くと。
全長50m、幅15mのこの世界で1番大きな船でこれなら無理をすれば5、000人は乗れるだろう。
ビヨンドが自慢気に。
「早く出来たでしょう。急いでいたので今回は中身を木造で分厚い鉄板で覆っています。此れなら海の魔物に襲われても大丈夫ですぜ」
そういえば海にも10mくらいの大きい魔物もいるが、この船なら大丈夫だろう。
もう3隻あれば、カンボナ王国が兵士を帆船で運んで我が帝国に上陸しようとしてもこの船なら阻止できるので安心出来る。
「ビヨンド、もう3隻あればカンボナ王国が侵略してきても追い返す事が出来るので無理を言うが作ってくれないか」
「分かりやした。急いで作ります」
2か月後には約束通りビヨンドが追加の3隻を完成させたのだ。
これでカンボナ王国の侵略に対する備えが万全になり、内政に力を注げるので安心だ。
最近は忙しかったので家族と過ごす時間が少なく帰ると夜も遅いので子供のタクミが寝ていて長いこと抱いた事もない。
今日は久しぶりに仕事を休み家族と一緒に過ごしている。
リズがタクミを俺に抱かそうとして。
「タクミ、パパのところに行きなさい」
「いや~。ママが良い」
最近言葉を話すようになり、俺の顔を見ない日が多いので嫌われて俺は悲しい。
リズが。
「パパは仕事が忙しいからタクミが好きだけど遊んで上げることができないのよ。だからパパに抱っこしてもらいなさい」
「うん、パパ抱っこ」
今までの皇帝は家族で過ごすことは無かったが、俺は普通の家庭のように過ごしている。
早く2人目の子供が欲しくて頑張っているがこればかりはどうしようもなくアマリア女神様に子供が授かるように願っている。
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