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第38話 蒸気列車



 魔道具を作るビヨンドが蒸気機関車を作るのが忙しかったのか久しぶりに来て。


「蒸気列車が南のデルタ街まで開通しましたぜ」


 余りにも早いので思わず大声で。


「うそだろう! 早すぎる」


「ワッハッハッハー! 驚かそうと思って途中の報告をしなかったのさ」


「いや~。驚いたよ」


「建設省の人たちが線路を敷くのが早くて俺もビックリしましたぜ、土魔法は凄いや、試運転はいつにします」


「10日後はどうだ。試運転が成功したら1か月後に盛大に開通式をやろう」


「試運転は必ず成功させやす」


「頼むぞ」


 いや~、驚いたぜ。こんなに早く蒸気列車を走らすとは。



 試運転をする前にビヨンドが機関部分を見せてくれたが、燃料は前世の石炭の代わりに魔石を使うので燃料を積んでいなく箱に入れた魔石が10個あるだけだ。


 魔石が10個だけなのでビヨンドに聞くと。


「魔石が1個で10時間は走れるので10個もあれば充分です。レールも工夫してスピードを出しても列車が浮き上がるのを防ぐので高速で走れますぜ」


 レールと列車の車輪には列車が高速で走っても浮き上がるのを防ぐ特別な装置が付けられていて、前世の車両よりも進んでいる。


 走り出すと驚いた事に思ったより速く走り時速60kmは出ているだろう。



 線路は直線でカーブがないのも安全で速く走られる原因だと思った。


 皇都からデルタ街までは馬車で5~6日かかるが、この蒸気列車なら朝早く出れば翌日の昼頃には着くだろう。



 今日は試験運転なので乗っているのは俺の他にどうしても乗りたいと言ったイルマと護衛のバースにリンダだけだ。


 列車はゆっくりと動き出し徐々にスピードを上げるとイルマが。


「凄い! 景色が飛ぶようだ! 夢ランドまでも走らせるのも良いな」


 リンダも驚いて年寄りみたいに。


「アタシはこんな乗り物は初めてだ。長生きはするもんだ」


 バースが。

 

「ええー! リンダさんはそんなに年でしたか」


 リンダがバースの頭を軽く殴り。


「バーカ! 女に年の事を言うんじゃない」


 2人の話を聞きながらリンダは確か35歳になるはずだが、初めて会った25歳の時と変わらない容姿で今でも綺麗なのに独身でいるので。


「リンダ、君は何故、結婚しないのだ」


「アタシは自分より弱い男は好きになれなくて陛下アタシを貰ってくれませんか」


「俺はリズ一筋だから無理だ」


「アーア、アタシは一生独身のままか」


 バースが真面目に。


「俺は年上が好きだから俺と結婚しないか」


「バーカ! バースはまだ25歳だろう。こんなおばさんより若い嫁さんを貰いな」


「俺は前からリンダさんが好きだから年の差は気にしない。それにリンダさんはまだ若いよ」


 リンダは小娘みたいに顔を赤くして。


「本気なの? アタシに剣で勝ったら考えてあげるよ」


「約束だぜ。必ず勝ってみせる」


 バースは剣豪で剣の腕は確かで最近は模擬戦ではリンダと互角なので年の差のカップルが誕生しそうだ。




 俺は窓の外の景色を見ながら此の世界に生まれ変わってからを振り返り、皇帝の末っ子の第5皇子として生まれ、上下水道を作り医療を発展させ皇帝になってからは内政を改革し色んな事があったが、何といっても前世の妻だった瞳と巡り合い再び結婚したのは奇跡だろう。


 そんな感慨に浸っていたが、列車は思ったより早く翌朝にはデルタ街に着いた。


 試運転は成功だが駅に着いて驚いた。ホームはあるが駅舎がないのでビヨンドに。


「ビヨンド、駅舎や改札口と切符売り場がないのはどうしてだ」


 ビヨンドが理解できないのか首を傾げて。


「え? 駅舎? 切符売り場?・・・・・・」


 どうやら分からいみたいなので説明をすると。


「本当だ! 此れじゃ営業出来ないや、突貫工事で作ります」


 やれやれ、開業を伸ばして乗務員や駅員を募集して教育をしなければいけない。誰を責任者にするかで頭を悩ました。



 来たついでに駐屯している軍を視察して、クルトの話を聞くと。


「砦も完成して今は兵士の訓練に力をいれています。南大陸にあるカンボナ王国の動きは依然として謎で本当に侵略する気でしょうか」


「諜報部も調べているが余にもわからんのだ。だが準備は怠るな」


 クルトの案内で砦を見て、此れならカンボナ王国が侵略してきても簡単には敵を通さないだろうと思った」。


 俺と側近のバース、リンダは空間移転して帰ったがビヨンドは駅舎作りの手配をするそうだ。


俺は開業する為の交通局を作り職員を募集して責任者を決めて職員の教育をさせなければいけない又、仕事が増えるな。


 そうだラオスに丸投げすれば良いか。


読んでいただきありがとうございました。

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