第36話 子供が出来て内政に力注ぐ
軍事の事は信頼できるショーンとクルトに任せて空間移転で各地を回り、内政に力を注いでいる。
そんなある日にリズが。
「リオン、私、子供が出来たみたい」
結婚してソロソロ2年になり周りから後継者を早く作る為に第2皇妃を迎えるようにうるさく言われていたので喜び。
「本当か! やったな。仕事を止めて安静にしていなくてはいけないだろう」
「生理がなくなって今3カ月だから妊娠して4カ月くらいで安定期に入ったから、仕事は減らすけれど続けるわ」
俺は、前世は医者だったので知識はあるが、心配でリズの仕事を減らして子供を安全に産める環境を整えた。
俺のアーニャ母上が普段は離れに住んでいるのに、初めての孫なので心配して毎日来て侍女が5人もいるのにリズの世話をしている。
リズは、前世は看護師なのでお産の知識があるので安心だが、俺は生まれて来る子供の為に一層この国を発展させるように内政に力を注ぎ、各地を空間移転で回り、各大臣と話し合い、指示をしている。
今日は教育大臣のアンナと新しく魔法専門学園を設立するための話し合いをしている。
俺の顔を見るなりアンナが。
「陛下、魔法学園を作るのは良いのですが、教師がいません」
「魔法部隊で怪我をして退職した者や年で引退した者がいるから、その者を教師に雇えば良いだろう。学長にはこの間、魔法団長を引退したバレンを就任させれば良いのではないか」
「でもバレンは年だからと言って引退したのに引き受けるでしょうか」
「以前は50歳から60歳までに亡くなる人が多かったが、最近は治療院が多く出来て若くして亡くなる人も少なくなって70歳以上まで生きる人が多くなっている。バレンはまだ55歳だろう。余の命令だと言って学園長に就任させなさい」
「はい、そのように致します」
アンナが去って直ぐに建設大臣アロンが来て。
「陛下、工兵隊を軍部から外して建設省の職員に配属してください」
「どうしてだ」
「今の儘では軍部と建設省の両方の仕事をして命令系統が2つに分かれて、工兵隊がどちらを先にするか迷っていて可哀想です」
「今、工兵隊は何人に増えている」
「現在300人います」
「大分増えたな。それなら100人を軍部に200人を建設省の職員にしなさい。それに募集して増やしなさい」
「分かりました。早速そのように致します」
側にいたラオスに文句を言い。
「ラオス何でもかんでも余に言ってくるな。宰相のお前が何とかしなさい」
「そう言いますが、各大臣は陛下と話したいみたいで私に言わないで直接陛下に言うので困っています」
「それを何とかするのが宰相の仕事だろう」
「はい、はい、分かりました。陛下はリズ様が心配で一緒にいたいのでしょう」
「返事は1回で良い。初めての子供が生まれるのだ。母親になるリズが心配なのは当たり前だろう」
話は変わるが、我が国は広いので僻地まで目が届かず盗賊や犯罪者が減らずに困っている。
警備長官のウイルを呼び状況を聞く事にした。
ウイルが来たので。
「僻地の盗賊や犯罪者が減らないのはどうしてだ」
「警備員が少ないので僻地までは手が回らないのが実情です」
「それなら警備員を増やせば良いだろう」
「それが警備員は危険な仕事なので募集してもなかなか集まらないのです」
「いまの警備員の給料はいくらだ」
「小金貨3枚の30万ルプです」
「危険な仕事のわりに少ないな。給料を小金貨5枚の50万ルプにして募集をしてみなさい」
「ええー! そんなに増やして財務は大丈夫ですか」
「最近は通信機の利益や税収が増えて国庫が増えすぎて、使い道に財務大臣が困っているくらいだ。心配するな」
「そんなに国庫が多いのですか。分かりました。警備員が喜ぶでしょう。それなら応募者も増えると思います」
ウイルも皇帝になる野望も全くなくなり今では良い俺の協力者になっている。
そんなある日にリズが陣痛が始まったとの連絡があり駆け付けた。
産室の前でオロオロしているとアーニャ母上が。
「陛下が産むわけでもないのに落ち着きなさい」
産室から「オギャー、オギャー」赤ちゃんの泣き声が聞こえて無事に生まれた。産室に入るとリズが。
「リオンに似たハンサムな男の子よ、抱いてみて」
赤ちゃんを抱くのは初めてなので恐る恐る抱いて顔を見ると、リズは俺に似ていると言ったがまだ生まれたばかりで内心、猿みたいと思ったが、生まれたのが男の子で、此れで跡継ぎが生まれて第2皇妃を娶れと騒がれなくて良かったと思った俺なのである。
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