表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/48

第35話 南大陸のカンボナ王国の不穏な動き



 通信機は売り出すと初めはそんなに売れなかったが、徐々に売れ始め使った人が良いので噂が広まりその後は飛ぶように売れ、今では順番待ちが出来ている程でビヨンドが自慢して。


「俺の言った通りでしょう。1割でも蔵が立つ程だ」


 蒸気車の試運転にはリズを始め側近のシモン、アヤノ、リンダ、バース、ラオスが車に乗る前に車を見て騒いでいて、バースが不思議そうに車に触り。


「馬が引かないのに走るのか。どんな仕組みなのだ」


 リズが説明すると、ラオスが。


「フ~ン、蒸気で走るのか」


 リンダがラオスに。


「アタシは分からないがラオスは分かったのか」


「いや分らん」


 分かったようないつもは冷静なラオスの頓珍漢な返事に皆が爆笑した。


 車に乗り走り出すと速度が馬車と違い速いのでビックリして普段、落ち着いているシモンが大声で子供みたいに喜び。


「ウワー! 凄い、凄い、速いぞ」


 他の皆も速いので驚いている。




 俺は空間移転で移動出来るので車はいらないが、10台を作り、馬車の代わりに皇都を循環するバスと、地方の主要な街の間に路線バスを走らせている。



 最初は、乗客は驚いていたが、速くて便利なので乗客が増えて今ではバスが足りない程だ。


 次は大陸を縦断する5から10両編成の蒸気機関車を走らせるつもりで計画を立てている。


 並行して蒸気船を作るつもりだ。


 その為に皇都の郊外に工場を建てている。ビヨンドなら必ず成功させるだろう。


 魔道具作りはビヨンドに任せて俺は内政に力を注いでいる。




 そんな時にアヤノの諜報部から南大陸のカンボナ王国が戦争の準備をしているとの知らせがあり、聞くと。


「前回の失敗に懲りて今回は化粧でカンボナ人にみえるようにして潜入しました。10日間滞在し、調べたところ軍備を増強して兵士が5万だったのに、倍の10万に増やしていました。何故だかは分かりませんが、戦争の準備をしている様子です」


「おかしいな。鎖国主義なら戦争などしないのに南大陸に他の国はないのだろう。それとも内紛が起きているのか」


「はい、調べた限りではカンボナ王国だけで内紛は起きていないと思います」


「まさか我が帝国を侵略するつもりなのか」


「分かりませんが、一応備えをした方が良いと思います」


「分かった。早急に軍部と相談してみる」


 まさか我が国を侵略する気なのか分からないが、全く困ったものだ。兎に角対策を取らねば。




 ショーン軍務大臣と今は軍務副大臣クルトを執務室に呼んで、サヨナから報告されたカンボナ王国の様子を話すとクルトが意見を言い。


「デルタ街に今は1万の兵士を駐留させていますが、5万に増強させて俺も、もしもカンボナ王国の侵略に備えてデルタ街に常駐しましょうか」


 ショーンも同じ考えで。


「もしもの侵略に備えてその方が良いでしょう」


 その後も話し合い、北大陸には我が国には敵対する国はないので南大陸のカンボナ王国の侵略に備えてクルトの案を取り入れて万全の対策を取る事にした。




 デルタ街の郊外に工兵隊に兵の宿舎を建てさせて、北大陸と南大陸を結ぶ細長い場所に砦を築き、兵士を常駐させて万全を期した。




 今では改革を進めて5年がたち、義務教育の学校も増えて読み書きや計算の出来る次代を背負う子供も増え、リズの努力で治療院も増え病気で亡くなる人も減った。



 各大臣が奮闘して農漁業や産業も盛んになり、失業者も減り我が国は以前に比べて大幅に進歩している。


 そんな進歩した平和な我が国を守る為に俺は皇帝として戦争は嫌いで我が国が侵略者になる気はないが、南大陸のカンボナ王国が侵略して来たなら、此の国と国民を守る為に全力で戦うつもりでいる。


 今のところカンボナ王国の内情は分からないが、本当に我が国を侵略する気なのだろうか。


読んでいただきありがとうございました。

★印を押して評価していただけると励みになるので宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ