第32話 結婚
バスタ王国とログラン皇国の戦争から2年が過ぎ俺は19歳になった。
北大陸を傘下に治め統一したが1年後に前陛下が亡くなり、名実ともに俺が皇帝として忙しい毎日を過ごしやっと落ち着いた。
そんなある日に母上のアーニャが来て。
「陛下、いい加減にリズさんと結婚して孫の顔を見せてください」
言われて俺も臣下から早く次の皇帝になる世継ぎを作るように言われていたので。
「分かった。結婚式をするよ」
アーニャ母上が喜び。
「いつにします。リズさんの用意をしなくては忙しくなるわ」
俺の事は放っておいてリズの衣装を作る為に仕立て屋を呼び寄せている。
リズには母親もいるのにアーニャ母上は自分で結婚式を取り仕切るつもりでいるみたいだ。
結婚式は2か月後に決まりリズは嬉しそうに。
「やっと結婚できるのね。前世で1度結婚式を挙げているから2度目だわ」
「前世では初夜もしていないから、今回が初めての気がするよ」
リズは顔を真っ赤にして。
「ウッフフ、それもそうね。優しくしてね」
リズは俺のアーニャ母上と自分の母親のジャクリーヌに衣装選びや肌の手入れをさせられて悲鳴を上げている。
結婚式までの間、男の俺は暇なので南大陸にある国を調べているアヤノの諜報部から報告を聞いたが、入国は出来たが肌の色が違うので怪しまれ諜報員が1人捕まったが、何とか奪い返して早々に逃げて帰ったと報告があった。
南大陸にある国は一国らしくカンボナ
王国と言い肌は北大陸の人は白人に近いが南大陸にある国の人は浅黒いみたいだ。
カンボナ国の様子は分かったのはそのくらいでアヤノは、今度は浅黒い肌に見せる工夫をして調査をしてみると言っていた。
2か月が過ぎ今日は俺とリズの結婚式だ。
結婚式はアマリア女神様を祭る教会で行われ、俺が祭壇の前で待っていると父親のショーン公爵にエスコートされて純白のウエディングに身を包んだリズが祭壇に来た。
ショーン公爵が俺の横にリズを置くと少し涙顔で。
「娘を宜しく頼む」
ショーンは愛する娘を手放すのが、寂しそうに祭壇を下がると教会の最高者の司祭長が祈りを捧げてから俺とリズに。
「新郎リオン、あなたはここにいるリズを病める時も 健やかなる時も、富める時も、 貧しき時も妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか」
俺が
「誓います」
司祭長がリズに。
「新婦リズ、あなたはここにいるリオンを病める時も 健やかなる時も、富める時も、 貧しき時も夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか」
リズが。
「誓います」
「では誓いの指輪の交換とキスをしてください」
指輪の交換をしてキスが終わると司祭長が。
「アマリア女神様の前でリオンとリズは婚姻を結び夫婦と認める」
参列者から盛大な拍手で祝福され俺とリズは結婚した。
その後、屋根のない馬車に乗り皇都をパレードすると、住民から花びらを撒かれ、祝福を受けながら王宮に着いた。
大広間で大勢の招待客を招いて祝宴を開いたが、終わったのは20時ころで正直、応対で疲れてしまい、寝室に行ってホッとした。
リズとは前世で1度結婚しているが初夜の前に飛行機事故で死んでいるので初めての初夜だ。
俺もリズも緊張したが長いキスをして落ちついた俺は、優しく愛撫してリズと一つになった。
リズは俺に強く抱き着いて終わった後。
「嬉しい! これで本当にリオンの奥さんに慣れたのね」
俺はこの夜の感激を一生忘れないだろう。
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