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第24話 視察



 最初に宿泊予定地の村に近づくと黒煙が見えた。


 リンダがそれを見て。


「リオン様、村が盗賊に襲われているみたいです」


 俺たちが急いで駆け付けると、家が焼かれ村人が手足を縛られている所だった。


 バースとリンダが直ぐに盗賊と戦い始めて短時間で倒して、村人を助けている間に俺は、水魔法で焼かれている家の火を消し止めた。


 幸い焼けた家は少なく、リズは怪我人を治癒魔法で治している。


 盗賊は20人いたが、バースとリンダが盗賊の半分は殺し、半分は生きたまま捕え手足を縛りバースが。


「面倒だから残っている盗賊も殺しましょうか」


 物騒な事を言うのでリズが。


「殺してはダメよ。1番近くの警備隊に連絡して引き渡しなさい」


 村長だという老人が俺の所に来て。


「ありがとうございました。お陰様で助かりました」


「死人は出なかったか? 物は取られていないか」


「幸い死人は出なく襲われたばかりで金品を出すように言われましたが、被害も少なく貴方様のお陰で助かりました。本当にお礼を申し上げます」


 村の若者が1時間離れた街の警備隊に知らせに行き俺たちはその晩は村長の家に泊まった。


 村長に聞いて。


「たびたび盗賊に襲われるのか?」


「新しい皇太子殿下が警備隊を巡回するようにしてからは盗賊の襲う事も無くなっていたのですが、今回は盗賊も取り締まりが厳しくなり困って襲ったみたいです」


「そうか。巡回の回数を増やすことにしよう。その他に困った事はないか」


「新しい皇太子殿下になってからは農作地の改良も指導して頂き、収穫が増えてありがたく思っております」


 俺の政策が浸透してきて良かったが、此れからも国民が安心して豊かに暮らせるようにしなければと思った。


 

 そうすれば盗賊も減るだろう。


 次の日に村人に礼を言われ、村に別れを告げて次の目的地に向かったのだ。


 馬を走らせていると、街道の所々が崩れていたり、ぬかるんでいた。


 此れでは馬車が通るのに苦労するだろう。街道の整備も早急に行わないと、と痛感してやはり視察をしなければ実際の所は分からないと思った。




 次の目的地の帝国の直接管理地の街に着くと、住民が騒いでいるのでリズが聞いてみた。代官が新しく商店主に売り上げ税を作り、売り上げの1割を徴収すると言って商店主の代表が抗議したが、抗議した代表が牢に入れられたらしい。


 許可なしに新しい税を課する事は禁止しているはずなので俺は試しに影の者が出るか。


「影の者いるか。いるなら出よ」


 驚く事に直ぐ現れて。


「御用ですか? 何なりと申しつけて下さい」


 いやー、驚いたぜ! 旅の途中で影の者が出るとは思わなかったよ。俺が不思議に思い。


「一体どうして何もない所から出て来られるのだ」



 影の者は疑問に答えて。


「本来なら教えられないのですが、今度の皇帝は若く付き合いが長くなるので教えます。我らは闇魔法を使い、陰に隠れていつも皇帝の側にいます。今回はどんな御用でしょうか」


「影魔法が使えるのか。此の地の代官がどんな人か調べてほしいが、調べられるか」


「お任せください。宿はあの宿が良いでしょう」


 影の者は近くの宿を指定して影の中に溶け込んで姿を消した。


 流石のリンダも驚き。


「今の人は、急に現れて急に消えて何者ですか?」


「余にも分らんが、皇帝に昔から仕える影の者で皇帝に絶対の忠誠を誓い、皇帝の命令しか聞かないらしいのだ」


 バースが感心して。


「へえー! 凄いな~・・・・・・」


 リズも驚き。


「皇帝になると、色んな事があるのね」


「余も最初は驚いたよ」



 影の者が指定した宿に着き、休んでいると、数時間して影の者が。


「代官を調べましたが、税金の横領、隠れて若い女を性奴隷にしています。此れは証拠の書類です」


 仕事が早くて感心したぜ。早速、明日にでも代官を処分しよう。




 次の日に警備所に行き、身分を明かして警備員を連れて、代官の屋敷に行き面会を申しこむと、門番が俺たちの服装を見て。


「代官様に予約はしているのか。お前たちのような冒険者に代官様は合わないだろう。帰れ! 」


 バースが門番に。


「この方は皇太子殿下だ! 無礼な事を申すな」


 門番はそれでも。


「ふん! 皇太子が冒険者の恰好をしているはずが無いだろう。嘘をつくな」


 リンダが無言で門番を殴り。


「無駄な時間を使わすな」


 そのまま門の中に入り大きな声で。


「代官いるか! 皇太子殿下が会いに来た。出迎えに出ろ」


 代官と思われる太った男が出て来て。


「うるさいな! 皇太子が来るはずがないだろう」


 顔を見ると成人の儀で見たやつで俺の顔を見ると真っ青になり、慌てて。


「アッ! 殿下。無礼をお許しください」


「余を知っていたのか。中に入るぞ」


 中に入ると代官に。


「お前は禁止されている新しい税金を作ったうえ、若い女性を性奴隷にしているそうだな。証拠は挙がっている」


 俺が証拠の書類を出すと代官は言い訳をしようとしたが。


「言い訳は無用だ。代官の職を解き処分をする。処分が決まるまでは、牢に入れておく」


 付いて来た警備員が縄で縛り喚いている代官を連れて行き、牢に入れて一件落着したのだ。


 その後、代官は打ち首処刑され俺が鑑定の目で見て、新しい真面目な代官に変えたのである。


読んでいただきありがとうございました。

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