夢
学校にいる。
真昼の学校。でも、人はほとんどいない。
教室のドアが開くと、そこには二足歩行をする六本足のヒトデがいた。
「はーい、授業を始めるよー」
突然、黒板に何かを書きだす。猫のような、犬のような、タヌキのような、カメムシのような。
よくわからないものが、書き出されては浮き出てきては動き出す。
やがて、謎生物で一杯になった教室に、大きな音を立てながらウミウシが乱入して来る。
ウミウシは、謎生物を食べながら黒板を綺麗にしていき、暗雲を残して帰っていく。
「行かないで!」
咄嗟に声が出る。しかし、ウミウシは振り返らない。何処にあるかもわからない目を真っ直ぐに向けて、泥臭い戦場へと進んで行く。
気付けば教室はそこには無くて、背丈ほどもある穴でジッと身を潜めていた。
横にいるザリガニが、身を乗り出してカニカマを構えている。
と、どこからか、穴に水風船が投げ入れられた。
それが破裂すると、虹色のスライムが現れて、世界の境界をドンドン溶かしていく。
直線が曲線に、立体が平面に。
そうして気づくと、ゲルニカの中に閉じ込められていた・・・。