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できれば好きと、言ってみたい  作者: 漣眞
第一章 声。今君に
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第七話 紫色の猫

 グループ決めを行った次の日。波夏の提案で、誠一達は六人で昼食をとっていた。


 しばらく雑談をした後、竜翔がみんなに尋ねた。


「そういえば、レポートのテーマどうする?」

「そうだった。それ決めないと」

「お前そのためにみんなを集めたんじゃないのか?」

「話に夢中になって完全に忘れてた……」


笑いながら言う波夏に八宵は呆れながらため息をついた。


「ま、まあ、今から決めればいいじゃんか。で、どうする?」

「そういう水崎はなんか案はないのか?」


駿が竜翔に尋ねた。


「俺と誠一はこの辺に詳しくないんだよな。家が遠いから」

「なるほど」

「あ、でも僕のおばあちゃんが星鏡町に住んでるから聞けばなにかわかるかも」

「う~ん……そうだな~……」


駿は少し悩んだ後、ハッと顔を上げた。


「そうだ!『葵山の化け猫』なんてどうよ」

「あ!それ知ってる!」

「あれか」

「でもちょっと不気味だから気が進まないな……」

「惺玖は怖いの苦手だもんな」

「うるさい」


その話を知らない誠一と竜翔は話についていけなかった。それに気づいた八宵が説明を始めた。


「星鏡町に葵山っていう山があってな。そこには山頂に向かうための道と途中でもう一本道があるんだけど、その道を通ろうとすると化け猫が出てきて襲われるっていう言い伝えがあるんだ。そのせいで、その道には誰も寄り付かなくなったんだよ」

「ただの言い伝えなのにみんな信じてるの?」

「それがね竜翔君。気になって確かめに行った人たちがみんな紫色の化け猫を見たんだって。相当怖かったらしいよ」

「へ~、波夏ちゃん詳しいね」

「こういうことだけな」

「なにその言い方~」


そんな光景を見ながら誠一は楽しそうに笑っていた。


「よし!じゃあ、今週末みんなで行ってみるか!」

「さんせ~い!」


誠一、竜翔、八宵の三人も駿の提案に賛成する中、惺玖は乗り気ではなかった。


「なんだよ惺玖。嫌なのか?」

「だってさ~……」

「なんだ橋姫!だらしないぞ!」

「そうだよひめちゃん!ビシッとしなきゃ!」

『なんでだろう……。この二人に言われるのめっちゃ嫌なんだけど……』


「橋姫さん」


誠一に呼ばれて惺玖は顔を上げた。


「大丈夫だよ、一人じゃないんだし。 怖くなったらみんなで一緒に逃げよう」


その言葉を聞いて惺玖の表情が軽くなった。


「わかった波夏。行く」

「はい、決まり~!じゃあ土曜日の昼に駅に集合ね!」


その時ちょうど予鈴が鳴り、六人は教室に向かった。


「淳月君、ありがとね」

「ううん。何かに怖がる気持ちはすごく分かるから。別に気にすることないよ」

「うん。あ、でも逃げるときに置いて行ったら許さないからね」


惺玖はムスッとした表情で誠一の方を見た。


「そんなことしないよ」

「絶対だからね~」


二人は笑い合いながら昼休を終えた。

ご覧いただきありがとうございます。よろしければ、いいねや感想などよろしくお願いいたします。

六人のレポートのテーマが決まりました。次回は六人で葵山へ!

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