第六話 きっかけ
「ひめちゃん、淳月君~!班組もう~!」
「淳月~!、班組もうぜ~!」
誠一と惺玖のもとに竜翔、駿、八宵、波夏の四人が近づいてきた。
「あっ」
駿と波夏は声をそろえて顔を見合った。
「わお、人数ぴったりじゃん!」
「淳月女の友達もいたのか」
「友達っていうか……」
「とりあえずそろったな。いいよな?惺玖」
「もちろん」
「こんなにもきれいに集まるとは……」
こうして、誠一の班のメンバーが決まった。
「よろしくね、淳月君」
「よ、よろしく」
改めてそう微笑む惺玖に誠一は少し恥ずかしくなった。
「じゃあ座って顔合わせしようか」
誠一と惺玖の周りの人はグループ作りのために席を移動していた。竜翔の一言で机を動かし、六人は向かい合うように席に着いた。
「まずは自己紹介ってことで私から!吹奏楽部の常坂波夏です!せっかく集まったメンバーなので仲良くしたいです!」
「同じく吹部の雪枝八宵。惺玖と波夏とは中等部からの友達」
「橋姫惺玖です。吹奏楽です」
「水崎竜翔です。サッカー部で、誠一とは幼なじみです」
「青凪駿!野球部!」
「えっと、淳月誠一です。部活はやってないです」
一通り自己紹介を終えた後、波夏が携帯を取り出した。
「ね、みんな連絡先交換してグループ作ろうよ。レポートのこともあるし」
「名案だ常坂!」
「ふふっ、さすが私」
「すごいなお前」
「えっへん!」
勝手に二人だけで盛り上がる姿を見ながら、竜翔は八宵に尋ねた。
「もしかして波夏ちゃんって、その、なんていうか……」
「言わんとしてることは分かる。その通りだ。私と惺玖も手を焼いている。青凪も同じ種族っぽいな」
「俺もまだ会ったばっかだけどおそらくそう」
「言っておくが私と惺玖は波夏で手がいっぱいなんだ。青凪の面倒はお前と淳月が見ろよ」
「え~……」
「え~じゃない」
そんな四人を誠一と惺玖は傍から見ていた。
「なんかみんなすごい仲良くなってない?」
「確かに」
誠一は笑いながら答えた。
「私たちも負けてられないね」
「え、いや、勝ち負けとかじゃないよ……」
誠一は再び頬を赤めた。
顔合わせは想像以上の盛り上がりを見せ終了した。その帰り。誠一は竜翔と二人で帰っていた。
「大丈夫だったか?」
「なにが?」
「自発的にではなく人と関わる状況になったからさ」
竜翔は盛り上がっている最中でも、常に誠一の心配をしていたのだ。
「ありがとう。無理とかしてないから大丈夫だよ」
「ならいいんだけどさ」
この時、竜翔は感じていた。誠一がもう一度、人に心を開こうとしていることを。
家に着いた誠一は、自分の部屋で携帯とにらめっこをしていた。
『グループに入ってたら、そのメンバーの連絡先も登録できるんだよね……。いや〜でもな〜…。いやいやいや、何を勘違いしてるんだ誠一。ただ一応ってだけで、別になんか他に理由があるとかじゃないし……』
”テレーン♪“
「誰だろ」
惺玖は携帯を手に取り画面を見た。
「あっ……。ふふっ」
思わず微笑んだ惺玖が見つめる画面には、誠一からのメッセージが通知されていた。
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誠一の班のメンバーが決まりましたね。竜翔が感じ取った誠一の気持ち。誠一のこれからに注目です。そして誠一が惺玖の連絡先を登録しました。勇気を出して連絡先を交換する。皆様にも経験があるのではないでしょうか。次回はレポートのテーマについて六人での話し合いです!




