8話 エピローグ
ちなみに15時にも更新してます。
前話を読んでないよーって方は、前話から読んでいただけると嬉しいです。
XG財団の検査の結果、XG-812-Queenの痕跡は完全に消滅したとのことだった。
あの日、俺がXG-812-Queenの力を否定したのが原因だろうとアイザック・アルティオは言っていた。
俺は晴れて彼らの隔離対象から外れたってわけだ。
でもまあ、本当のところは俺が知っている。
(なあ、いつまで俺は女体化したままなんだ?)
――"あー無理無理。わたしはあらゆる個体を女王にする能力を有するけど、その逆変換はできないから"
(一生この姿でいろと⁉)
XG-812-Queenの痕跡が無くなった理由は簡単。
――"そんな自分を受け入れて生きていくんでしょ?"
俺が、XG-812-Queenさえも自分だと認めたからだ。
だから、事態をより正確に表すならこう。
俺とXG-812-Queenの境界線がなくなった。
ただそれだけのこと。
――"後悔してる?"
まさか。
「これは俺の同期の同期が言ってた言葉らしいんだがな。『掴んだ手は離さない。それが強く生きる秘訣』。らしいぜ」
――"それキミが言ってない常盤語録だろう"
そうとも言う。
まあ、なんだ。
気づくまでに、長い時間がかかったけどさ。
「お前がいてくれたから、今の俺がいるんだよ。その過去を否定なんて、したくない」
――"難儀な性格だね"
「かもな」
*
で、だ。
結局、ユノとの賭けは俺の負けになった。
まあ、毎日配信するってルール破ったし。
そりゃそうよな……。
でもまあ、Renがポンコツ過ぎるせいで割と初期の段階から「姫籬Ren、常盤望説」を考えていたみたいだし、あんまり関係なかったかも。
「――で、ユノ。今日は人を呼んでるって聞いた」
「そうなんですよ! 加賀美さんもびっくりするあの人です!」
「まあ私はリハで会ったけど」
「それ言っちゃダメぇぇぇぇ‼ っていうか、え? いつ会ったんですか⁉ 私リハで顔合わせなかったんですけど⁉」
「かわいそうに」
「かわいそうって言わないで⁉」
バーチャルの世界で、加賀美ネルヴァと夜見坂ユノ――Synthe/Liveのメンバーたちが掛け合いをしている。
ええ、ここに飛び込めと?
「じゃあ呼ぶよー。コラボ相手は、この人でーす」
「あ⁉ 加賀美さんそれ私のセリフ!」
「はっはー。早い者勝ちなのだー」
あー、もう。どうにでもなれ!
「リハと違う感じで始めるのやめてくれます?」
・草
・Renちゃん来たぁぁぁぁぁ!
・祝! コラボ!
「あ、どーも。姫天下る木の姫籬Renです。今日は未知の先目指して頑張ろうと思います! よろしくね!」
この度は『TSゲーマー、ダクファン世界を配信中!』をご愛読いただきありがとうございます。
本作はこれにて完結となります。
ブクマを外される前に評価だけでも残していっていただけると幸いです。
また、本日カクヨム様の方で新連載を立ち上げました。
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一ノ瀬るちあ