保存文書3
おそらく、この文書の前後に
いくつかのやり取りがあったはずだが、
記憶がないため、便宜上こちらを
保存文書3として保存する。
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お兄ちゃんへ
私は怒っています。
まさか、お兄ちゃんが戦争に参加していたなんて
思ってもみませんでした。
異世界は平和だと思っていたのです。
ペンも握れないほどのケガをしたと書いてあって
もぅ、本当に本当に驚きました、
しばらく手紙が来ないな、とは思っていたのですけど。
とにかく、あまり危ないことはしないでください。
あと、同封してくれた写真のようなものありがとう。
お兄ちゃんが歳をとっていたので、
はじめはわかりませんでした。
随分と印象もかわりましたね、
でも、きっとそれが本来のお兄ちゃんなのでしょう。
まわりにいる人たちもとてもいい人たちそうですね。
美人、美形が多くて羨ましいです。
お父さんたちにも見せたかったのですが、
あまりに異世界な衣装だったので困りました。
どうみてもコスプレパーティーだからです。
仕方ないので首から下を油性マジックで
塗りつぶしてお父さんたちに見せました。
二人ともたくましくなったと喜んでいました。
油性マジックで塗りつぶしたのは
全裸だったからだと思ったようです。
お兄ちゃんと、連絡を取りたがるので
電波も届かない未開拓地にボランティアに行っている」
といったのを信じているのです。
こちらは、相変わらずですが、
先週お父さんがぎっくり腰になりました。
お母さんが病院に連れていこうとお父さんをもちあげて、
お母さんもぎっくり腰になりました。
私が旅行中だったのが悔やまれます。ごめんなさい。
なんだか、私以外みんな具合が悪いですね。
こちらは病院があるのでいいですが
お兄ちゃんは大丈夫でしょうか。
魔法の戦争が想像できないので本当に心配です。
もぅ、絶対に危ないことはしないでね。
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