プロローグ-ランザーの誕生-
どうも、煉さんです。
駄文ですいません。
そしてちょっとグロイかもしれません。
苦手な方はお逃げください(苦笑)
暗い部屋の中、十数台のモニターとキーボードに囲まれた男が一人いた。数千の文字の羅列を一瞬で把握しているかのように右から順に目で追っていた。
男は狂ったように笑い声を上げてキーボードを叩く。その音は下手なラップなどよりリズミカルに響いていた。男の笑いはその音の歌のようにさえ聞こえた。
「ふっはははははははは、もうすぐ…もうすぐだ…あははははははははは」
そんな中一つの不協和音が響いた。それに不快を覚えたのか男はキーボードを叩く手を止めた。そして振り向きもせず近くにある缶コーヒーに口をつけた。
何の音もしなくなった部屋の中に男が二人。キーボードを叩いていた男とは別に中世の貴族のような服装をした男が部屋の中にいた。
「研究成果はどうですか?」
「もうすぐ…だから出てけ」
男はそう言うとまたキーボードを叩き始めた。先ほどとは違い、カタカタと機械音のような変わらない音で部屋に鳴り響く。
「全く、いつまでも感情表現の苦手な方ですね。私は退散するとしますか。」
そういい残し部屋から出て行った。
男が出て行った部屋から聞こえてくる機械音はさっきのようにリズミカルではなかった。その音は不快音となって男の耳に届いていた。
キーボードを叩く音がまた止み、無機物なコンピューターの処理音だけが部屋を支配した。ジジッっという音が部屋中に響き渡る。そして止む。
男の顔が不愉快だと言わんばかりに顔を歪ませた。そして歪んだ顔が笑いに変わった。その笑いは狂っているというより無邪気な子供のような笑いだった。
「ははは…やっと完成だ。ランザープロトタイプ…」
男は笑ったままドアに倒れこんだ。男はそのままの状態で笑い続けた。そして近くにあったナイフに気がついた。そのナイフを手に取り自分の腕に突き刺した。
突き刺したナイフは肉を抉り、大量の血を撒き散らした。にも関わらず男は痛がる仕草すら見せない。それどころか耳が痛くなりそうなくらいの高音で笑っていた。
「ックククク。ハハハ…ヒャハハハハハハハ!」
腕に刺さったナイフを一度引抜きもう一度差し込んだ。それを何度も何度も繰り返した。周りが血飛沫で真っ赤になるほどに。
「…」
男の笑い声が消える頃には命の焔(ほむら)も消えていた。辺りには血と肉片と鉄の匂いで充満していた。コンピューターのジジッという音だけが虚しく部屋に響いていた。