表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不本意ですが「悪魔様、御命令を!」  作者: ニノマエ ハジメ
第一章 二人の出会い編
3/31

第二話 記憶

目の前の悪魔は少しも笑わずに僕の目をじっくり見ていた。


「…悪魔って本当にいたのか…?」


本能的に危機を感じて、僕は悪魔からゆっくりと離れた。


「…止まれ。俺はお前を殺さない」


「誰が悪魔の言葉なんて信じるか」


伝説上、悪魔は狡猾で嘘を愛すると言われている。もちろん"伝説上の存在"だと思っていたので、実際はどうなのかなど知らないが。


「…俺の言葉は信用に足る」


そう言いながら、悪魔は人に化けた。

彼の巨大な片翼は彼に巻きつく様にして消え、鈍い光沢のある黒い服に変わった。


「…お前は、俺と契約したからな」


「…契約? 」


そんな事は全く記憶に無いのだが…


「…契約に際して、お前の記憶が邪魔だったので抹消させてもらった」


「…え? 」


記憶を消すなんて出来るのか?


「疑うなら、試しに何か思い出してみろ」


そうだ、僕はさっきまで…

…あれ? 僕はさっきまで何してたっけ? 僕はどうしてここにいるんだっけ? 誰とどうやって暮らしていたっけ?


…僕は、誰なんだ?


「…俺と共にこの世界を滅ぼせ。それが契約内容だ」


世界を滅ぼす? 一体何の為に?


「…行くぞ」


「ちょっと待て。お前の目的は何だ? 僕は何を望んで契約したんだ?」


「…」


悪魔はその質問には答えなかった。

代わりに確実にすぐに答えられそうな質問をした。


「…契約を破棄したら?」


「お前の魂を奪う」


…今、僕に分かる事は何も無い。でも、僕は悪魔と契約をした。これはきっと真実なのだろう。もし真実でなくても、真実にするしかない。

今の僕には、この悪魔と旅をする以外、答えはなさそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ