第十七話 感慨
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今後の創作の指針とさせていただきます。
「…あの日の都主様、ですか?」
都主の秘書は少し気まずそうな顔をしながら言った。
「はいっ、どんなことでもいいんです! 何か特別な事は有りませんでしたか?」
「そう、ですね…都民による反乱が最近多くて困る、と言っていたような気がします…」
「反乱、ですか…」
秘書は明らかに困った顔をしていた。
「ところでミリアさ…いや、ミリア、あの事はもうこの方々に申し上げたのですか?」
「…はい」
「…そう…」
秘書は俯いた後、穏やかに笑った。
「どうか、ミリア様のお気持ちを分かってあげて下さい。 この子は時々おかしな事も言いますけど、とっても純粋で優しい子なんです…!」
僕も優しく微笑み返した…つもりだ。うまくできたかはわからない。
「…それは、今まで共に行動してとても強く感じました。…変な表現になりますが、この方とずっと一緒にいたいと思えるような方だと」
…これは事実だ。別に恋した訳じゃない…と思う。ただただ、一緒にいたらつらい事を忘れられそうな、そんな子だ。
秘書は少し目を見開いて、それから、今まで僕が人生で見たこともないような笑顔になった。
「…そうですか。…ミリア様の事、これからもよろしくお願いします…!」
「…はい、こちらこそよろしくお願いします!」
…うん? 『これから』っていつまでのつもりだ?
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…そっか。ミリア様もようやく相手を見つけたか…。
それにしてもお父様があの若さで亡くなるなんて…可哀想だけど、あの使者の子が支えてくれれば、きっとミリア様も大丈夫ね。
「…あーあ。私も相手探さなきゃなー」
春の風が、私の背中を押してくれているような気がした。