第十六話 秘密
「誠に申し訳ございませんでした!」
僕らは3人で警備兵に話を聞きに行ったのだが、なぜかものすごい勢いで謝られてしまった。
「そんなに謝らないで下さい!」
「我々がついていながら、お父様を守りきれず…!」
…え、お父様…?
「…あ、あの、それはこの方々には秘密にして欲しかったのですが…」
「あぁっ、申し訳有りませんでしたっ!」
お父様って、まさか。
「…もしかして、ミリアって都主様の娘なの?」
「…うん」
あぁ、だからあのとき涙目だったのか。
「…うぅっ、うゔぁあああっ!」
ミリアはまた大声で泣きだした。
この子も色々大変だったんだな…
とりあえず僕が頭を撫でると、ほんの少しだけ彼女が微笑んだ気がした。
僕らはミリアが落ちついてから、彼女の出生について話を聞くことにした。
「…元々私は捨て子だったらしくてさ、都主様は義理のお父さんだったんだけど、本当の家族みたいにしてくれたんだ」
「へぇ…優しい人だったんだね」
「うん、すっごく優しい! だから、せめて、殺した相手を見つけて、仇を取りたいの…!」
…僕の中の良心が疼いた。でも、この都主様を殺したのは僕らだ。この矛盾してるモヤモヤした気持ち…
ディアも分かるよなっ! っと思って振り向いたらすごいどうでもよさそうな顔をしてた。
…おい、なんだその顔!?
「では、次は秘書様に話を伺いましょう」
「うん! お父さんの為に、私頑張るから!」
…彼女が真犯人=僕らを見つけるのは、まだ先の話になりそうだ。