第十五話 現状
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都主を殺した犯人を捜している、いや、正しくは捜している設定の僕ら3人は、客室で犯人特定のための作戦会議をしていた。
「…じゃあ状況を確認するよ? まずは犯人が都主様の部屋に侵入するとき、警備兵達は1人残らず倒れていた。倒れたときの記憶も無いみたいだから、多分何かの魔術が使われたんだと思う」
「魔術か…警備兵の数はどのくらい?」
「確か4人って言ってたと思う」
「結構多いな…そうなると犯人の魔力はかなり強いね…」
…あれ? もしかして僕自分で自分の首絞めてる?
「或いは、複数犯である可能性も有りますね。都民が都主に反乱を起こそうとしたのかもしれません」
「それはあるね。…都民まで疑わなきゃいけないのか…」
ナイス、ディア! このままだと疑われるところだった。
「次は、遺体の刺し傷。でも、これからはあんまり分かることが無いんだよね」
ミリアは苦笑した。
「だからまぁ、実際犯人特定に役に立つのは当時警備兵が倒れてたってことだけ」
「そっか…」
今のままなら僕らが都主を殺したことはバレない。けど、その代わりに支配もできそうにもない。
どうしたものか…
当分無言の状態が続いたが、いずれディアが重い口を開いた。
「…それでは、都主様の護衛兵達により詳しく話を聞きましょう。当時は彼等が最も近くにいたはずです」
「そうですね、私も簡単にしか聞いていないからもう一回ちゃんと聞きたいです」
…ミリアが珍しく真面目な顔をしている。
「その次は都主様の秘書に聞こう。普段から近くにいた人だから、何か知ってるかもしれないし」
「その他にも王宮の方々ならば当時の事を知られている方がいらっしゃるかもしれませんね。後で聞いてみましょう」
「そうですね、色々試してみましょう!」
…さて、この子をどう騙そうか。