第十一話 慰め
今作品初めての女の子が登場します!
ぜひ可愛がってあげて下さいね!
「リコマス様! リコマス様!」
その日は、聞き覚えのない女の声で目が覚めた。ディアはまだ眠っている。
「リコマス様! 居るなら返事して下さいリコマス様!」
うるさいな、誰だよリコマスって…ってそれ僕じゃん!
「は、はい!」
僕は慌てて返事をした。それとかぶせるように彼女はまくしたて始めた。
「お客様を無理矢理起こすということがどれだけ無礼な事かは分かっているのですが、しかしこの場ではそんな事を言っている場合でもない訳でっ、なので私はっ!」
「とりあえず落ち着きましょう! …よろしかったら、中に入られますか?」
「はっ、すいません! …失礼します…」
僕は客室の外にいた女性を中に入れ、彼女の話を聞くことにした。…この人、僕より年下じゃないか?
「…突然な話で申し訳ないのですが、実は今朝、都主様が亡くなられたのです」
その話はもちろん知っていたけど、僕はできるだけ残念そうに言った。
「…そうですか」
「刺し傷がたくさんあったので、魔物によって殺されたのではないかと考えられているとのことです」
「…はぁ」
「私、この国に仕えてから初めての配属なんです! それなのに、最初からこんな事件が起こって…私どうしたらいいかわからなくて…うぅっ…」
そんなことを僕に言われても困る…って泣いちゃったよこの子! …どうしようかな…
僕は口下手だし、他にできることもないので、僕はできるだけ優しく彼女の頭を撫でた。
「…ゔぅ、ふぇっ? …ふへぇ〜♪」
なんとなく、彼女の顔が少しほころんだように見えた。
「あ、あのっ、ひ、一つ、お願いがあるんでずっ」
多分僕より年下だと思われる彼女は泣きながら言った。多少は落ち着いただろうか。
「はい、なんでしょう」
「あの、都主様を殺した人を一緒に探してくれまぜんか!」
「…え?」
「私、どうしでも信じられないんでずっ! 都主様が魔物に殺ざれたなんでっ! だがらっ、どうか手を貸して下ざいっ!」
「は、はい…」
「あぁっ、ありがとうございまずっ!」
…また面倒なことになったな…
僕の感情は、目の前の彼女と間逆の方向を向いていた。