プロローグ 終わりの始まり
この作品が私の処女作になります。一応。
よろしかったらコメントよろしくお願いします!
あの日、爆音と共に俺の故郷は消えた。
妹の誕生日に俺が見たのは、空から降る無数の兵器と竜、そして焼け野原となった街の姿だった。
ついさっきまであった家々は瓦礫の山となって消え去り、多くの死体が大通りに倒れていた。顔半分が焼け焦げた生首が飛んで、俺の方に転がってきた。
…これが、ヒトのする事なのか。
同じ様に血の通った者がする事なのか。
「…誰か…誰か! 生きてんなら答えてくれ!」
いくら叫ぼうとも、誰も答えてはくれない。
「誰か! …いるだろ? なぁ、答えてくれよ!」
「…ハイハーイ、っと」
後ろから、やる気の無い返事が聞こえる。
気づくと"彼"は俺の後ろに立っていた。
"彼"は明らかに俺らの街の者とも、また侵略者達とも異なる雰囲気の黒い服を全身に身に纏っていた。
「…お前か」
「何が?」
「お前が街を…故郷を壊したのかッ!」
俺は声を荒げていた。そうせずにはいられなかった。
「おー怖ぁ。僕は”君の味方”だよ?」
”彼”の言葉と態度は全くこの場にそぐわないもので、それは確かに”彼”が明らかに普通のヒトとは異なる雰囲気を漂わせる要因となり得ていた。
「ここで争ったって意味無いし、それに何となく違うって本当は分かってるでしょ?」
”彼”は俺の方に近寄り、ささやくように言った。
「変えてあげようか? この景色も、君も」
そう言いつつ、"彼"は俺の頭に手をかざした。
「…変えたいんだろう? この状況を」
何もかも"彼"の言う通りだった。俺は思わず頷いてしまった。
「それなら…契約しよう。この漆黒の翼の名の下に!」
あの日、俺は全てを捨てた。
あの日が、俺の新しい始まりだったのだ。