第八幕 夜想曲
「やば・・・・。」
足音が、聞こえなくなった・・・・。
私はいつもノアに引き連れられて地下通路を歩いてるから、地下通路のことなんてわからないし、さっきまで足音を頼りに進んでたから、これまでどうやって歩いてきたのかなんて記憶にない。しかも、どこかの部屋に入ろうにも出入口はノアの能力によって別の物・・・たとえば、鏡とか壁に見せられてるから、鏡に飛び込むとか、壁に突っ込むとかしないと出入りできないのだ。ついでにいうと、ここには明かりが一切ないので、なにも見えない。つまり・・・
「絶望・・・・。」
せめて明かりとか持って来ればよかった・・・・。
壁に手をついt
「ぎゃあっ!!?」
壁がなかった。しかもヒヤッとした。
マジかよ・・・。運がないな・・・。私、このままここで死ぬんじゃないか・・・・?
「ん・・・?」
待てよ。これ、もしかして、
「入れた・・・。」
入り口だー!!!!!
「よっしゃああああああああ!!!!」
顔も入れてみると、どこかで見たことのある部屋だった。
「よっ、と。」
振り返ってみると、大きな鏡があった。この部屋の出入口はこれだったらしい。
「あ、この部屋・・・・
前に来たお茶の間だ。鏡だらけの可笑しな部屋。
「あれ・・・・?」
中央にあるテーブルにお菓子や紅茶が所せましと並んでいる。前はお菓子も紅茶もなかったのに。・・・・ま、いっか。これがあれば、ここからしばらく助けられなくてもなんとかなりそうだし。
「はぁ・・・・。」
安心したら喉が渇いた。なので、手元にあった甘い香りを漂わせる壜に入った飲み物を飲んでみる。
「おいしー!!!!」
甘くてシュワシュワしてる・・・!
「はー・・・・。」
近くにあった椅子にどすんっと座ると、安心して眠く・・・
「って、部屋が大きくなってる!?」
ヤバい!!もともと高かった天井がどんどん高く!!ああああ!!テーブルが・・・・!!!あんなに大きく!!!椅子の足も伸びてるし椅子自体がどんどん大きく・・・・!!
「どうぞ☆入ってください☆」
ん?この声・・・。
「言われなくてもわかってるのだよ。」
ん?
「ここ、もう少し暗くしたらどうでしょうか・・・・?毎回毎回眩しくて・・・・。」
あらら?
「まぁ、許してください☆」
「明かりなどどうでもいいのだよ。」
「はぁ・・・・。」
ノアにミスルトゥにフィアーノじゃん!!よかったー!!助け(!?)がきた!!助けにきたつもりも、助けるつもりもないだろうけど、私が勝手に助けてもらうよ!!うん!!ひとまずは隠れて・・・・
無理だわ。この高さから飛び降りるのは自殺行為だ。椅子の足が伸びてるのを忘れてたわ。うん。
「さて、おかしなお茶会を始めましょうか☆」
さて、ここからどうやって隠れましょうか☆はぁ・・・・。




