第七幕 情景
遅くなりました!すみません・・・。
「わかった・・・・。」
三月うさぎが誰なのか。私の予想が当たってれば、この人は私たちの部屋に人目を忍んで来る人2である。そして、この人がきても追い出される。
「この部屋の名前、当ててもいい?」
「どうぞ☆」
「赤ずきんの間。」
「正解!」
そりゃあたるわ。わかり易すぎるもん。
「じゃあ、ついでに、眠りねずみの正体と三月うさぎの正体言ってもいい?」
「私からなにかを言うことはできませんが、言うだけならどうぞ☆」
ノアの仮面の奥の瞳が楽しげに煌めく。
「眠りねずみはフィアーノ・ルレザン。三月うさぎはミスルトゥ・ヤドリギ。」
ノアは相変わらず面白そうにこちらを見つめるばかりでなにも言わない。
「どう?あってるよね?」
「私からなにかを言うことはできない、と先にいいましたよね?」
あ、忘れてたわ。
「さて、そろそろ夢から目覚めましょうか!このまま夢に閉じこもっていては、永遠に夢の中で暮らすことになりかねませんからね!」
結構時間たってそうだしね。帰ろっか。
* * * *
コン コン コンコン
えっ!?なに!?今、夜中だぜ!?なんでドア、ノックされてんだよ。
時計をちらっ、と見ると針は夜中の三時を指していた。
カタッ
布団から少し顔を出すと、ノアの足が見えた。今の地面に足をつけたような音はノアだったらしい。
カチッ
「どうぞ。鍵は開けました。お入りください。」
ひそめた声でノアは扉に向けて言った。
というか、開けちゃったの!?普通開ける!?夜中に来る人なんて、まともな人じゃないよ!?
ガチャッ キキッ
私たちの部屋のノアの趣味によって選ばれたアンティーク調の扉が開く音が聞こえた。
「・・・すまないのだよ。どうしても午前の方は時間が取れなくて・・・。」
「すみません・・・。僕も午前の方は無理でした・・・。」
「いえ、構いませんよ。ですが、ソレルの目が覚めてしまってはいけないので、なるべく午前の方でお願いします。」
「すまない・・・。」
「ごめんなさい・・・。」
この声は・・・ミスルトゥ・ヤドリギとフィアーノ・ルレザンか!
「では、いつも通りの場所に行きますか。」
「そうだね。」
「はい。」
そういうと、三人はその場から、ふっ、と消えた。慌てて、三人が消えた場所に行ってみると、
「ひょわっ!!?」
落ちた。そして思いっきり腰ぶつけた。
落ちた場所は真っ暗でなにも見えなかった。あれ・・・?もしかしてここ地下通路じゃね・・・?
コツコツ
三人分の足音が少し先から聞こえてくる。
・・・・よし、これを追って三人を追いかけよう!そして三人が外に出る時になったら、そのまま三人についていっちゃお!うん!!




