一話 ハローハローはじめまして平和ボケした善良なるクソ一般市民の皆様
目覚ましのベルが鳴る。午前6時30分。まだ少し眠いがいつも通りの起床時間だ。薄暗い空の見える窓を開け、外の新鮮な空気を入れる。少し蒸し暑い。もうしばらくしたら蝉が鳴き出すだろう。何をするでもなくベッドの上でゴロゴロした。
午前7時ちょうど。顔を洗う。最近目の下にニキビができた。丸刈りにした頭もついでに洗う。水が冷たくて気持ちいい。潰れてしまった耳を触る。柔道を始めてからもう五年か。耳は始めて一年目に潰れてしまった。餃子耳と言うらしい。イヤホンがキツい以外は特に支障はない。だがそれ以来耳を弄るのが癖になってしまった。
「良平!ごはんですよ」
あ、朝食だ。さっさと食べないと。
「良平、大会には母さん見に行けるみたいよ」
近々柔道の大会がある。上位大会へと進むにはここで勝たなきゃいけない。
「そう」
「あんまり嬉しそうじゃないのね」
「いや、別に」
「あ、父さんは行けないって」
「そう」
残ったご飯を一気に口に入れて着替えの為に立ち上がった。ちらりと母さんを見ると少し寂しそうに笑っていた。
今時珍しい黒の詰め襟の制服に着替え、歯を磨いて鞄を持って近くのバス停からバスに乗り学校へと向かう。
「あ、良平君おはよー」
「あ、おはようございます」
挨拶してくれたのは隣の家の友香さんだ。活発そうな黒のショートに大きな目、すらりとした鼻筋に薄い唇。いつ見てもかわいいなぁ。お隣さんだなんてラッキーだ。別に大して仲良い訳じゃ無いけどね。挨拶を交わす程度の仲。彼氏は居ないらしい。ちなみに友香さんは俺とは別の高校に通っている。それで挨拶を交わす程度の仲なのだから脈などあるわけがない。進停止だ。残念!彼氏もきっと稲井さんって人なんだ!ちきしょう!!
あ、バスが来た。レディファーストで友香さんを先に行かせる。うん、どうして友香さんはもう少しスカートを短くしないんだ!どうしてバスの階段はもっと急じゃないんだ!ちきしょう!ちきしょう!!
なるべく後ろの席に座る。というか、前の方は人で埋まっているのだ。このバスは割と混む。理由はよくわからないけどね。多分朝のバスがこの一本しかないからなのかな。
お、友香さんが俺の斜め前の席に座っているぞ!ラッキー!ラッキー!!
しばらく黙って乗る。もうすぐ学校だ。バス停の目の前にある学校とかなんて便利何だろうって毎朝思ってる。そう思った瞬間だった。突然キィーッ!!と急ブレーキの音がして、バスが揺れた。何だろうと思って前の方を見ると、覆面を被った男(おそらく男)が4人乗ってきた。4人とも手に映画で見るようなライフル銃を持っている。なんだなんだと乗客達が騒ぎ出す。すると覆面の一人が話し出した。
「ハローハローはじめまして平和ボケした善良なるクソ一般市民の皆様、我々は目的の為に手段を選ばない最低のテロリスト達ですよろしくよろしく。さて、残念ながらこのバスはジャックされました。ちょっとでも変な動きを見せたらぶっ殺しますさようなら。せいぜい静かに大人しく日本国政府の判断をお待ちください」
バスジャック?テロリスト?普段映画の中でしか聞かないような言葉を並べられ、乗客達は混乱しているようだった。もちろん俺も例外ではない。仲間の一人が運転手に出せと命じ、再びバスは走り出した。乗客が騒ぎ出す。バスジャック宣言をした男がバスの天井に向かって銃を撃った。
「あらあら皆様お耳が悪いようで、聞こえなかったのならもう一度言いましょう……黙れ!!殺すぞゴミ共!!大人しく言うこと聞いてりゃあ危害は加えねぇよ!!」
乗客はみんな静かになった。再び覆面が話し出す。
「おわかりいただけたようで結構です。では携帯電話を回収致しますので“大人しく”よこしやがれ」
振り向くともう学校は見えなくなっていた。
ハローハローはじめまして平和ボケした善良なるクソ一般読者の皆様!(気に入った)あんまり長くならないと思うのでどうぞよろしくっ!!お願いします。
これを書いた後にテロ事件が起こってしまった為しばらく更新しません。落ち着いたら書きます。




