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至極平和な春の午後

1年A組 小田仁志





 私立山王高校生徒会室。


 六時間目は自習。


 何となく気が向いたので来てみると、


 同じく自習なのか、長田さんと日比野さん、榊原さんがいた。









 「どうぞ。」


 「あ、ありがとうございます。」


 「………。」


 「あれ、いつものじゃないね。」


 「ええ。昨日、春日さんにいただいたんです。」


 「カスガ?」


 「1年B組の学級委員長さんですよ。」


 「ああ、メガネの。」


 「ええ。とても可愛い方なんですよ。」


 


 長田さんと日比野さんの会話をBGMに、自分は窓の外を眺めていた。


 手には紅茶の入ったカップ。


 何の紅茶かはわからないが、香りが良い。(味は、どう良いのかよくわからない)


 ふと、周りに目をやる。




 ニコニコ。笑顔で紅茶の入ったカップに口をつける長田さん。


 微笑を浮かべてカップを持つ日比野さん。


 黙々と、付け合いのクッキーを頬張る榊原さん。




 この生徒会室で、静かな時間を送ることができるとは。


 あの人たちが居ないと、こんなにも平和なのか…。


 


 某副会長と役員、その他騒がしいメンバーを思だし、また窓の外へ目をやった。


 その先の景色ではなくさらに遠くを見る。




 生徒会に入り、初めて過ごすであろう静かなひと時に、


  ああ、平和っていいな―――。


 などと、心から思った春の日の午後だった。





 

 本日の授業終了まで、あと20分弱。 





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